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宝塚「エリザベート」20周年・・・・本田悦久 (川上博)
☆日本で初めて「エリザベート」を観たのは、日本初演の1996年6月6日の東京宝塚劇場で、雪組の花總まり、一路真輝、高嶺ふぶき、等が出演していた。ウィーンで見た時は、エリザベートが主役だったが、宝塚版は、一路真輝演ずる死神トートが主役になっているのが、印象的だった。
2回目は1997年3月26日の東京宝塚劇場で、星組の白城あやか、麻路さき、稔幸、紫吹淳、等が出ていた。
3回目は、1999年2月23日にTAKARAZUKA 1000 DAYS 劇場で、花總まり、姿月あさと、和央ようか、湖月わたる、出雲綾、樹里咲穂、等の出演作を観た。
その後も観続けて、今回の宝塚宙組による公演は、初演から20周年の最新版。潤色・演出は小池修一郎、共同演出は小柳奈穂子。宝塚大劇場公演が終わって、舞台は東京宝塚劇場に移り、9月9日から、10月16日まで、上演されている (筆者の観劇日は9月14日)。
オーストリー・ハンガリー帝国の皇妃エリザベート (実咲凛音)暗殺事件から100年余、煉獄の裁判所では、実行犯ルイジ・ルキーニ (愛月ひかる) の裁判が続いている。エリザベート殺害の理由を聞かれて、「本人が望んだのだ」と答えるルキーニ。
時は1853年。15才のエリザベートは、父マックス (悠真倫) の自由奔放な生きかたに憧れ、気儘な少女時代を過ごす。ある日、彼女は綱渡りに挑戦して落下し、意識不明になる。そんな彼女を冥界の入口で迎えたのは、黄泉の帝王トート (朝夏まなと)。トートはエリザベートに死の接吻をしようとした瞬間に、エリザベートに心を奪われてしまう。トートが甘く切なく歌う「愛と死のロンド」。--その瞳が胸を焦がし、眼差しが突き刺さる息さえも俺を捕え、凍った心溶かす。お前の命奪う替わりに生きたお前に愛されたい--
禁断の恋をした黄泉の帝王は、彼女が「トート」を求めるまで追い続けようと、元の世界へ帰す。
オーストリー帝国は、その頃、若き皇帝フランツ・ヨーゼフ一世 (真風涼帆) によって統治されていたが、実権はフランツの母である皇太后ゾフィー (純矢ちとせ) が握っていた。ハプスブルク家の安泰の為に、ゾフィーはフランツの見合いを計画し、妹のルドヴィカ (美風舞良) とその娘ヘレネ (桜音れい) を避暑地バート・イシュルに呼び寄せる。フランツの相手としてゾフィーが選んだのは、エリザベートの姉であり、フランツにとっては従姉妹になるヘレネ (桜音れい) だった。
この見合いの席で、番狂わせが起こる。皇帝フランツが同行していたエリザベートにプロポーズ!! 翌年、ウィーンのアウグスティン教会で、フランツとエリザベートの結婚式が執り行われる。冷やかに式を見つめるトートは、「最後のダンスは俺のもの」と力強く歌う。
やがて、息子のルドルフ (澄輝さやと) が誕生するが、皇太后ゾフィーの策略で、浮気を余儀なくされた皇帝に、エリザベートは二度と心を許すことはなかった。
終演後、劇場を後にしても、「最後のダンスは俺のもの」、「愛と死のロンド」、エリザベートの歌う「私だけに」等のミュージカル・ナンバーが耳を離れない。
<写真提供 (c)宝塚歌劇団>
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「エリザベート」東京2016
ウィーン初演の「エリザベート」と初対面
http://www.musicpenclub.com/talk-201608.html
鎌倉で宝田明主演のミュージカル「ご親切は半分に」・・・・本田悦久 (川上博)
☆良い天気の冬の午後、宝田明さんから電話が入る。「今、鎌倉芸術館にいるんだよ。松山善三さんが書かれた新作をやるんだけど、来られない?」ミュージカルと聞けば、いつでも何処へでもすっ飛んで行くクセがある。同じ市内で、クルマなら30分もかからない所に行かないわけがない。「伺います」「開演は6時。ティケットは用意しておくから、先ず楽屋に来てね」というわけで、行ってみると、上月晃、こだま愛、石富由美子さん等々、お馴染みの方々がお揃いだ。
「暮れに心臓バイパス手術をやってね、2週間入院していたんだよ」「えっ? それで、もう舞台? 大丈夫ですか?」開演すると間もなく事情は判った。宝田さんの役は、寝たきり老人。ナットク。舞台は有料老人ホーム「あかつき」。我が儘な年寄りもいれば、希望に燃える元若者もいる。絶望に襲われれば、奇跡も起こる。老いらくの恋も・・・何でも有りの愉快なホーム。
制作: 櫻井洋三、演出は竹邑類。甲斐正人作曲、竜真知子作詞のミュージカル・ナンバーが楽しい。
誰がつけたのか、英題が「THANK YOU FOR YOUR 1/2 KINDNESS」となっていた。(1998.01.29. 記)
一回だけ上演の「ドラマティック古事記」・・・ 本田浩子
☆平成28年9月3日(土) Super神話劇「ドラマティック古事記 神々の愛の物語」が、新国立劇場オペラパレスで、午後4時から 一回だけ上演された。音楽監督・指揮: 坂本和彦、作曲: 松本俊行、東儀秀樹。
故市川森一 (2011年没) 原作の古事記は、2013年「ドラマティック古事記」として、ダンサーの西島数博を中心に宮崎県で上演され、その後も二回上演されてきたが、今回初の東京上演となり、西島本人が芸術監督・演出・振付、そして主演のイザナキを務め、彼の妻、真矢ミキ(元宝塚トップスター)がイザナミとして、初共演を果たした。舞台後方全面に、マークエステルの神話絵画が広がり、まずは、時広信吾デザインの衣装を身につけた故原作者の妻で女優の柴田美保子が語り部として登場、ゆったりとした独特の語りで、物語を展開する。次にアメノミナカヌシとして東儀秀樹が登場、笙を静かに、又、高らかに吹き鳴らし、観客を忽ち古代神々の世界に引っ張る。
天の神により、イザナキ・イザナミの男女神が出会い、二人の愛の結晶として、次々に島ができ、古代大和の形になっていく。美しく舞い踊り喜び溢れる二人だったが、二人が産んだ火に焼かれ、哀れイザナミは黄泉の国へと旅立ち、妻を愛するイザナキは黄泉の国まで追いかけていく。掟を破って、夫に会わせて欲しいと、ヨモツカミ(宝田明)に懇願するイザナミだが、変わり果てた妻の姿に恐れをなして、イザナキは命からがら逃げ出す。(第一幕)
そんなイザナキが身を浄めると、アマテラス、ツキヨミ、スサノオが生まれる。それぞれ、高天原、夜の国、海原の統治を任せるが、スサノオは母恋しいと泣いてばかり、とうとうイザナキから追放される。スサノオ(坂元健二)は、やったあ、自由だと叫び、本領発揮のやんちゃっ子そのままに、晴れやかに歌い踊る。そして、姉のアマテラス(舘形比呂一)にお別れの挨拶と天に駆け上る。暴れ者の弟が攻め込んできたと勘違いしたアマテラスは、スサノオを戦いで迎えようとする。華やかに舞う舞踊家の舘形と、ミュージカル界の坂本の対決は見事の一言につきる。戦いに負けたアマテラスは、天の岩戸に引きこもり、暗闇の世界になる。アメノウズメ(舞踊家・浅野瑞穂)、タジカラオ(バス歌手・河野鉄平)等の協力で、岩戸開きが無事完了、神々の喜び溢れる明るい世界となる。他に主な出演はソプラノ歌手の川越塔子、デザイナー・時広信吾の専属パフォーマーの青蓮が花を添える。(第二幕)
舞台は一転、現代青年姿の錦織健(テノール)が、現代の平穏を高らかに歌う。続くフィナーレは、美しいアマテラス、物々しい出で立ちのヨモツカミ始め神々の登場、そして、一幕で観客を魅了した主演のイザナキ、イザナミが万来の拍手で迎えられた。一回公演とは何とも惜しい流麗で華やかな、ドラマティック古事記を、堪能した一夜だった。
<写真撮影: 引地信彦>
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