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「ワンダーランド/グリーグ:ピアノ協奏曲 イ短調 作品16、《抒情小曲集》から/《ペール・ギュント》から/アリス=紗良・オット(ピアノ)、エサ=ペッカ・サロネン指揮、バイエルン放送交響楽団(協奏曲のみ)」(ユニバーサル ミュージック、ドイツ・グラモフォン/UCCG-1747)
アリス=紗良・オットとフィンランドの指揮者、エサ=ペッカ・サロネンとの初顔合わせである。これは2015年1月に行われたミュンヘンで行われたバイエルン放響とのグリーグのピアノ協奏曲をメインとした演奏会でのライヴ・レコーディングである。グリーグの協奏曲は、アリスがチャイコフスキーのピアノ協奏曲第1番と共に最も演奏回数の多い曲だったこともあり、この曲全体を彼女のグリーグとして音楽的にも実に見事にまとめ上げる事が出来たと思う。この時の演奏会での協奏曲以外の曲については、このCDでは記載がなく不明だが、ライナーノーツでアリス自身が述べていることによると、このCDにカプリングされる曲はアリス自身が決めることになり、彼女としてはこの頃興味を持ち始めたグリーグのピアノ小品を抒情小曲集から10曲、有名な「ペール・ギュント」からグリーグ自身による第2組曲から「ソルヴェイグの歌」、第1組曲から「山の魔王の宮殿にて」をピックアップしている。これらは如何にもグリーグ的で、2, 3曲の有名な小品も含め楽しい曲だ。(廣兼 正明) |