AUDIO REVIEW
ヤマハNX-70A(アクティブスピーカーシステム)
「オールインワンネットワークオーディオシステム」とよぶべきか
NX-70A ¥385,000(税込 ペア)
問い合わせ先=https://jp.yamaha.com/
ソース機器からアンプ、スピーカーまで網羅する総合オーディオメーカーのヤマハだから完成したオーディオである。アンプ内蔵のアクティブスピーカーにネットワーク機能が融合。ヤマハのプラットフォーム「ミュージックキャスト」を搭載。初期設定からマイクを使った音場補正機能、スピーカーの左右を入れ替えたり、ネットワークへの接続まで、すべてこのミュージックキャストが代行しオーディオ初心者でもかんたんに初期設定が終わる。
代表的なストリーミングサービスのQobuz,Spotify,Google Cast,AirPlay2にいともかんたんに接続する。日本でローンチ前のTidal にレディと抜かりがない。eARCでTV音声も再生する。プライマリー(マスター)とセカンダリー(スレーブ)スピーカーがワイヤレス接続され、連携用ケーブルを必要としない。プライマリースピーカー前面の有機ELディスプレイに入力コンテンツ、レベル等の情報を数値とピクトグラムで表示する。
ドライバーにNS-2000/600/800に使っている振動板素材ハーモニアスダイヤフラムを搭載した。ザイロンにスプルースを混ぜたハイブリッド素材だが、既存のものと混抄の比率を変え一体型に合わせたチューンて、2ウェイ構成の高域から低域までのレスポンス、音色を揃えている。
アンプ部に新開発のシナジスティックドライブを搭載した。アンプ一体型ならではの機能で、スピーカーをアンプの一回路と考え、ウーファーの駆動状況を常時認識しアンプにフィードバックを行う。ウーファーの高調波歪成分を抑えることでトゥイーターに及ぼす歪み、ノイズが減り、聴感上のつながりもよくなる。一体化、最適化から生まれたシンプルな高音質回路だが、アンプ、スピーカー専業メーカーだと難しい技術である。
音楽再生に欠かせないひとの声の表現に優れるスピーカーだ。さまざまな楽器の音色の響きが生々しく自然。音楽に精気、生彩を加える倍音の扱いが巧みなのだ。多種多様な楽器製造を通じて培ったヤマハの経験、技術、ノウハウから生まれたユニークなワイヤレス・アクティブ・スピーカーといえるだろう。
アクティブスピーカーは世界的なトレンドだが、国内オーディオメーカーの動きは鈍かった。ネットワークストリーマーも同様。ヤマハが沈黙を破った。新技術、機能満載で38万5千円という思い切った価格にヤマハの意欲のほどがうかがえる。オーディオ界に現われた近年屈指の注目作といえよう。(大橋伸太郎)
