ミュージック・ペンクラブ・ジャパン
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Audio Review

- 最新号 -

AUDIO REVIEW

B&W805D5(スピーカーシステム)
「筐体の奥深く進められた進化」

B&W805D(ダーク・ウォールナット)
※価格は今月下旬に発表。10月上旬販売開始

問い合わせ先= https://www.bowerswilkins.com/ja-jp/category/speakers/

 世界のモニタースピーカーのベンチマークでデファクトスタンダード、B&W800系がD5に発展した。過去5年の間隔で更新され、800D4が登場したのが2021年だから今回のD5への発展は予定通り。ダイヤモンドトゥイーターの搭載(800→800D)、ケブラーコーンからコンティニュウムコーンへの変更とリバースラップキャビネット採用(Diamond→D3)、バイオミメティック・キャビネット採用(D3→D4)と、B&W800系の発展は現代スピーカーの発展進化そのものとして記憶に鮮やかである。

 しかし、目の前にある800D5全5機種のグリルを外しユニットを露出してもD4とほとんど見分けがつかない。801D5の背後にまわってみよう。キャビネット裏のネットワークを内蔵したヒートシンク状のアルミパネルの形状が鋭角的なものからなめらかな形状に変わったかな、というくらい。今回のD5への進化は筐体の奥深くで進行していたのである。

 D5での変更には、全機種共通の進化と各機種ごとの変更がある。今回、振動系(ダイヤフラム等)、ネットワークの変化はなく要点は2つ。キャビネットの強化とウーファー磁気回路の改良である。ここではシリーズ唯一のブックシェルフ、805D5の改良点について紹介してみよう。

 ウーファー磁気回路のボトムヨークがD4の正円状からギアのようなギザギザを持つ形状に変わった。ボイスコイルが発生する音声磁界が入り込んで変調につながる個所をコンピュータシミュレーションで探り当てその部分の鉄を駆動力が減らない範囲で削ったのである。実に100g鉄が減っている。その結果、ウーファーの駆動上の変動がなく音がクリーンになった。背面のアルミパネルの形状の変化は音の回析現象に配慮したものである。

 音質の変化はドラスティックで衝撃的とさえいっていいものである。D4の端正でおだやか、分析的なバランスから、音離れがよく開放的で明解な音質に変わった。磁気回路の改良で本来の持てる力が解き放たれたのである。805の場合、スタジオでのニアフィールドリスニングに限られず、音楽ファンがリビングで使う用途も多いので、D5の獲得した豊かな浸透力は強みだろう。外装仕上げはステルス・ブラック、ウォーム・ホワイト、ライト・ウォールナット、ダーク・ウォールナット(画像)の4種。価格は今月下旬に発表される。10月上旬出荷予定。(大橋伸太郎)