ミュージック・ペンクラブ・ジャパン
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エッセイ

最新号

「Little Glee Monsterの新たな挑戦」

松島 耒仁子(クニコ)

写真  コロナ禍の中、1月27、28日の両日、日本武道館に於いてLittle Glee Monsterがライブを行った。
 出演者、スタッフ、ステージ関係者の全てが厳格な感染予防対策を取った上での開催だった。そして、メンバーの一人、芹奈を昨年12月から欠いている中での開催であり、さらに緊急事態宣言が発令されている中での開催だった。
 最後まで、「開催するかどうかの葛藤があった」とメンバー達が話すように、これら2つの大きな試練の中での開催だったが、結果的には大成功だったと思う。

 昨年、コロナがこの地球上に現れてから、エンタメ業界は多くの興行が開催出来なくなった。それは一年以上経った今でも状況はほぼ変わらない。相変わらずライブは中止が相次いでいる。
 そんな状況の中で、彼女達がライブを行った裏には、「エンタメの火を決して絶やさない」という強い決意があったように思う。
 誰一人、感染者を出していない状態でライブは開催され、観客達はマスクの中から熱い応援を精一杯の拍手と共に送った。
 それは、5000人以下の観客数、掛け声禁止、マスク着用という制限の中でも、ライブの一体感は味わえるということを見事に証明してみせたのだ。

写真  さらに彼女達の決意はそれだけではない。
 センターを担うメンバー芹奈を欠いているという大きな試練の中で、彼女の穴を埋めるのではなく、4人にしか作れない、4人だからこそ作れるハーモニー音楽を示してみせた。
 それは5人が作り上げてきた立体構造の多重音楽の世界というものを見事に踏襲し、さらに4人と感じさせないエネルギッシュで集中した音楽の世界を表現したのだ。

 彼女達の強さは、どんな環境に置かれても自分達の音楽を表現するという確固とした決意としっかり確立されたそれぞれの自分軸によって、新たなステージへと足を踏み入れたように感じる。

 この日の充実した一人一人の歌声は、大人の女性への階段を確実に上がったことを感じさせ、多種多様な音楽ジャンルへの可能性を抱かせた。

 メンバー全員が揃うのはいつになるかわからない。
 それでもリトグリの挑戦は続くだろう。そして、それは確実に彼女達に新たなサウンドの世界を作り出させているのである。