ミュージック・ペンクラブ・ジャパン
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エッセイ

最新号

なぜ、人は郷ひろみの歌声に惹かれるのか

久道りょう

6月、N H Kホールで郷ひろみのライブを拝見した。
郷ひろみの歌声を聴いていると、不思議な感覚になる。
デビューから半世紀以上が経った今も、その声には若々しさがある。
もちろん年齢を重ねれば声帯も身体も変化する。
誰もが若い頃と同じ声ではいられない。
それなのに、郷ひろみの声からは衰えよりも生命力を感じるのである。
なぜ、人は郷ひろみの歌声に惹かれるのだろうか。
私はその理由を、「永遠の青春性」にあると思っている。
ここでいう青春とは、若さそのものではない。
挑戦する心であり、未来を信じる力であり、自分を更新し続ける意志のことである。
郷ひろみの歌声には、その精神が宿っている。
彼の歌声を分析すると、まず気づくのは声の明るさだ。
声には、その人の内面が表れる。
人生に疲れ、自信を失い、守りに入ると、声もまた閉じていく。
響きは浅くなり、言葉は重くなる。
しかし郷ひろみの声は違う。
常に前へ向かうベクトルを持っている。
聴いていると、自然に身体が起き上がり、背筋が伸びるような感覚になる。
それは発声技術だけでは説明できない。
彼自身が「前を向いて生きる人」だからだろう。
声は嘘をつかない。
どれほど言葉を飾っても、その人が積み重ねてきた人生は声に現れる。
郷ひろみの声には、常に自己管理を続けてきた人だけが持つ緊張感がある。
そして同時に、人生を楽しもうとする軽やかさもある。
この二つが共存していることが、彼の声の大きな魅力である。
私は長年、多くのアーティストの歌声を聴いてきた。
そして声を通して、その人の人柄や生き方を読み解く仕事もしている。
その経験から言えるのは、魅力的な声とは単に美しい声ではないということだ。
その人の人生が感じられる声こそ、人の心を動かす。
郷ひろみの歌声には、50年以上にわたる挑戦の歴史が刻まれている。
トップスターとして走り続けること。
時代の変化に対応すること。
新しい表現を取り入れ続けること。
それは決して簡単なことではない。
しかし彼は、それをやってきた。
だから声に説得力が生まれるのである。
興味深いのは、郷ひろみの歌声が年齢を重ねるごとに深みを増していることだ。
若い頃には若い頃の輝きがあった。
しかし現在の声には、それだけではない豊かさがある。
人生経験によって育まれた奥行きがある。
だから昔からのファンだけでなく、新たに彼を知った人たちも惹きつけられる。
人は声に未来を感じる。
そして郷ひろみの声から聞こえてくるのは、「まだ終わらない」というメッセージである。
年齢を理由に諦めない。
変化を恐れない。
挑戦することをやめない。
その生き方が声となって響いている。
だから私たちは、郷ひろみの歌声を聴くと元気になる。
勇気をもらう。
そして、自分ももう少し頑張ってみようと思うのである。
歌声とは、単なる音ではない。
その人の人生そのものである。
郷ひろみの歌声が多くの人の心をつかみ続ける理由は、その声の中に、人生を前向きに生きる力が息づいているからなのだろう。
声は、その人がどのように生きてきたかを映し出す鏡である。
郷ひろみの歌声が今なお輝きを失わないのは、彼自身が人生の挑戦者であり続けているからだ。

◆物故者(音楽関連)敬称略

まとめ:上柴とおる

【2026年6月25日~7月24日までの判明分】

・5月下旬:毛塚了一郎(漫画家。「音盤紀行」「音街レコードA面」「音街レコードB面」など)36歳
・5/29:ローレン・ベネット(英シンガー。ダンサー。モデル。パラディソ・ガールズやG.R.L.でも活動。ラップ・デュオ、LMFAO<モータウンの創始者ベリー・ゴーディの息子と孫>の米英他No.1ヒット「パーティー・ロック・アンセム」に客演)36歳
・6/20:美輪明宏(歌手。俳優)91歳
・6/23:KAKI(柿沼州治:「鉄アレイ」「Blackor...」のドラマー)
・6/23:遠藤舞(イラストレーター。‘シティ・ポップ’系も担当)50歳
・6/24:ハロルド・ウィーラー(米ブロードウェイ・ミュージカルの音楽監督。「ウイズ」「ドリームガールズ」など多数)82歳
・6/24:デヴィッド・クレイトン・トーマス(元BS&Tのヴォーカリスト)84歳
・6/24:アン・ブライス(米俳優。ドラマ「彼と人魚」「Killer McCoy」「ジェシカおばさんの事件簿」「トワイライト・ゾーン」「幌馬車隊」、舞台「サウンド・オブ・ミュージック」「ショウボート」「王様と私」など)98歳
・6/26:トム・リゴン(米俳優。「バング・ザ・ドラム」「「ラスト・アメリカン・ヒーロー」「メラニー・グリフィスの セクシー・ジョイライド」「処刑教室-最終章-」「刑事バレッタ」「チャーリーズ・エンジェル」「刑事スタスキー&ハッチ」「ダラス」「ロー&オーダー」など」85歳
・6/27:酒井麿(ドラマー。吉川晃司、大澤誉志幸、山下久美子、ZARD、江口洋介、佐藤浩市らをサポート。自らはMARIMARIを結成。元BEE PUBLIC。吉川晃司とは広島の修道中高の同級生。酒屋まろ吉名義で三味線都々逸アーティストとしても活動)61歳
・6/28:岸部有三(エフエム秋田「ほろ酔いJAZZ NIGHT」のパーソナリティ)を39年間担当。2022年「秋田市文化章」受賞)79歳
・6/30:今藤政太郎(長唄三味線の人間国宝。2008年「旭日小綬章」。東京芸大卒)90歳
・6/30:ヴィクター・ウィリス(ヴィレッジ・ピープルのリードシンガー)74歳
・6/30:ブライアン・ポッター(ソング・ライター&プロデューサー。デニス・ランバートと組んでグラス・ルーツ、オリジナル・キャスト、フォー・トップス、グレン・キャンベルなど数多くのアーティストを担当)87歳
・7/02:ショーン・グラス(米ロック・ギタリスト。SOiL、Broken Hope、Repentanceなどで活動)
・7/05:室井摩耶子(ピアニスト。東京音楽学校<現東京芸術大>卒)105歳
・7/07:ローゲル・“ボギー”・スヴェンソン (スウェーデンのブラックメタル・バンド、マーダックの元ベーシスト)60歳~61歳<日付は公表日>
・7/08:ロドニー・フランクリン(米ジャズ~フュージョン系ピアニスト。1980年「The Groove」英7位)67歳
・7/11:臼井真(阪神・淡路大震災の復興を願う合唱曲で神戸市の市歌「しあわせ運べるように」を作詞・作曲。神戸親和大学教授。元小学校教諭)65歳<日付は公表日>
・7/13:谷崎テトラ(「アースデイジャパンネットワーク」共同代表。放送作家、音楽家、京都芸術大学教授など多方面で活躍)63歳
・7/15:プラス・ジョンソン(米ジャズ・サックス奏者。ザ・レッキング・クルーなどスタジオ・ミュージシャンとしても活動)94歳
・7/16:渋谷毅(ジャズ・ピアニスト。作・編曲家。浅川マキ、酒井俊、高田渡、木村充揮、小沢健二らのセッションやレコーディングにも参加、渋さ知らズとも活動。「おかあさんといっしょ」などNHKの教育番組にも多くの楽曲を提供。2006年の映画「嫌われ松子の一生」の音楽をガブリエル・ロベルトと共に手掛けて「第30回日本アカデミー賞」最優秀音楽賞を受賞)86歳
・7/17:フレディー・キャノン(米ロックン・ロール歌手。1959年代末~1960年代後期にヒット多数)89歳
・7/18:ジェニファー・リンチ(女性ロック・バンド「L7」のベーシスト)59歳
・7/18:白浜久(元A.R.B.のギタリスト)69歳
・7/18:ジム・ギルストラップ(米R&Bシンガー。1975年「スイング・ユア・ダディー」がヒット<米55位/R&B:10位>。スティーヴィー・ワンダーのバック・コーラス‘ワンダー・ラヴ’など多数の著名スターのセッション・シンガーとしても活躍)79歳
・7/19:カン・スンシク(韓国のシンガー・ソング・ライター)72歳
・7/19:トニー・ソープ(元ルベッツのギタリスト)80歳
・7/22:ダンシング義隆(松浦義隆:ロックン・ローラー。「誰がカバやねんロックンロールショー」「ダンシングよしたか ロックンロールフォーエバーズ」などで活躍)73歳
 ★「誰がカバやねん、ダンシング義隆」
 https://merurido.jp/magazine.php?magid=00012&msgid=00012-1784961784