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「マリーナ・ショウ ラスト・ツアー・イン・ジャパン」(ビルボード・ライヴ 7月29日ファースト・ステージ)
マリーナ・ショウの恒例のビルボード・ライヴ、2009年から続けてきたが、今回が最後の日本公演となる、というので超満員の盛況だ。1975年のブルーノートの名作アルバム「Who Is This Bitch, Anyway?」で共演の不同のメンバー、チャック・レイニ—(b)デヴィッド・T・ウォ—カ—(g)ラリー・ナッシュ(keyboards)ハ—ヴィー・メイソン(ds)と一緒に杖を持ってステージにあがった銀髪のマリーナは、中央の椅子にどっかりと座り、べナ—ド・アイナーのバラード「You Been Away Too Long」をソウルフルに歌い上げる。「Until I Met You」で知られるベイシーの「Corner Pocket」から、バーで云いよる男とそれを上手くかわす女といったシチュエーションでハービー・メイソンとのユーモラスなダイアロ—グから入って行く「Street Walking Woman」を効果的な照明も使ってドラマティックに歌う。ロバータ・フラッグのヒット・ナンバー「Feel Like Making Love」は、ラリーのエレピのイントロから拍手が起こり、デヴィッドのギター・ソロで手拍子となって大いに盛り上がる。楽しげに歌う愛の歌「Rose Marie」、メロディを崩して、彼女独自の解釈で立ち上がって歌った「What A Wonderful World」、40年前、初来日で前座を務めさせてもらったサミー・デヴィス・ジュニアの話、キャノンボール・アダレイの想い出から「Mercy Mercy Mercy」、ギター、ベース、ピアノのソロもフンダンに取り入れた「B flat Blues」からアンコールを兼ねた「Loving You Was Like A Party」まで全10曲を熱唱、熱演のステージだったが、歳には勝てないということか、以前のような迫力は、感じられず、これが最後という寂しさを感じた。
(高田敬三)
写真:Masanori Naruse
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