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「R.シュトラウス:交響詩「ドン・キホーテ」 作品35、交響詩「ティル・オイレンシュピーゲルの愉快ないたずら、「ばらの騎士」組曲 / パーヴォ・ヤルヴィ指揮、NHK交響楽団、トゥルルス・モルク(チェロ)、佐々木亮(ヴィオラ)」(ソニー・ミュージックジャパン、デッカ/UCCD-1432)
日本を代表するオーケストラ、N響のCDがメジャー・レーベルから発売されることは大変結構なことである。これまで長い間、ベルリン・フィル、ウィーン・フィルを始めとする多くの外国の有名オーケストラがメジャーのCDカタログを賑わせて来たが、ようやくN響もCD市場でも良く名前を見かけるオーケストラとして登場する期待を感じさせてくれる。 日本の音楽ファンとしても喜ばしい事であろう。既に日本のN響は世界でもトップクラスのオーケストラであることは今回のパーヴォ・ヤルヴィをはじめとしてN響に数多く客演する外国人指揮者の間でも完全に認められている。
今回は前回15年9月発売の「英雄の生涯」と「ドン・ファン」に続くパーヴォ・ヤルヴィとN響による「R.シュトラウスの交響詩チクルス」第2弾であり、第1弾から言われているこのコンビの相性の良さは格別で、今回も第1弾に勝るとも劣らない名演である。ソロはドン・キホーテ役のトゥルルス・モルク(チェロ)と サンチョ・パンザ役の佐々木亮(N響首席ヴィオラ)で、二人の素晴らしいソロも聴き物だ。そしてこの二人を支えているN響の色彩感覚は蓋し絶品である。この演奏を聴くとしみじみとパーヴォの偉大さを感じることができるだろう。(廣兼 正明) |