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「ハイドン:ザロモン交響曲全集・第93番 ニ長調 Hob.I-93、第94番 ト長調 Hob.I-94「驚愕」、第95番 ハ短調 Hob.I-95/第96番 ニ長調 Hob.I-96「奇跡」、第97番 ハ長調 Hob.I-97、第98番 変ロ長調 Hob.I-98、/第99番 ニ長調 Hob.I-99、第100番 ト長調 Hob.I-100「軍隊」、第103番 変ホ長調 Hob.I-103「太鼓連打」、/第101番 ニ長調 Hob.I-101「時計」、第102番 変ロ長調 Hob.I-102、第104番 ニ長調 Hob.I-104「ロンドン」、〜104番(全12曲)/ サー・トーマス・ビ−チャム指揮、ロイヤル・フィルハ−モニー管弦楽団」(ワーナーミュージック・ジャパン、ワーナークラシックス/WPCS-13460, 13461,13462,13463)
ワーナー・コンプリート・再発分売新譜シリーズ。初回発売時に買いそこなったか、新しいハイドン・ファン、ビーチャム・ファンにとってはとても貴重な12曲のザロモン交響曲全曲である。それもステレオ初期(1957~59)にかけて録音されたビーチャムの貴重なLegacyである。そのビーチャムはオペラ団を作ったり、70歳少し前に今回ハイドンを指揮したロイヤル・フィルを組織したりしたかなりの富豪だった。オックスフォード大出身のビーチャムは生粋の英国紳士だが、その毒舌は有名だったという。しかしその毒舌が彼の元気の素だったらしい。今回の録音を聴いてみてもこの歳に似合わない元気さが至るところで感じられる。この演奏は確かに昔の古さをしのばせるが元気さは格別である。言い方を変えれば若さに溢れているので、彼の元気が聴く方にも迫ってくるようだ。筆者はこのハイドンを良しとしたい。そしてこのCDはこの頃の音としても決して悪くはない。(廣兼 正明) |