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「イントゥ・ザ・ウッズ」（ディズニー VWAS6136） 1987年に初演されヒットしたブロードウェイミュージカルの映画版。筆者が1989年正月に初めてL.A.に行った時、ドロシー・チャンドラー・パビリオンで大盛況上演中だったのを思い出す。 「シンデレラ」「赤ずきん」「ジャックと豆の木」「ラプンツェル」等誰もが知っている童話の主人公達が綾なすほろ苦い物語。願いというものは得てして叶う。人間は実現しようのないものは願ったりしないからである。望んだ物を手にした時、人間は本当に試される。 心密かにセレブに憧れていたパン屋の女房は王子の誘惑に身を任せたことを恥じて死ぬ。シンデレラは夫の裏切りを許さず「私は掃除が嫌いでない。」と王宮を去り平凡な主婦の生活を選ぶ。作詞作曲は皮肉屋スティーブン・ソンドハイム、一筋縄で行かない人間観察が効いているディズニー・ニューウェーブの流れの中の一作。 物語の舞台の大半は森の中。グリム童話からディズニー長編アニメまで物語を育んだ森をきめ細やかな暗部階調と艶のある色彩で描く。音声はDTS-HDマスターオーディオ7.1CH。アルバン・ベルクのオペラを連想させるソンドハイムの音楽が美しく収録されているがハイレゾでないのが残念。（大橋伸太郎） |