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「ONCE ダブリンの街角で」(ショウゲートGNXF-7026)
2006年度アカデミー歌曲賞受賞のアイルランド映画の初BD化。ダブリンで父親の家電修理店を手伝うストリートミュージシャンの男。今日も街頭でギターを弾いていると花売りの女が彼の歌に耳を傾けていた。女はチェコから一家で移民し楽器店でピアノを弾かせてもらうのが唯一の楽しみだった。いきがかりで試しにデュエットすると女には編曲の才能があり、男の自作曲が見違えるように豊かに開花していく…。
名もない若者の淡い恋と人生の再出発を音楽を取り混ぜて綴る映画。主演の二人(グレン・ハンサード、マルケタ・イルグロヴァ)はミュージシャンである。濡れ場は一切なし。キスシーンが提案されたが、俳優たちの判断で没になったそうだ。いい人ばかりで悪人が一切登場しない。1960年代の映画かテレビドラマを見ているような、ほのぼのした懐かしい味わいの佳作。
現地(ダブリン)のロケーション中心、手持ちカメラ撮影主体のさりげない流動感ある映像。音楽が重要だが、肝心のサウンドトラックは48k/16bitのリニアPCM(ステレオ)に止まるが、歪みなく収録されている。(大橋伸太郎) |