「ジェフ・リンズELO/ウエンブリー・オア・バスト〜ライヴ・アット・ウエンブリー・スタジアム」(ソニー・ミュージック・ジャパン・インターナショナル:SICP-31129〜30)
近年、新作や大々的なツアー敢行で現場復帰を果たしたジェフ・リン(ELO)。2017年6月24日の英ウエンブリー・スタジアム公演の模様をCD2枚に収めた今回のライヴ盤(DVDとのセット盤も同時発売)はその復活ぶりを実証するにふさわしく、「ロール・オーヴァー・ベートーヴェン」(1973年)から最新の「ホエン・アイ・ワズ・ア・ボーイ」(2015年)までを収めた全23曲はELOのキャリアを辿るドキュメンタリー作品のようにも思えて来る。レコードで聴いていた印象的なイントロやアレンジも変わらず。広大な会場を埋め尽くした6万人の観客はそれぞれの人生をELOの数多いヒット曲に重ねて聴き入り、至福のひと時を共に分かち合ったのだろう。そんな雰囲気が伝わる。大半が'お約束'の曲だが、ジェフも参加した“覆面グループ”トラヴェリング・ウィルヴェリーズの「ハンドル・ウィズ・ケア」(1988年)はいわばボーナス・トラックかも。年末(12月30日)にちょうど70歳を迎えるジェフ・リン自身の音楽人生の集大成とも言えるライヴ・アルバム。(上柴とおる)
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