「Two Songbirds of a Feather / Becky Kilgore Nicki Parrott」 (Arbors Records ARCD19447)
ニッキ・パロットは、日本でもお馴染みのダブル・ベースを弾きながら歌う美人歌姫だが、ベッキー・キルゴアは、日本での知名度は、今一つ低いがアメリカのジャズ・ファンには大変な人気で、多分現在活躍するジャズ・シンガーの中ではレコードの数が一番多いアーティストの一人だろう。そんな二人は、ステージでは何度も共演してデュエットを聞かせることもあった。二人が共演で歌うという作品は、作られるべきして、やっと実現したという感じだ。「似た者同士」という成句をもじったタイトル曲は、このアルバムのためにニッキが書き、ベッキーがヴァースを書いて歌詞は、ニッキの旦那が書いたというヒップな歌だ。伴奏の良く歌うテナーのハリー・アレン、歌伴では定評のあるマイク・レンジ(p)とチャック・レッド(ds)という人選も的を射ている。姉妹のように似通った二人が歌う、マリリン・モンローとジェーン・ラッセルが映画「紳士は金髪がお好き」で歌った「Two Little Girls From Little Rock」から始まるデュエットありソロありの13曲、全編乗っていて素晴らしく楽しいアルバムだ。伴奏陣の好演も聴き逃せない。(高田敬三)
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