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「プロコフィエフ:交響曲 第1番 ニ長調 作品25「古典」、交響曲 第7番 嬰ハ短調 作品131 / アンドレ・プレヴ゛ィン指揮、ロンドン交響楽団」(ワーナーミュージック・ジャパン、パーロフォン1977年録音・2016年5月クラシック・マスターズ新シリーズとして再発/WPCS -23271)
プロコフィエフの「古典交響曲」と第7番交響曲の人気カプリング盤。「古典」はプロコフィエフが「もしハイドンが生きていたら」との想定で1916年から翌年にかけて作曲した曲で、SPの頃から人気の高い曲である。しかし古典派のセオリーを完全に守って作っているわけではなく、転調、テンポなどは可成りの自由さで作ったため、聴いていても実に楽しい。しかし演奏は決して易しくはないとも言えよう。印象に残るのは第2楽章最初の第1ヴァイオリンの高音部でのユニゾンで弾くいとも美しいメロディだろう。フィナーレでの木管楽器は難易度が可成り高い。片や第7番はそれまでの革新的な色彩ではなく、ユーモアとペーソスに溢れ、そして美しいメロディと軽やかさをもつ音楽となっている。だから彼の曲の中では最も聴きやすい曲と言える。この録音時期はプレヴィンが48歳でまだ若さに溢れており、音楽にも元気一杯の明るさが感じられる。 (廣兼 正明)
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