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「songbook of the americas/Kat Parra」(JazzMa Records JMR1005)
キャット・パーラは、西海岸中心に活躍するジャズ・シンガー。少女時代を南米チリで過ごした爲、英語の他、スペイン語、ポルトガル語、フランス語からスペイン系ユダヤ人の言葉、ラディノまで使えるシンガーだ。この新作は、彼女の5枚目のアルバム。ラテン・ジャズで活躍するウエイン・ウォーレス(tb)マーリー・ロウ(p)等彼女の盟友の他、ゲストにヴェネズエラの歌手、マリア・マルクェス、スキャットの上手いネート・プルーイット、そして、彼女の先生でもあるタック・アンド・パティ等が参加してラテン・リズムを多用した色彩豊かなワールド・ミュージック系のジャズを聞かせる。派手やかなマンボのリズムに乗って歌うジャズ・ナンバー「Four」から始まり、チャーリー・パーカーの「Au Privave」に彼女が詞を付けたジャジ—な「Wouldn't It Be Sweet」、日本の尺八によるイントロから意表を突く構成で歌われる「Besame Mucho」、チャチャ・リズムで歌われるべティ・カ—ターの歌で有名な「Please Do Something」, マリア・マルクェス、ネート・プルーイットも参加して歌うメレディス・ウィルソンの「Till There Was You」とヴァラエティに富んだ内容の文句なく楽しめる作品だ。(高田敬三)
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