2017年2月 

  

Audio Blu-ray Disc Review

「ザ・ビートルズ EIGHT DAYS A WEEK -The Touring Years Blu-ray スペシャル・エディション」(KADOKAWA)
 1965年全米の人気がピークに達した時期を中心にハンブルク時代から'66年のキャンドルスティックパークでの最終公演まで「ライブバンド ザ・ビートルズ」の足跡を追ったドキュメント。
 ファンの一人だったウーピー・ゴールドバーグやシガニー・ウィーバー(オーディエンスの中に少女時代のシガニーが映っている)の回想を交え、ポール、リンゴへのインタビューで二時間弱を構成。ヴェテラン、ロン・ハワードらしい流れのいいドキュメントだが、シェイ・スタジアムでの演奏が4Kリマスターされているもののビートルズファンの一人として見た場合とりたてて目新しい発見はなく、昨年発売の「1」の方が見応えがある。
 1969年1月アップルコープス屋上のルーフトップコンサートで全編の幕となるが、こちらも16mmフィルムからのアーカイブは良好だ。
 映画「レット・イット・ビー」は北米盤レーザーディスクを最後にとうとうDVD発売されなかった。アルバムのリハーサル風景を追った映画であるために本来の意味でのサウンドトラックCD(ブートレッグは別にして)が存在しないことも音楽映画として異例。フィル・スペクター版「レット・イット・ビー」や「ネイキッド」とは別のサウンドトラックCDを含むBDセットの早期発売を願う。(大橋伸太郎)
 音声はリニアPCM(48KHz/24bit)と DTS-HDマスターオーディオ5.1CH、ドルデジ5.1CHの三種。DTS中心に聞いた。ノイズシェービングされクリアだがサラウンドと音量レベルが控えめ。