2017年10月 

  

Live Love Music / Topics ・・・・・池野 徹

★小曽根真のピアノがキレていた。

9/10-NHKのEテレでアメリカの作曲家たちの民族の血と魂がほとばしる特集があり、その中でガーシュインの「ラプソディ・イン・ブルー」を指揮/レナード・スラットキン 演奏/デトロイト交響楽団 ピアノ/小曽根真であった。これは7/17文京シビックホールで収録されたものである。小曽根真はジャズピアニストであるがスラットキンと波長が合いオーケストラとマッチングして、何よりガーシュインへの想いがにじむピアノのキレがよく自信に満ちて演奏していた。(Photo by “Ozone Makoto”HP)



★ジャズ歌手飯田さつきさんの結婚。

2014年ミュージック・ペンクラブのブライテストホープ賞をとった飯田さつきさんが、9/10センチュリーコート丸の内で、4人の牧師が一緒に司式する中で大村泰寛さんと挙式した。音楽仲間による音楽結婚式だった。ジャズ評論家の瀬川昌久先生に「これまでで一番の結婚式だ」と言わしめた。飯田さつきさんのこれからは、さらに飛躍したカッコヨイ歌手人生を送ってほしい。(写真/名取 瞳)



★Mick Jaggerの最新シングル緊急リリース。

「Blue & Lonesome」の後、ミックが出した久しぶりのシングルだ。そのタイトルは「GOTTA GET A GRIP」と強烈な曲だ。「世界は混乱してる 愚か者と道化が仕切っている。誰も本音は語らない そして混乱状態のまま街を牛耳っている....」そんな奴らを支配するんだ。2曲目は「ENGLAND LOST」イングランドは負けた消えたと、何か両曲ともミックが現世に怒りをぶつけてる。リリックスもそのロックのリズムもハードで激しい。



★ローリング・ストーンズが現在ヨーロッパ公演中。

「No Filter Tour」と銘打ったヨーロッパ12都市13公演が、9/9のハンブルグからはじまった。ドイツ-オーストリア-スイス-イタリー-スペイン-オランダ-デンマーク-スエーデン-10/22フランスパリへと続く。ミックは「慣れ親しんだ場所、やったことのない場所へ行けることに興奮してる」と語っている。メンバーのギターのロン・ウッドがガンの手術後なので心配だ。観客へはヨーロッパを荒らしているテロへのガードが徹底して厳しかったようだ。テロに巻き込まれないことを祈る。しかし平均70代となったのローリング・ストーンズが現役で健在なのは素晴らしい。(Photo by “The Rolling Stones”HP)

和やかな雰囲気に包まれたポール・グラボウスキー・ライブ・アンド・レセプション(2017年9月5日)オーストラリア大使館・・・・・三塚博
 オーストラリアのジャズ・ピアニスト、ポール・グラボウスキー氏のミニ・ライブと歓迎レセプションが東京三田のオーストラリア大使館で開催された。第16回東京JAZZフェスティバルを終えたばかりの9月5日、美しい自然庭園を眺めるレセプション・ルームには、日豪50人ほどの関係者が集まった。今年2月に着任したリチャード・コート駐日大使の歓迎の言葉、東京JAZZ関係者への謝辞が述べられた後、挨拶に立ったグラボウスキー氏は日本の伝統音楽とのコラボレーション「JAZZx和プロジェクト」を改めて高く評価した。
 
 50席ほどの会場に用意されたグランド・ピアノに向かってゆっくりと弾き始める。静まり返った部屋に透明感のある音色が響き、独創的なタッチが精錬されたインプロビゼーションの世界へと誘ってくれる。丁寧に曲の解説を加えながら、3つのオリジナル曲を聞かせてくれた。最後にホーギー・カーマイケルの佳曲「When love goes wrong」をスインギーなタッチを取り入れながら聴かせ、ソロ演奏を締めくくった。

 彼が東京JAZZ出演のため来日したのは今年で3度目だ。岩手の被災地を訪れて地元の子供達と交流しながら音楽やジャズの楽しさを伝えるといったワークショップ活動も行う。ピアニスト、作曲家、イベント・ディレクター、教育者と多彩な顔の持ち主でもある。80年代にはヨーロッパに渡りミュンヘンを拠点にアート・ファーマーやチェット・ベイカー、ジョニー・グリフィンといったジャズ・ミュージシャン、そしてヨーロッパの数々の音楽家たちとセッションを重ねてきた。本国に戻ってからはピアノ・トリオを結成し活躍する一方で、映画音楽などの作曲家としてもその名を知られ、数々の賞を受賞している。オーストラリアで最も影響力のある音楽家と評される所以だろう。日本でも「伝説のジャズ・ピアニスト」「オーストラリアを代表する巨匠ピアニスト」と謳われ、彼のアルバムは、ジャズ・マニアの間では以前から根強い人気があった。

 
演奏を堪能した後は、オーストラリア・ワインと軽食を楽しみながら大使夫妻、グラボウスキー氏そして招待客と歓談しながらのひとときがあった。大使館関係者、音楽家、東京JAZZ関係者とともに鈴木道子会長をはじめとするMPCJ会員の姿も見受けられた。来年にはオーストラリア政府が主催する文化の祭典「Australia Now 2018」が日本各地で開催される。どのような音楽文化に出会うことができるのか、我々ミュージック・ペンクラブ・ジャパンとしても今から期待したい。

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