2011年6月 

 
Popular ALBUM Review


「ザ・ロード・フロム・メンフィス/ブッカ—・T.ジョーンズ」(ソニー・ミュージックジャパンインターナショナル/EICP1453)
 ブッカ—・T.ジョーンズ率いるブッカ—・T.&MG's、1960年代初頭から大好きだった。あのファンキーでソウルフルなインストは、まさにR&Bの基盤。代表作「Green Onion」はラジオ番組やイベントのテーマとして何度となくお世話になった。MG'sはオーティス・レディングらをサポートしメンフィス・ソウルの名作も生みだした。そんなブッカ—・T.の最新作!見事なオルガン・ワーク、そしてこれまた伝説のギタリストのデニス・コフィーらも参加して見事な一作に仕上がっている。ブッカ—・T.がヴォーカルの「Down In Memphis」 は涙ものの譜ソウルフル・ファンキー・チューン、ライド・オン!なのだ!!このアルバムを聴いたすぐあと、スティーヴ・クロッパ—に延期になり近々新たなスケジュールが発表になるらしいスタック・レビュー・イン・ジャパンではブッカ—・T.もぜひご一緒に・・・、と連絡してしまった。(Mike M. Koshitani)

Popular ALBUM Review



「ナチュラル・ヒストリー/J.D.サウザー」(ビクターエンタテインメント/VICP-64957)
 グレン・フライやドン・ヘンリーらと共作した「サッド・カフェ」「ニュー・キッド・イン・タウン」「ベスト・オブ・マイ・ラブ」「ハートエイク・トゥナイト」を取り上げているのはさすが'6人目のイーグルス'(古いキャッチ。。。)。自身1972年の初ソロ・アルバムで歌った「ハウ・ロング」(2007年にイーグルスがカヴァーして収録)や1984年の「優しき雨に」(No.104)、そしてもちのろん「ユア・オンリー・ロンリー」(1979:No.7)も♪3年ぶりの新作はファンならずとも興味深い自作曲のセルフ・カヴァー集(日本盤は全13曲)。とりわけ熱くなったのが「ニュー・キッド〜」。イーグルスよりいい仕上がりかも。ソング・ライターとしての才能、そしてイーグルスの懐刀としての存在感を再認識♪(上柴 とおる)


Popular ALBUM Review

「ブロッサム/アマンダ・ブレッカー(ユニバーサルミュージック/UICCJ3025)
 今年が40周年という作品がいろいろあるが、キャロル・キングの『つづれおり』もそんなアルバム。それを記念していい作品が生まれた。歌っているのはアマンダ・ブレッカー。祖父が名サックス・プレイヤーのマイケル・ブレッカー。父はトランペットのランディ・ブレッカー、母は歌手/ピアニストのイリアーヌ・イリアスという文句ない血統。ノラ・ジョーンズ系の飾らないナチュラルな歌唱で、プロデューサーがノラと同じジェシー・ハリス。シンプル・イズ・ザ・ベストのアンソニー・ウィルソン(g)、ラリー・ボールディングズ(key)、リー・スクラー(b)、ラス・カンケル(d)といった布陣で、敬愛するキャロルとジェイムス・テイラーへのトリビューツ作品が出来上がった。キャロルは線の太い素朴な逞しさがあったが、アマンダはちょっとハスキーで暖かい美声で、明るい自然なスマートさが実にいい。(鈴木 道子)


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「ウーンデッド・ライムス/リッキ・リー」(ワーナーミュージック・ジャパン/WPCR-14124)
 私らの世代(いくつやねん!?)にとっては60年代のガレージ・サイケ(①なんぞは個人的に'?&ザ・ミステリアンズ'の第4弾ヒット「ガール」を想い出したり)やGSっぽいオルガン・メロ、また80年代前期のバウワウワウみたいなジャングル・ビートぽいものとかスペクター風やらひとりロネッツ風たらエレクトリックなシャングリラスてな趣も感じてなんべん聴いても飽きが来ない音作りというか、おもしろがってます♪(若い世代はまた別の感じ方かと思うけど)。スウェーデンの女性シンガーLykke Liの2作目。プロフとかよく知らないけどそういうことは後回しにしてまずは聴きましょ。結構キュートな歌声、これがまたよろし♪(上柴 とおる)

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「レイク・ストリート・ダイヴ/レイク・ストリート・ダイヴ」(BSMF/BSMF-6004)
 米ボストン出身の男女2人ずつの4人組で全員まだ20代。17歳でジャズ歌手としてデビューしている女性をリード・ヴォーカルに据えてもう一人の女性がベースを、そして男性二人がドラムスとトランペットというちょっとユニークな編成の彼らが繰り出す音楽は60年代半ば〜70年代前半あたりのレコードを思わせるタッチの曲でもいかにもなそれ狙いの印象がなく音作りのセンスも良くて自然体なところが心地好い♪メロディー作りにおいても素敵なポップ感覚を合わせもち、時にジャジーなアコースティック感覚のヴィンテージ・ロック・バンド、てなニュアンスかなと。ちなみに個人的には初期ビートルズ楽曲+ジャジーな③が特にお気に入り♪(上柴 とおる)

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「ビリーヴ〜永遠の絆/ケルティック・ウーマン」(EMIミュージック・ジャパン/TOCP-71090)
 澄んだ美しい声で酔わせる女性ヴォーカルとヴァイオリンの4人組ケルティック・ウーマン。これは新曲も含む日本企画のアルバム。佐藤俊彦作曲・編曲の映画『プリンセス・トヨトミ』(CDリリースと同時期封切り予定)がトップとボーナスとして置かれている。清麗な声を得て佳作となった。大した抑揚もなくすんなり歌われるクロエのソロ「ブラームスの子守歌」がいい。マレードのヴァイオリンが活躍するオリジナル「空と夜明けと太陽」がアイリッシュ・トラッド調で聴かせる。ハーモニーで味付けされた「ビヨンド・ザ・シー」だが、オリジナルは地中海を歌ったシャルル・トレネのシャンソン「ラ・メール」。意外と知られていないのか、オリジナルはボビー・ダーリンのヒット曲とよく書かれる。注意したい。(鈴木 道子)

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「ライヴ・イン・アルゼンチン/ジューサ」(ヤマハミュージックアンドビジュアルズ YMCP-10003)
 
キューバ出身のジューサはまだ30代だが、独特の風格がある。影響を受けたアーティストはマイルス・デイヴィス、ピーター・ゲイブリエル、スティング、チック・コリア、スティーヴィー、シコ・サイエンス他。少女時代からギターを習い、音楽学校でピアノ、ベースを学んだ。ジャズの5人組でも活躍。うまりキューバの伝統音楽やジャズとは一線を画すハイブリッドな音楽性で、キューバの自作自演歌手たちに影響を与えた。そんなジューサは今、音楽的に開けたアルゼンチンで活躍中だ。ライヴでは自身のギター、ベースとパーカッションをバックの中心に置き自由に歌い、コンテンポラリー・フォルクローレ、ジャズ、バラードはじめ変化の中でうまさと味わいを楽しませて秀逸。ただ拍手と拍手がブツッと途切れて次へ、といった雑な編集が惜しまれる。(鈴木 道子)

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「チョイス/ノーナ・リーヴス 」(ビルボードレコーズ/HBRJ-1001)
 Billboard Liveを運営し、国内外のトップ・アーティストのライヴにより、人気を博してきたBillboard Japanが、独自のレーベル「Billboard Records」を立ち上げた。その記念すべき第1弾となるのが、カヴァー・シリーズ『Choice』。 先陣を任されたのは才能あふれる音楽集団ノーナ・リーヴスだ。ビージースから始まり、プリンス、ビりー・ジョエル、マイケル・ジャクソン、ビーチ・ボーイ ズ等々、誰もが知る珠玉の名曲をヴォーカル西寺郷太の渾身の歌声、ギター奥田健介、ドラム小松シゲル、ゲスト・ミュージシャン達の巧みなアレンジで聴く者 を圧倒する。特に、プリンスの「ウォナ・ビー・ユア・ラヴァー」、マイケルの「スムーズ・クリミナル」、ビーチ・ボーイズの「ココモ」は、メンバーの思い入れの強い曲であり、演奏には一段と力が入っている。「Billboard Records」の意気込みが感じられるアルバムなだけに、これからの『Choice』シリーズも楽しみだ。(上田 和秀)

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「グレイト・アメリカン・ソングブック/アレサ・フランクリン」(ソニー・ミュージックジャパンインターナショナル/SICP3086)
 クイーン・オブ・ソウル、アレサを聴くようになったのはアトランティック時代からだけど、彼女はその前にコロムビアに在籍し多くの作品を録音していた。その時代はポピュラー・シンガーとしての活動だっただけに、60年代から70年にかけてCol.ソングスは避けてきた。でもここ数年、改めてじっくりとアレサの足跡を纏めているうちにここに収録されているR&B歌手以前の楽曲に感動を覚えるようになった。デビュー50周年のアレサ、初々しいながらも見事に大人の作品をじっくりと聴かせるその実力にこのCDを改めて楽しみながら驚かされるのだ。もちろんその後オ—ティス・レディングで有名になる「トライ・ア・リトルテンダネス」も素晴らしいけど、それに以上に大拍手を送りたいのが「ハウ・グラッド・アイ・アム」(ナンシ—・ウィルソンで64年に大ヒット、USチャートでベスト20入りした)。アメリカでは、このコロムビア時代のBOXセットも企画されているという、楽しみだ。(Mike M. Koshitani)

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「コンプリート・レコーディス〜センテニアル・コレクション/ロバート・ジョンソン」(ソニー・ミュージックジャパンインターナショナル/SICP-3088〜9)
 
20世紀アメリカ・ポピュラー・ミュージック史を語るうえでエルヴィス・プレスリー、ジョージ・ガーシュウィン、ビートルズ・・・らとともに忘れることの出来ないのがブルースマン、ロバート・ジョンソン(1911〜38)。レコーディング作品は29曲/42テイクだけだけど、その全作品がその後のブルース、そしてロックに多大なる影響を及ぼしたのだ。今年はロバート・ジョンソン生誕100年、本作はその生誕100年を記念しての42テイク完全収録作品。キース・リチヤ—ズ、エリック・クラプトン、ボニ—・レイットらがRJブルースの偉大さを多くのメディアで語っている。近々、世界1000セット限定の「THE COMPLETE ORIGINAL MASTERS : CENTENNIAL EDITION」(10"78rpm record 12枚/Robert Johnson Centennial Collection 2CD/Rarities From The Vaults 2CD/The Life And Music Of Robert Johnson : Can't You Hear The Wind How )もリリースされる。(Mike M. Koshitani)

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「いとしのレイラ/デレク・アンド・ドミノス<40周年記念スーパー・デラックス・エディション>」(ユニバーサルミュージック/RT110118-DD-01)
 40周年記念ということで、本来は昨年秋に発売されるべきだったが、ようやく今年4月に届けられた7枚組ボックス・セット。ディスク1は最新リマスターの『レイラ』、ディスク2はフィル・スペクターがプロデュースした初シングル(発売直後に廃盤)やジョニー・キャッシュTVショーに残されたライヴ、セカンド・アルバム用に録音が進められていたトラックなどを収めたもの、ディスク3は『レイラ』の5.1サラウンドDVD、ディスク4と5は70年10月収録フィルモア・ライヴの最新リマスター、そしてアナログが2枚という構成だ。評価の固まっている作品であり、新たな発見はないが、25歳のクラプトンがデュアン・オールマンやカール・レイドル、トム・ダウドらとつくり上げたブルース・ロックを、あらためていい音で、さまざまな側面から堪能できる。
 開くと「飛び出す絵本」のようになっているボックスには、ボビー・ホイットロックへの最新取材をもとにまとめられた50頁のブックレット、匿名性が強かったこともあって当初はあまり売れなかったためレコード会社側が苦肉の策としてつくった「デレク・イズ・エリック」バッジのレプリカ、ティケットのレプリカ、ストラトのピックガード用シールなどが収められている。ただしこのシール、56年型(ブラウニー)でも現行モデルでもなく、62年前後のストラトにあわせてデザインされていて、ちょっと興ざめ。(大友 博)

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「スルー・ザ・パスト・ダークリー(ビッグ・ヒッツ Vol.2)/ザ・ローリング・ストーンズ」(ユニバーサルミュージック/UIGY-9060)
「サタニック・マジェスティーズ/ザ・ローリング・ストーンズ(UIGY-9063)
「スティッキー・フィンガーズ/ザ・ローリング・ストーンズ」(UIGY-9066)

 マスターの原音再現を徹底的に追求、国内外で大好評のSA−CD〜SHM仕様に、ローリング・ストーンズが新たに3タイトル加わった。『スルー・ザ・パスト・ダークリー』は69年発売のストーンズにとって2枚目となるデッカ/ロンドン期のベストで、「黒くぬれ!」から「ジャンピン・ジャック・フラッシュ」、「ホンキー・トンク・ウィメン」と正にオリジナリティが確立された絶頂期のナンバーを11曲収録。レンジの広さよりも“塊”感に重きを置いたモノラル時代からステレオへと移行が進んだ時期の録音だけに、ハイレゾ化の効果が初期作品よりも分かりやすいはず。『サタニック・マジェスティーズ』はサイケ・ブーム華やかな67年にリリースされた、長年ストーンズにとって“異色作”とされてきたアルバムだが、高音質で聴くと次作『ベガース・バンケット』との連続感を感じさせながらも混沌とした時代の“音”もしっかり捉えた意欲作だったことに改めて気づかされる。いずれも04年にハイブリット版でリリースされたものと同マスターだが、シングル・レイヤーと「SHM」、「音匠」の組み合わせはしっかり効果を生み出しており旧版より音質は向上している。
 しかし今回の目玉はやはり『スティッキー・フィンガーズ』に尽きるだろう。先の2枚は米アブコ制作のマスターだが、本作は世界で初めてDSD化が許された正真正銘のオリジナル・マスターで、一切の音調整を行わない“フラット・トランスファー”により、ありのままのサウンドが捉えられているのだから。この生々しさは凄いの一言で、2曲目の『スウェイ』冒頭のカウントの臨場感だけでもゾクッとさせられるほど。かつてモービル・フィデリティ版アナログの「ブラウン・シュガー」を聴いたとき、あまりにきれいに“割れた”ファズ・ギターのイントロに違和感を覚えたことも懐かしいが、ここでは鮮度とパワーが見事に共存した極上の音場を体感できる。これは世界中のストーンズ・フリークに狙われること間違いない。なくなる前に入手すべし!(犬伏 功)

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「百万ドルのブルース・ギター!!ジョニー・ウィンター登場/ジョニー・ウィンター」(クリンク/CRCD-3225)
 去る4月に実現した奇跡の初来日公演を契機に実質的なデビュー・アルバム(インディーズ録音)が当時の邦題と共に再登場♪全米配給の権利を買ったCapitol系列のImperialから1969年の春、Columbiaからのメジャー・デビュー(日本では当時のCBSソニー)にブツける形で先んじて広く世に放たれたもので日本では東芝音工(当時)からこのドギモ抜く?邦題で大々的に売り出されたおかげで'百万ドルのブルース・ギタリスト'として後世まで語り継がれることに(実際の契約金はそこまで大金ではなかったとか)。インディーズらしく一発録りの生々しさや瞬発力が生かされた仕上がりでファンの間ではColumbia盤よりも迫力に満ちていると昔からもっぱらの評判♪邦題だけでなく1曲目「ローリン・アンド・タンブリン」からしてドギモ抜く強烈さ♪(上柴 とおる)

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「JAZZ FOR JAPAN」(ビデオ・アーツ・ミュージック/VACM-700213)
 6月1日に緊急発売される東日本大震災被災者支援CDだ。日頃支えてくれた日本の友人たちのためにアメリカの人気ジャズメンが新しく吹き込んだ2枚組CD。よく練られた内容もすばらしく、スティーヴ・ガッド、リー・リトナー、ケニーG、ネイサン・イースト、デヴィット・T・ウォーカー、ジョージ・デューク、マーカス・ミラーらフュージョン系のミュージシャンが中心で、日本人として唯一人松居慶子が参加している。モダン・ジャズの名曲集といった内容で、「処女航海」「シュガー」「ソー・ホワット」「フットプリンツ」「ワーク・ソング」「ミスターp.c.」「ウォーターメロン・マン」「カンタロープ・アイランド」「この素晴らしき世界」などが編成を変えて演奏されている。演奏はとても充実しており、最近では抜群のジャズ・アルバムだ。日本の震災救援のために作られたうれしい作品である。(岩浪 洋三)

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「ユア・マイ・エヴリシング/ディック・ハイマン・トリオ」(VENUS Records/ VHCD-1063)
 ディック・ハイマンは1927年生まれのピアニストだから大ベテランである。1950年代の中頃からはMGMレコードに沢山録音したものをよく聴いたし、パーカーとガレスピーが共演したダウン・ビート・ウイナー記念テレビ番組のビデオでピアノを弾いているのも彼だし、10年ほど前にオールスターズで来日し、サントリー・ホールでコンサートを開いた。それを聴いたときも彼のピアノを堪能したが、本作も年を感じさせないみずみずしいプレーに感心したし、躍動的で活力にもあふれている。共演はジェイ・レオンハート(b)とチャック・レッド。ハリー・ウォーレン作曲の11曲とボーナス・トラック3曲が収められている。ボーナスは2曲が彼のオリジナルで、残り1曲はリチャード・ロジャースの作品。ここでいえるのは、彼を含めてすべてユダヤ人の曲ということだ。彼はベニー・グッドマンとの共演、ウディ・アレンの映画音楽の仕事も有名だが、これらも彼がユダヤ人であることと無関係ではあるまい。ウォーレン作曲のスタンダード曲「九月の雨」「モア・アイ・シー・ユー」など、どれもすてきな演奏だ。(岩浪 洋三)

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「リッスン・ヒア+1/スー・レイニー」(SJ/XQAM1519)
 現在活躍しているジャズ・シンガーの中では、トップのランクに入るスー・レイニ—は前作、2006年のドリス・デイに捧げるアルバム『ハート・デザイア—』は、アラン・ブロードベントの編曲指揮によるストリングスも含む大オーケストラをバックに歌うものだったが、今回の最新作は、彼のピアノだけを相手のデュオで聴き手に語り聞かせるように歌う心に染み入る様なバラード集。多くはヴァースから歌っている。中でもロジース・ハートの「He Was Too Good To Me」やシナトラも歌った「There Used To Be A Ballpark」等が特に印象に残る。後者は、東日本大震災の後だけに、東北の惨状などが目に浮かんで、状況は全く違うが強く訴えるものを感じてしまう。(高田 敬三)

Popular ALBUM Review

「ボサ・ノヴァ・ソングブック/森 郁」(オールアート・プロモーション/ AAP0084)
 ジャズ・シンガーの森郁は、マイケル・フランクスがアントニオ・カルロス・ジョビンに捧げた「アントニオの唄」を聴いてボサ・ノヴァの魅力にはまったという。彼女自身の声もボサ・ノヴァ向きだ。そんな彼女をプロデューサ—の石塚孝夫がスリー・フォー・ブラジルのポリーニョ・ガルシア(vo.g)とスタン・ゲッツ派のグレッグ・フィッシュマン(ts)及び現地のミュージッシャンと結び付けてシカゴで録音したボサ・ノヴァ集。流石に本場から来たパーカッションの乗りは違う。ポリーニョ・ガルシアがポルトガル語で歌い、森郁が英語で歌うというデュエットは、大変効果的だ。ヨーロッパの映画音楽をボサ・ノヴァで料理したり、アルバムの構成が大変素晴らしく聴き手を飽きさせない。ポリーニョがサンバで歌う島倉千代子の「人生いろいろ」には、意表を突かれるがこれがなかなか面白い。カヴァー・デザインも秀逸。(高田 敬三)

Popular ALBUM Review

「ミュージカル おもひでぽろぽろ オリジナル東京キャスト盤」(わらび座/ TGCS 6677)
 同名アニメ映画をミュージカル化した、劇団わらび座の新作。4月に銀河劇場で初演された時に主演した元宝塚トップ・スター朝海ひかる、杜けあきの二人を中心とする東京版のキャスト盤。齋藤雅文作詞、甲斐正人作曲のミュージカル・ナンバー12曲収録。朝海ひかるの唄「私にしか見えない」、「どうして? あべ君・・・」、杜けあきとの掛け合いで「夏休み」「ここが好きかい?」、農家の青年役の三重野葵の「土の唄」等、ドラマティックな唄は、ディスクで聴いても舞台を彷彿させる楽しさがある。(川上 博)
*お問い合わせ&オーダー: http://www.warabi.jp/omoide/cd/

Popular SINGLE Review

「フィールズ・ソ—・グッド/スティーヴン・タイラ—」(ソニー・ミュージックジャパンインターナショナル/配信限定発売
 最近は「アメリカン・アイドル」の審査員も務めるエアロスミスのスティーヴン、ニュー・ソロ・シングルの登場。本人も「Rolling Stone」誌で、その仕上がりぶりについて自信たっぷりに語っているが、ハードでパワフルなサウンドのまさにエアロ節の噴出した大ヒット確実のナンバーだ。この作品を足がかりにしてエアロの新作も・・・、彼らは10年ぶりとなるニュー・レコーディング・アルバムを制作中で、年内にはファンの前に登場するだろう。この「フィールズ・ソ—・グッド」は5月25日、配信限定発売だ。(高見 展) 

Popular DVD / Blu-ray Review

DVD

Blu-ray

「マイルズ・フロム・メンフィス/シェリル・クロウ」(ヤマハミュージックアンドビジュアルズ/ YMBA-10255=DVD YMXB-10254=Blu-ray)
 アメリカを代表する女性ロッカー、シェリル・クロウの最新LIVE映像!昨年11月にロサンゼルス/パンテージ・シアターで自らも患った乳がんの患者のためにチャリティー・フリー・コンサートを行った、その記録だ。レイテスト・アルバム『100マイルズ・フロム・メンフィス』からタイトル・ソング、そしておなじみの代表作などが次々に登場。10年3月の日本公演登場ナンバーも・・・、バックのサウンドそのとき以上にソウルフルになっていたのも印象的。そんな中でのジャクソン5・カヴァー、「帰ってほしいの」もゴキゲン!MAIDO!!(Mike M. Koshitani)

Popular DVD Review

「ライヴ・アット・リヴァー・プレイト/ AC/DC」(ソニー・ミュージックジャパンインターナショナル/SIBP-198)
 AC/DCの2年間に渡る“BLACK ICE WORLD TOUR”の集大成とも言えるライヴ映像作品。2009年12月に行われたアルゼンチン・ブエノスアイレス/リヴァー・プレート・スタディアムでの3日間の公演を、32台ものカメラで撮影している。彼らのパフォーマンスの熱さは言わずもがなだが、圧倒的な観客の数(3日間で20万人を動員したという)と、土地柄もあるのだろう、その熱狂ぶりは、ロック史上でもそうは類を見ないほど。AC/DCと いうバンドのすごさを感じると同時に、音楽的なギミックいっさいなしのバンドがここまで人を狂わせられるということは、つまり(ハード・ロックも含めた広 い意味での)ロックンロールがどれほどの魔力を持っているかの証拠でもあると思う。ファン、ローディー、ギター・テックなどへのインタビューを交えながら 舞台裏を収録したボーナス映像も非常に興味深い。AC/DCという名の一大エンタテインメント産業 は、どういう人たちによって、どのように運営されているのか。そして、どういう人たちがそれを支えているのか。彼らを動かす原動力となっている理念とは何 なのか。そういったところが垣間見える。煎じ詰めてみれば、すべての背景にあるのはただひとつ、ロックンロールの魔力ということなのかもしれないが。(細川 真平)

Popular BOOK Review

「ライフ キース・リチヤ—ズ自伝/キース・リチャ—ズ ジェイムズ・フォックス著 棚橋志行・訳」(楓書店)
 シーンのトップをころがり続ける世界最強ロックンロール・バンド、ローリング・ストーンズのキース・リチャ—ズが昨年の秋に出版した自伝が翻訳され日本のファンの前にも登場!自らの幼少時代から少年期、音楽との出合い。そして、ストーンズの一員としてまさに波乱万丈の人生を送った68歳の男の生きざまが生々しく記されている。荒波を泳ぎまくるキースという男の力強さ、音楽への愛をダイレクトに感じさせる。ストーンズ・フリークはもちろん、音楽を愛する多くの方々にお薦めする。ストーンズ史であり、音楽史書でもある。高見展は“必読現代史”と紹介している。(Mike M. Koshitani)

Popular BOOK Review

「マイルス・デイヴィス『アガルタ』『パンゲア』の真実/中山康樹・著」(河出書房新社)
 ディープ・パープル『ライヴ・イン・ジャパン』と並ぶ外タレ・ライヴ盤の最高峰がマイルス・デイヴィスの『アガルタ』と『パンゲア』だろう。1975年2月1日、大阪フェスティバル・ホールで行なわれた昼の部、夜の部をそれぞれほぼノーカット、一切オーヴァー・ダビングなしのまま収めた作品だ。この2枚をメイン・テーマにした著作というコンセプトは日本ならではの発案、そして今日にでも各国語訳を出して世界のマイルス・ファンに読んでほしいぐらいだ。『アガルタ』のジャケットをデザインした横尾忠則、加えてレコーディング・エンジニア、レコード会社ディレクター等への最新インタビューをフィーチャーしながらの展開は、文字で読む名作誕生ドキュメンタリーといったところか。ぼくも取材等、関わらせていただいた。だからというわけではないが、この本は力作だ。行間から、“レコード会社、デザイナー、ミュージシャン、ファン、すべてが愚直なまでに燃えていた”1975年の匂いがたちのぼる。(原田 和典)

Popular CONCERT Review

「ウンベルティポ」 3月17日 広島OTIS
 今堀恒雄(ギター)、ナスノミツル(ベース)、佐野康夫(ドラムス)からなるウンベルティポは1999年に結成された。つまり今年で12年、エトがひとまわりにした計算になる。しかし演奏はさらに新鮮で変幻自在、リズムとメロディの絡み合いには磨きがかかり、マンネリのマの字もない。どこまでが即興パートで、どこまでが記譜されたものか、まったくわからない。わからないから、さらに注意深く聴こうと、耳をすませてしまう。しかしリズムは猛烈なグルーヴに溢れているので、全身を揺らさずにはいられなくなる。だからウンベルティポを聴くと猛烈な体力がいり、終演後のカタルシスもすさまじい。この日のライヴでは最新作『Uncle Bunny Tongue』からの曲をメインに、それ以降に作られた新曲も聴くことができた。インスト・ミュージックの荒野を開拓し続ける3人の音圧に、すっかり圧倒された。(原田 和典)


Popular CONCERT Review

「ありがとう!!永遠のロカビリアン 山下敬二郎 追悼コンサート」 4月9日 中野サンプラザホール
 この1月に亡くなった山下敬二郎を追悼するコンサートが開かれた。この開催は昨年から決まっており、病状の回復次第では山下本人も出演する予定だったという。ステージに登場した歌手たちは30組を超えていただろうか。豪華なオールディーズ・ショーをたっぷり楽しむことができた。かっこいい老人になっているひともいれば、やけに若作りのひともいる。現役感バリバリにうたうひとも、過去の名声に生きているのではと感じられるひともいた。ひとり1〜2曲の持ち舞台だったが、九重祐三子、三人娘(中尾ミエ、園まり、伊東ゆかり)、佐川満男、ミッキー・カーチス、尾藤イサオのステージングは圧巻だった。歌が体の一部になっているという印象を受けた。客席は超満員だったけれど、若いオーディエンスの姿が少なかったのはどうしたことか。当時のロカビリー・ファンよ、なぜ自分の子供や孫を会場に連れてこないのだ。往年の山下敬二郎の尖りやトッポさを受け継ぐ若者よ、出でよ。(原田 和典)

Popular CONCERT Review

「音楽劇 探偵〜哀しきチェイサー〜」 4月21日  紀伊國屋サザンシアター
 「探偵(哀しきチェイサー)」は、元々は主演の沢田研二が1978年に発表したLP『今度は、華麗な宴にどうぞ。』の中の1曲。阿久悠・大野克夫コンビによる楽曲の世界観を、演出のマキノノゾミが物語に仕上げた。音楽劇と銘打っている通り、ミュージカルさながらの歌や踊りがふんだんに織り込まれている。終盤、タイトル曲を歌うジュリーの表現力は、やはり圧巻だった。(町井 ハジメ)

 沢田研二の曲をモチーフにした、マキノノゾミ作の音楽劇。舞台は大震災から数年後の神戸、バー「ファウエル」のマスター新太郎は、その傍ら探偵もやっていた。常連で盛り上がるバーに一人の謎の美女麻里亜が現れる。彼女は新太郎に、殺された義理の娘とその犯人を突き止める寸前に自殺してしまった夫の 調査を依頼する。危険を感じながらも彼女に惹かれ依頼を受けるた新太郎は、調査により明らかになった事実に苦悩しながらも探偵の性としてその真実 を暴かずにはいられない。社会派的なテーマと関西弁の人情劇、クールなハードボイルドという一見異質なものが沢田の好演でひとつに融け合い、楽しくて泣ける作品だった。(大森 眸)

Popular CONCERT Review







「日向由子 2011スプリングLIVE 〜CANZONI D'AMORE PER TE〜」 4月24日 原宿La Donna
「Lilies “piano e forte”」 4月24日 原宿La Donna
 4月24日の昼夜、素敵なライヴを原宿のミュージック・レストラン“La Donna”で楽しんだ。ランチ・タイム・ライヴは日向由子。クラシックを基本にしながらカンツォーネ・ナンバーを見事に次々に歌い上げる。「コメ・プリマ」「アネマ・エ・コーレ」「愛の詩」ではじまり、サンレモ音楽祭が世界に知れ渡るきっかけとなった1958年の同音楽祭優勝曲「ヴォラーレ」、そしてダスティ・スプリングフィールドやエルヴィス・プレスリ—でも知られる(でも原曲はカンツォーネの)「この胸のときめきを/ Io che non vivo」、日向のデビュー・アルバムのタイトル・チューン「アル・ディ・ラ」などポピュラーな楽曲登場で会場は大きく盛り上がる。そして、ゲストに「好きよキャプテン」のリリーズがステージに・・・、リリーズは日向の大ファン。もちろん「好きよキャプテン」を歌う、その後に両者は「ラ・カリファ(微笑みの道標)」「タイム・トゥ・セイ・グッドバイ」をジョイント、初共演となったのだ。そして後半は再び日向が「アモール、モナムール、マイ・ラヴ」「生命をかけて」「愛は限りなく」「アモーレ・スクーザミ」「カルーソ」をしっかり堪能させてくれたのだ。60年代のカンツォーネ・ブームをリアル・タイムで味わった観客も多数かけつけ、とても和やかなステージだった。
 そして夜のディナー・タイム・ライヴはリリーズの≪ピアノ・エ・フォルテ≫。リリーズは1970年代中期から後半にかけて双子のアイドルとして多くのファンに注目された。なかでも、75年秋リリースのセカンド・シングル「好きよキャプテン」は大ヒット。奈緒美&真由美のふたりはここ数年再びライヴ活動を積極的に行い、自作ナンバーも歌いその音楽性をより幅広くしている。この日のライヴは二部構成、あの時代に歌っていた「すずらんの花」「花のささやき」「春風の中でつかまえて」(作曲は太田裕美)「好きよキャプテン」に加え、洋邦カヴァー楽曲、自作「風のオルガン」「あの空を守りたい」等20曲披露。ゲストは、日向由子で再び「ラ・カリファ(微笑みの道標)」「タイム・トゥ・セイ・グッドバイ」を共演したのだった。この夜の部には70年代からのリリーズ・オッカケ隊も数多く客席をうめ、元気あふれる声援をおくっていた。リリーズのニュー・レコーディング・アルバムも聴いてみたくなった・・・。ラヴリィ—&エレガントな素敵なステージだった。(町井 ハジメ)

Popular CONCERT Review

「カサンドラ・ウィルソン」 5月5日 Billboard Live TOKYO
 2ギター、2ドラム、ベースにハーモニカというユニークな編成のバンドのイントロに導かれて登場したカサンドラは、前回より一回り大きくなった様だ。最新作『シルヴァー・ポニー』の中で歌った「40ディズ、40ナイツ」から入り、アビー・リンカーンの「ミュージック・イズ・ザ・マジック」へと続く。歌手と伴奏陣というよりも、彼女も含めてア—シ—なリズムを主体としたひとつのバンドのステージという感じだ。デルタ・ブルースの「ポニー・ブルース」、U2の「ラヴ・イズ・ブラインドネス」、モンキーズの「恋の終列車」等を独自の編曲で歌い演奏する。ジャズ、ブルース、カントリー、R&B等ジャンルで縛れないカサンドラの世界だ。バンドは、疲れていたのか今ひとつまとまりに欠ける感じも受けたが、「ブロークン・ドラム」で「荒城の月」のメロディーを引用したりして力の入ったソロを聴かせたクロマチック・ハーモニカのグレゴワル・マレーの活躍が素晴らしかった。アンコールは、最新作でも歌う「セント・ジェームス病院」で会場を沸かせた。(高田 敬三)
写真:北山郷介

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「渡辺香津美&大西順子」 5月7日 Blue Note TOKYO
 渡辺香津美と大西順子のデュオ・ライヴが実現するとは、誰が想像できただろう。15年ほど前、NHKの紅白歌合戦で、日野皓正・元彦の兄弟や宮川泰と一緒に、吉田拓郎のバックを務めたのが、ほぼ唯一の共演だったそうだ。プログラムは「ラウンド・ミッドナイト」のような古典、そしてふたりが持ち寄ったオリジナル曲で構成された。渡辺側が「遠州つばめ返し」「ユニコーン」を持ちこめば、大西側は超大作「スルペニ・オペラ」を用意。およそ、デュオには向かない“難曲”ばかりだ。エレクトリック・ベースやドラムスがタイトなビートを打ち出しているはずの渡辺ナンバーを大西がアコースティック・ピアノで表現し、CDではホーン・セクションが暴れまわる大西ナンバーで、エフェクターを駆使した渡辺の自由奔放なエレクトリック・ギターがうねる。意外性の連続するセッションを堪能させてもらった。(原田 和典)
写真:山路ゆか

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「マルーン5 Japan Tour 2011」  5月16日 日本武道館
 3度のグラミー賞受賞に輝く人気ロック・バンド、マルーン5の日本公演は、昨年リリースされた3枚目の大ヒット・アルバム『ハンズ・オール・オーヴァー』からの楽曲も含め、ファン待望のベスト選曲だった。軽いノリのポップ・ロック「ミザリー」から始まったライヴは、プリンスばりのアクションとリード・ギターで会場を沸かせるヴォーカル/ギタリストのアダム・レヴィーンを中心に、決して難しいことやるのではなくファンク/ソウル/ラテン等を上手く消化した楽曲の良さとバラエティーさで、観客を魅了した。「ディス・ラヴ」「スウィーテスト・グッドバイ」のリード・ギターでは、ギタリストとしての真髄も聴かせてくれた。ラストを飾った「メイクス・ミー・ワンダー」「サンデー・モーニング」では、バンドと会場が一体となったエネルギーは圧巻であった。(上田 和秀)

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「“Sence Of Wonder” 30th Anniversary Live」5月21日 下北沢/GARDEN
 難波弘之率いるセンス・オブ・ワンダー(以下SOW)が、結成30周年を迎えて行なったアニヴァーサリー・ツアーの最終日を堪能した。今回は30周年記念ということもあり、難波(key)、松本慎二(b)、そうる透(ds)の現行メンバーに加え、根岸孝旨、田辺モット、小室和幸という歴代ベーシストの3人 が揃うというスペシャルな(難波氏いわく“低音率が高い”)夜となった。メンバーの高い音楽性と超絶なテクニック(あくまで“人力”で、あれだけの演奏を 聴かせるのは驚愕)によるライヴが感嘆の内容であったことは言うまでもないが、松本〜根岸〜田辺〜小室とベーシストを交代させながら進む展開がそれぞれの 個性を感じさせるとともに、しいてはSOWそ して難波の懐の広さを証明する形となった。最初の松本コーナーでは「グリーン・レクイエム・メドレー」が印象に残り、根岸コーナーではあの難曲「ディメン ション・トラベラー」の演奏がハイライト。急遽、京都から駆けつけた田辺をフィーチャーしたコーナーでは「パーマー・エルドリッチの3つ の聖痕」が素晴らしく、休憩を挟んでリッケンバッカーを手に登場した小室のコーナーでは『真幻魔大戦』からの「ビッグ・プロローグ」から「サイボーグ戦士 ベガ」への流れが圧巻。最後に再び松本が登場し、新曲の「でも誰もいない〜骸骨を乗せた宇宙ステーション」などを披露するなど、彼らの過去・現在・未来の すべてを感じさせるものとなった。アンコールは現行メンバーによる「夢中楼閣」とEL&Pの「ナットロッカー」。3時間強の長丁場ながら、さすがのMCの面白さもあり、彼らを愛してやまない聴衆の暖かい磁場もあって、プレミアム・ライヴに相応しいひと時を過ごせた。ちなみにこのライヴの模様は7月10日にCSの『MUSIC AIR』でも放送されるので、機会があればご覧いただきたい。(山田 順一)
写真:杉山テツヤ

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「HAIR 1969 LIVE ROCK-MUSICAL HAIR TOKYO ORIGINAL CAST
 1969年12月に上演された伝説のロック・ミュージカル、日本版『HAIR』。当時主演した加橋かつみ、深水龍作、ポール岡田ら主な出演者(“トライブ”と呼称)が『HAIR』スピリットを21世紀に伝えるべくBLUES ALLEY JAPANに結集。バックを固める豪華なミュージシャンにも注目。(HM)
*6月1日 2日  BLUES ALLEY JAPAN
お問い合わせ:03-5496-4381
http://www.bluesalley.co.jp/


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「HAPA
 美しいハーモニーで人気のデュオHAPAが、新しいメンバーで来日する。バリー・フラナガンが3人目のパートナーとするのは、ロン・クアラアウ。マウイ島を拠点に活動し、ギター、ウクレレ、ヴォーカルをこなす。ソロ・アルバムも出している実力派だ。ハワイアンよりもコンテンポラリーよりのアーティストでメインランドのミュージシャンとも共演をしている。日本での知名度はないが注目だ。新生HAPAがどんなステージを見せてくれるのか興味深い。前パートナーのネイザン・アヴェアウとは昨年の日本ツアー終了後に別れたたという。その理由は、HAPAをよく知っている皆さんが想像の通り・・・。(SS)
*6月3日 4日 COTTON CLUB 2回公演
お問い合わせ:(03)3215-1555
http://www.cottonclubjapan.co.jp/


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「エイミー・ハナイアリイ
 ハワイの歌姫として貫禄すら感じさせるようになってきたエイミー・ハナイアリイ。昨年はハワイの男性シンガー、スラック・キー・ギターリストとの共演アルバムを立て続けにリリースしたが、参加したアーティストの顔ぶれを見ると彼女がいかにリスペクトされているかよくわかる。ハワイアン・ミュージックに留まらない高い音楽性はアメリカ本土においても評価されている。日本にも多くのファンを持つ彼女がクラブのステージでどの様な選曲をするのか興味がある。今回のメンバーにおなじみのギタリスト、ジェフ・ピーターソンが入っていないのが残念だが、チノ・モンテロ、ザヌック・リンゼイ二人の人気ギタリストが参加してくれる。(SS)
*6月23日 24日 COTTON CLUB 2回公演
お問い合わせ:(03)3215-1555
http://www.cottonclubjapan.co.jp/
*6月25日 26日 
Blue Note TOKYO 2回公演
お問い合わせ:(03)5485-0088
http://www.bluenote.co.jp/
*6月27日 NAGOYA Blue Note NAGOYA
お問い合わせ:(052)961-6311
http://www.nagoya-bluenote.com/


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「オスカー・カストロ・ネヴィス & 小野リサ
 日本のボサ・ノヴァを代表する小野リサがレジェンド、オスカー・カストロ・ネヴィスと共に登場する。ボサ・ノヴァの創世記から活躍するギタリストのオスカーは、早くにアメリカに渡りセルジオ・メンデス・ブラジル'66のメンバーとして活躍、マイケル・ジャクソン、スティーヴィー・ワンダーなどのビッグ・アーティストとも共演している。小野リサの99年アルバム『Dream』にも参加。彼のギターと小野リサの歌声から生まれる気持ち良さは、暑い夏の涼風になるに違いない。(SS)
*7月6日 7日  Billboard Live OSAKA 2回公演
お問い合わせ:(06)6342-7722
http://www.billboard-live.com/
*7月9日 10日 Billboard Live TOKYO 2回公演
お問い合わせ:(03)3405-1133
http://www.billboard-live.com/


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「ナ・レオ Romantic Waikiki - featuring アリアナ・セイユ&クムフラ カマカ・クコナ-
 ハワイでも日本でも多くのファンを持つナ・レオが今年もやってくる。高校の同級生ではじめた3人組は結成27年を迎え、たとえようのない緩やかな存在感を漂わせる。ハワイの典型的アンティー(おばさん)だが、音楽的にはハワイアン・ミュージックにこだわらず、ジャズ、ポップス、レゲエとバラエティーに富んだ選曲で楽しませてくれる。昨年と同じくアリアナ・セイユ、カマカ・クコナと一緒のステージ。ゆったり、のんびり日常の煩わしさからトリップできるステージが行われることは間違いがない。暑い夏の清涼剤に!(SS)
*7月11日〜13日 Billboard Live TOKYO 2回公演
お問い合わせ:(03)3405-1133
http://www.billboard-live.com/
*7月15日 16日  Billboard Live OSAKA 2回公演
お問い合わせ:(06)6342-7722
http://www.billboard-live.com/


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「ベンチャーズ ジャパン・ツアー2011
 2011年のベンチャーズ、テケテケ・オジサンズ・ツアーはどんなセットリスト、展開になるのだろうか、早くも今から心躍る。日本の夏・恒例となった彼らのサマ—・ツアーは7月16日の東京・福生を皮切りに9月11日の埼玉・加須まで約2カ月にわたって全国横断。懐かしのベスト・セラー・ナンバーからニュー・レコーディング・チューンまで、またまたエレキの王様がエキサイティング・ステージなのだ!(MK)
*全国ツアー・スケジュールは下記をクリックしてください
http://www.mandicompany.co.jp/index/index.html


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「フライド・プライド
 震災の影響で3月のステージが中止になったがリスケジュールされたので再度インフォーメーション。個人的には日本最強のジャズ・ユニットだと思っている。Shihoの一度聴いたら忘れられないヴォーカルと横田明紀男の超絶ギターが織りなすハーモニーは本当に素晴らしい。彼らのアルバムではカヴァー曲を演奏することが多い。しかし、それがJ-POP、ジャズ、映画音楽、スタンダード・ナンバーであろうと、圧倒的なテクニックと表現力ですべてフライド・プライドの作品に変えてしまう。そのクオリティーの高さとパワーは日本だけでなく、米国などにも熱狂的なファンを生み出している。デビュー10年目を迎える彼らがどの様な見せるライヴを見せてくれるのか楽しみだ。ただただ堪能したい。(SS)
*7月28日  Billboard Live TOKYO 2回公演
お問い合わせ:(03)3405-1133
http://www.billboard-live.com/


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「ニック・ロウ
 ブリンズレー・シュウォーツの一員としてパブ・ロック・シーンのトップ・バンドとして君臨、バンド解散後も英国パンク・ロック初のアルバムとなったダムドの『地獄に堕ちた野郎ども』をプロデュースし自らもパワー・ポップの旗手として活躍、そして90年代にはライ・クーダーらとリトル・ヴィレッジを結成しルーツを探求、現在はいぶし銀の味わいを醸すヴォーカルで新たに“シンガー”としてのキャリアを重ねるニック・ロウ。シンガーとして、ソングライターとして、そしてプロデューサーとして常にシーンを牽引した英国屈指の才能が、ライ・クーダーとの共演以来2年ぶりに来日を果たす。リトル・ヴィレッジ以来となるライ・クーダーとの共演も希有なショーだったが、今回は単独公演だけにお馴染みの名曲が沢山聴けそうだ。ゲラント・ワトキンスら気心知れたメンバーとの芳醇なセッションをムード溢れる≪Billboard Live>で是非!(II)
*8月10日 11日  Billboard Live TOKYO  2回公演
お問い合わせ:(03)3405-1133
http://www.billboard-live.com/
*8月12日  Billboard Live OSAKA  2回公演
お問い合わせ:(06)6342-7722
http://www.billboard-live.com/


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「沢田研二 LIVE 2011〜2012
 9月から始まる沢田研二のLIVEツアーに、元ザ・タイガースのメンバー、瞳みのる、森本太郎、岸部一徳の参加が決定。今ツアーで演奏される曲は全てザ・タイガースのナンバー!もちろん3人は全曲の演奏に参加する。1971年のザ・タイガース解散公演以来、実に40年ぶりのステージとなる瞳みのるのプレーにも注目。9月8日の東京国際フォーラムホールAを皮切りに、来年1月8日の鹿児島・宝山ホールまで、計31公演。ティケットは6月25日より順次発売。(HM)
*各公演に関する詳細は下記をクリックしてください
http://www.co-colo.com/
Photo by NOKO


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「ブライアン・セッツァー /BRIAN SETZER'S ROCKABILLY RIOT Featuring A SPECIAL SET WITH SLIM JIM PHANTOM
 唯一無二のロカビリー&ロックン・ロール・ギタリスト兼ヴォーカリスト/ブライアン・セッツァーの2年振りとなる日本公演が決定した。今回は、ギター、ピアノ、ツイン・ベース&ツイン・ドラムによる6人編成だ。しかも、ストレイ・キャッツ時代の盟友スリム・ジム・ファントム(ds)や新作『セッツァー・ゴーズ・インストゥル-・メンタル』に参加しているジョニー・ハットン(b)、ノア・レヴィー(ds)、そして、『ロカビリー・ライオット Vol.1:ア・トリビュート・トゥ・サン・レコーズ』のブギウギ・ピアノ/ケヴィン・マッケンドリー(piano)に、ロカビリー・バンド/ファイアーバードに在籍していた、クリス・ドロザーリオ(b)と言う豪華な顔触れだ。このメンバーなら、最高にカッコ良くノリの良いホットなライヴになること間違いなしだ。(KU)
*9月 27日 中京大学文化市民会館 オーロラホール
*9月 28日 なんばHatch
*9月 29日 本多の森ホール
*10月 1日 ニトリ文化ホール
*10月3日、4日 渋谷C.C.Lemonホール
お問い合せ:ウドー音楽事務所 (03)3402-5999
http://udo.jp/

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