「ハウ・トゥ・ビカム・クレアヴォヤント/ロビー・ロバートソン feat.エリック・クラプトン」(日本コロムビア/COCB-53968)
かなり前からエリック・クラプトンとロビーが作品制作に取り組んでいるという噂は耳にしていた。その成果はB.B.キングやJ.J.ケイルとの共演盤のような形でいつかリリースされるのだろうと思っていたのだが、やや意外な展開ではあるものの、ロビーにとっては13年ぶりのソロ作品ということになるこのアルバムとして実を結ぶことになったようだ。実際、7曲にクラプトンが参加していて(うち3曲にはスティーヴ・ウィンウッドも)、彼がリード・ヴォーカルを担当している曲もあり、さらにはふたりの共作曲が2曲、クラプトン作のインストゥルメンタルが1曲と、プロジェクト作品と呼んでも差し支えない内容である。ザ・バンドに衝撃を受けたクラプトンがクリームの栄光を捨てた、あの逸話が思い出される。クラプトンにとっては文字どおりのレイバー・オブ・ラヴだったと思うが、これはあくまでも、あのロビーのソロ作品。「いかにして超能力者となるか」というタイトルそのままの、どこかミステリアスで、恐ろしく深い大人のロックが全編で展開されている。(大友 博)
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