2010年12月 

 
Popular ALBUM Review



「ザ・ユニオン/エルトン・ジョン&レオン・ラッセル」(ユニバーサルミュージック/UICR-1087)
 今年の1月、MUSICARES主催のニール・ヤング・トリビュート・コンサートでエルトンとレオンは2台のピアノを向かいあわせる美しいフォーメイションで「ヘルプレス」を歌っている。それぞれの個性を生かしながら、独特のスタンスでニールを称える素晴らしい演奏だったが、すでにその時点で、この画期的な共演作品の制作はスタートしていたようだ。中心になって動いたのはエルトン。彼は、半ば隠遁生活に入っていたレオンを口説き、「この人しかいない」とT・ボーン・バーネットにプロデュースを依頼し、そしてもちろん、バーニー・トーピンにも声をかけ、文字どおりの『ユニオン』を実現させたのだった。近年、60代以上のアーティストの多くが、大江健三郎氏の言葉を借りるなら、「晩年の仕事」あるいは「締めくくりの仕事」を意識した創作活動をつづけているが、エルトンのなかでも「今やらなければ」という強い想いがあったのだろう。個人的にはニールが美しいコーラスを聞かせる「Going To Shiloh」が心にしみた。(大友 博)

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「ガーシュイン・ソングブック/シェリル・ベンティン」(キングレコード/KICJ-604)
 マンハッタン・トランスファーの一員と言う必要のないほどソロ歌手としても有名なシェリル・ベンティンは、着実に好アルバムを出し続けているが、今回はアメリカが誇るガーシュインに挑戦した。それもあまり遊ばず、真っ向から取り組んでいる。さすがベテラン、歌いなれているのだろう、安定感がある。「サマータイム」はマイルス・デイヴィスのために書かれたギル・エヴァンスの編曲を基に、シェリルはマイルスのパートを再現して味わいがある。「ザ・マン・アイ・ラ」は快いリズムに乗って快唱。ケン・ペプロスキー(cl)、ラリー・クーンス(g)のソロもいい。けれん味がないだけでなく、丁寧に歌っている曲が多いのも好感を覚える。(鈴木 道子)


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「スピーク・ナウ/テイラー・スウィフト」(ユニバーサルミュージック/UICO-1200=通常盤 UICO-1201〜2=デラックス・エディション)
 前作『フィアレス』で、全米から世界のトップ・アイドルへと羽ばたいたテイラー。待望の第3作が遂に届けられた。既に先行シングルとして全米第3位となった「マイン」はじめ、収録曲をことごとくチャートに送り込み記録を生んでいるが、アルバムも発売初週100万枚超のセールスで、余裕の初登場No.1。著名なプロデューサーや共作者、ゲストを迎えるといった奇をてらうことは一切せず、「いつも通り」のスタッフをバックに、この2年間の経験に基づいたテイラーの心情が計14編、偽らざる言葉で吐露されている。もはやカントリーだポップだなどという議論は無意味だろう。そしてこの作品を携えて2011年2月、日本を含むアジア・ツアーから、新たな伝説が始まる。(森井 嘉浩)


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「フォトグラフ/エリン・ボーディー」(ヤマハミュージックアンドビジュアルズ/YMCJ-10002)
 エリン・ボーディーのアップを捕えた美しいジャケット。このジャケットに惹かれた人には、彼女のこの最新作をぜひ薦めたい。女性のシンガー/ソングライターという言葉が醸し出す雛型のような音楽がここにはあるし歌詞には、甘みだけでなく苦みや酸味をも備えた、大人の表現が映し出されている。以前より少しアクティヴになったサウンド面の変化も聴きどころで、サックス奏者のシーマス・ブレイクとの共演も収められている。2011年の年明けには来日も決まったことだし、この冬は僕もエリン・ボーディーと過ごす機会が多くなりそうだ。(宮子 和眞)

Popular ALBUM Review


「ホーム・イズ・ジ・エッセンス・オブ・クリスマス/ジョー」(ソニー・ミュージックジャパンインターナショナル/SICP-2890)
 日本でも人気の高い実力派R&Bシンガーであり、平井堅や清水翔太とのコラボでお茶の間にも大きな話題を提供してきたジョー。彼が初のクリスマス・アルバムを発表。アメリカ南部ジョージア州で聖職者の両親の元で生まれ、幼少の頃に聖歌隊で歌っていたジョーが今までクリスマス・アルバムをリリースしていなかったのがむしろ不思議。「ザ・クリスマス・ソング」などのスタンダード・クリスマスからジョー自身が書下ろしたオリジナル・クリスマス・ソング「クリスマス・イン・ニューヨーク」など10曲収録。ジョーのスウィート・ソウル・ヴォイスは、格別な聖夜を演出するはず!(松本 みつぐ)

Popular ALBUM Review

「パッセージ/トルン・エリクセン」(ヤマハミュージックアンドビジュアルズ/YMCJ-10003)
 トルン・エリクセンはノルウェーのジャズランド・レーベルで活躍する女性シンガー・ソングライター。6歳からゴスペル・クワイアで歌い始め、19歳でソロ歌手となり、曲を書き始めたのは高校の時。大学では友人たちとソウル・バンドで歌っていた。彼女はエラ、ジョニ・ミッチェル、ボサノバなど様々な音楽にも親しんできた。7年前、26歳でアルバム・デビュー。これが3作目だ。冒頭の「ビー・ライク・ヒム」を聴いて、初期のジョニかと錯覚する。声質も旅を物語る詩も似ている。全体に至極シンプルなアクースティック・サウンドで、しみじみと語りかける。(鈴木 道子)

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通常盤

限定盤


「TRY AGAIN /長渕 剛 」(ユニバーサルミュージック/UPCH-20210=通常盤 UPCH-29058=限定盤)
 
1年振りとなる長渕剛の新作は、気持ち良くシャウトするノリの良いロックンロールと何処までも切なく語りかけるバラードにより、バランスのとれた渾身のアルバムとなった。沖縄賛歌「俺たちのニライカナイ」、超大作映画『エクスペンタブルズ』の日本版主題歌「絆−KIZUNA−」、倉本聰の舞台『歸國』の会場限定シングル「愛していると伝えて下さい」、現代社会を風刺し聴いてる者の心を震わせる「知らんふり」と話題も満載で、これぞ長渕節と言いたくなる聴きごたえ充分な作品である。(上田 和秀)

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「RYUKYU BEATLES 2/奏琉楽団 」(テイチクエンタテインメント/TECG-25042)
 沖縄の誇る名演奏家からなるスーパーグループ、それが奏琉楽団だ。作年9月9日に全世界で発売されたビートルズのリマスター盤ステレオ・バージョンを徹底的に研究し制作された本作は、琉球楽器を中心に完全コピーを目指したビートルズのカバー・インストゥルメンタル・アルバムの第2弾である。「アイ・フィール・ファイン」のイントロのフィードバックをはじめ、「エリナ・リグビー」のストリングス、「サムシング」におけるポールのベース・ラインに至るまで、琉球楽器の可能性を120%引きだした演奏は圧巻である。単なるカバー・アルバムとしてではなく、沖縄の魂が凝縮された作品として聴いて欲しい。(上田 和秀)

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「マテオ/マテオ・ストーンマン」(プロダクション・デシネ/PDCD-045)
 1960年代か1970年代の名盤復刻かと思いきや2004年の作品とは♪10年後、いや20年後でも多くのファンを魅了してしまいそうな‘キューバン・ジャズ・ヴォーカル’。L.A.を拠点に活動するシンガー/ソングライターのマテオがブエナ・ビスタ・ソーシャル・クラブのメンバーのサポートを受けてスペイン語でキューバ録音した自主制作盤でこれまでは入手困難だったとか。肌を優しく撫でるようなハイ・トーンの甘く繊細なヴォーカルはピアノを軸とした控えめでシンプルながらも優雅な雰囲気を醸し出すジャジーなサウンドとの相性も良く、京料理の名店の逸品を味わうような贅沢感♪厳選された素材(楽曲)を丁寧に扱うマテオ・ストーンマンには品性の豊かさも漂う。(上柴 とおる)

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「ボブ・ディラン・モノ・ボックス/ボブ・ディラン」(ソニー・ミュージックジャパンインターナショナル/SICP2951)
 
ディランのレコードが日本で初めて発売されたころ、シングル盤はべつにして30センチLP盤はステレオが一般的だった。アメリカではステレオ盤とモノ盤の両方が発売されていたが、日本ではステレオ盤のみだった。多くのファンは、ステレオ盤のほうがモノ盤よりも優れているとさえ思っていたものだ。しかし、この認識を覆す事実が判明した。今回初めてCDで発売されたモノミックスの資料によると、当時アーティストやプロデューサーはモノミックスにこだわっていたという。ディランも1962年のデビュー・アルバムから、67年末のアルバム『ジョン・ウェズリー・ハーディング』まで、レコーディングを済ませたあと、モノミックスには立ち会ったものの、ステレオミックスはエンジニアに任せきりだったという。つまり、ディランが聴いてほしいと願った音楽はモノミックスのレコードだったということだ。知らなかった。ディランが聴いてほしいと願ったモノミックスが、初めてCDで登場した。8枚のアルバムがそれぞれオリジナル・アートワークを忠実に縮小した紙ジャケットに収められ(当時の内袋やステッカー類までもが復元されている)特製ボックスに入っている。別冊解説書には、多数の貴重な写真とグリール・マーカスのライナーノートが掲載されている。このモノミックスをひとつのスピーカーで大音量で聴くと、慣れ親しんだディランの歌であっても、いままでと違った印象を受けるかもしれない。デジタルダウンロードの潮流に逆行するかもしれないが、こうした企画なら大歓迎だ。(菅野 ヘッケル)

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「ウェスト・コースト・シアトル・ボーイ〜ジミ・ヘンドリックス・アンソロジー/ジミ・ヘンドリックス」(ソニー・ミュージックジャパンインターナショナル/SICP-2914)
 5枚組み(CD4枚+DVD1枚)のボックス・セット。2000年にリリースされたボックス、『ザ・ジミ・ヘンドリックス・エクスペリエンス〜アンリリースト&レア・マスターズ』や、今年発表されたアルバム『ヴァリーズ・オブ・ネプチューン』などで、未発表音源はほとんど網羅されたと思っていたが、まだこれほど残っていたことに驚く。それが使命ででもあるかのように、執拗に録音テープを回し続けたジミならではだろう。ディスク1には、エクスペリエンス結成以前、64〜66年に他人のバックを務めた演奏がまとめられた。有名なアイズレー・ブラザーズのものは当然として、かなり貴重なものも収録されており、快挙だと思う。DVDは、ボブ・スミートン監督による、ジミの生涯を辿るドキュメンタリー。ファンク・ベーシストのブーツィー・コリンズが、ジミに代わって、彼の人生をナレーションする。ひとりのウェスト・コースト・シアトル・ボーイが、歴史を変えるギタリストとなり、またウェスト・コースト・シアトル・ボーイに戻っていった27年間が、このボックス・セットには詰め込まれている。(細川 真平)

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「ライヴ・アット・リーズ(40周年記念スーパー・デラックス・コレクターズ・エディション)/ザ・フー」(ユニバーサルミュージック/UICY91744)
 ロック・ライヴ・アルバムの最高峰のひとつとされているザ・フーの作品がスーパー・デラックス・コレクターズ・エディションとして登場。1970年2月14日リーズ大学、翌15日のキングストン・アボン・ハル/シティ・ホールでのコンサートを収録(各2CD)。加えて70年5月UKリリースのオリジナル・ライヴLP&70年7月UKリリースのシングル「サマータイム・ブルースb/wヘブン・アンド・ヘル」(前者は70年2月14日リーズ大学ライヴ、後者は70年4月13日IBCスタジオでの録音)も復刻パッケージされた、まさに大拍手の内容。これを機に若いファンにもじっくりと味わってほしい。(Mike M. Koshitani)

Popular ALBUM Review



「プッシーキャット/ジョン・フィリップス」(MSI/MSIG 0697)
 ママス&パパスのメンバーだったジョン・フィリップスが、1970年代にストーンズのメンバーたちとセッションを行った、そのナンバーを収録したアルバムが『パイ・バック・アンド・フォロー』として2001年にようやく日の目を見た。今回は改めて1976年当時のオリジナル・ミックス・ヴァージョン集で登場、ストーンズ・マニアは注目だ。そして本作にはデヴィッド・ボウイ主演の映画『地球に落ちてきた男』のサウンドトラック用に録音された未発表音源5曲がボーナス・トラックストとして収められている。ボウイ&ママパパ・ファンも必聴だ。(Mike M. Koshitani)

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「ディスコの達人/VA」(ビクターエンタテインメント/VICP-64894)
 ディスコは永久に不滅。ゴーゴー・クラブ、ディスコ、クラブ、この40数年間で踊り場の呼び名は変化して、その間に音響設備、照明設備、DJ機材は発達し続けた。しかし、そこに集う人達が音楽、ダンス、空間、人との触れ合いを楽しみながら、ちょっぴりハプニングを期待する“ディスコの醍醐味”は不変です。本アルバムは、そんなディスコの醍醐味を堪能した、或いは現在も堪能し続けるディスコの達人達にとってお馴染みの1970年から2000年までのヒット曲「ハッスル」「君の瞳に恋してる」など20曲を収録した日本ディスコ史的なCDです。(松本 みつぐ) 

Popular ALBUM Review


「浮雲と猫とb/w猫も噛むのよ/源川瑠々子」(ビギナーズ・レーベル/LLSC1004)*シングルCD
 ひとり文芸ミュージカル「静〜しず〜」その他でお馴染みの女優、源川瑠々子が歌う「銀座b/w女だから」に続く、最新の3曲入りシングル盤。“日だまりの窓から見たあの子は綺麗じゃなくて、立ち止まる人もなくて捨てられたようですね・・・” と女心を猫に託して歌う「浮雲と猫と」。”踊りたいけど踊れない・・・話したいけど話せない・・・“「猫も噛むのよ」は伴奏に軽快なタップ音も加わる。両曲ともスミダガワ ミドリ作詞、神尾憲一・作曲のアダルト・ポップス。源川瑠々子のスウィートな歌声がモダン・サウンドの伴奏に乗って、絶妙なムードを醸し出す。3トラック目に「浮雲と猫と」のピアノをフィーチュアしたインストゥル・ヴァージョンを収録した楽しい1枚。(川上 博)
源川瑠々子 http://www.maruru.net/ruruko/
ビギナーズ・レーベル http://www.lightlink.co.jp/beginners/


Popular DVD/Blu-ray Review

DVD



Blu-ray

「ザ・ローリング・ストーンズ レディース&ジェントルメン〜デラックス・エディション」(WHDエンタテインメント/IEZP-25)*DVD
ザ・ローリング・ストーンズ レディース&ジェントルメン」(WHDエンタテインメント/IEXP-10002)* Blu-ray
 ストーンズ72年のUSツアーの模様を集めたDVD「ザ・ローリング・ストーンズ レディース&ジェントルメン」はベスト・セラーを続けているが、そんな同作品のデラックス・エディションも登場する。本編&スペシャル・ヴァージョンの2枚組で、後者にはアメリカのTVトーク・ショー「ディック・キャヴェット・ショー」出演時のインタビュー映像(ミック・ジャガー ビル・ワイマン)、73年のオーストラリアン・ツアー・インタビューズ(キース・リチャーズ チャーリー・ワッツ ミック・テイラーが収められている。そしてBlu-rayの方には、DVD2枚分が1枚にまとまっている(ジャパン・オンリー)。わが国でのリリースに伴い新たな技術が加えられ海外版より高音質、高画質になっているのも嬉しい。(Mike M. Koshitani)


Popular Book Review






「ブルース・スタンダード100曲」(ブルース・インターアクションズ)
「モータウン 永遠の100曲」(同)
「80sポップス 愛される100曲」(同)

 各ジャンルや時代の名曲100を1冊にまとめ上げた≪百曲探訪≫シリーズが始まった、まず3冊が登場。「ブルース•スタンダード100曲」 は“ロックがカヴァーした”という副題で、ローリング・ストーンズやエリック・クラプトンなどが取り上げたブルースをセレクション。オリジナルだけではなくカヴァー&関連音源も紹介しているのは嬉しい。「モータウン 永遠の100曲」は僕らが60〜70年代にディスコティック(ディスコ)やFENで毎日楽しんでいたモータウン・ソングの紹介。出来れば、USシングル100枚も写真掲載してくれたらもっと拍手なところ。でもそんな欲求不満を吹き飛ばしてくれたのが日本盤シングル・ジャケット登場の「80sポップス 愛される100曲」、この時代に僕はFMでトップ20番組のDJを6〜7年やっていたので、ここに登場するナンバーはほとんど口ずさめたり♪、あれから20数年、G・I・オレンジンのLPはまだレコード棚/GのG(わかりますか?!)にしっかり並んでいる。(Mike M. Koshitani)

Popular CONCERT Review


「バティスト・トロティニョン」 10月8日 新宿ピットイン
 昨年「東京JAZZ」の丸ビル無料公演に登場したバティスト・トロティニョンが再来日した。やっぱりこういう音楽は特設会場の貧弱な音質で聴くよりも、ジャズ・クラブでじっくりと味わいたいものだ。場内は立ち見も出る混雑ぶり。ディエゴ・アンベール(ベース)とドレ・パルメルツ(ドラムス)は熱狂的にドライヴし、バティストはときに立ち上がり、声を発しながら鍵盤に指を走らせる。アルバムではどちらかというと“叙情的な自作曲指向”のところがあるように僕は感じていたのだが、このステージは違った。ウェイン・ショーターの「フォール」、ウォーン・マーシュの「バックグラウンド・ミュージック」の独創的なカヴァー等を織り交ぜたプログラムは熱く激しい。バティストが「ヨーロッパの逸材ピアニスト」から、「世界のジャズ界に輝く存在」へ脱皮する日も近いだろう。(原田 和典)
写真:常見登志夫


Popular CONCERT Review



「東京オペラシティ ウィークデイ・ティータイム・コンサート 11」 10月12日 東京オペラシティ・コンサートホール
 アニメ「けいおん!」に登場するバンド“放課後ティータイム”によってティータイムという言葉は俄然、キャッチーなものとなった。東京オペラシティ恒例の「ウィークデイ・ティータイム・コンサート」第11回目はワーグナーの特集。指揮は上岡敏之、演奏はドイツ・ヴッパータール交響楽団が務めた。2時間あまりのステージは実に重厚、けっして“お茶のお供”といった感じではなく、思いっきりコアだ。そこがいい。クライマックスはやはり超大作「ニーベルングの指環」であろうか。すべてプレイすると15時間以上かかるので抜粋が演奏されたのだが、ブラス・セクションと木管セクション(ファゴット等)の鳴り、躍動するリズムにすっかりいい気持ちになった。とびきり贅沢なティータイムを過ごさせてもらった気分だ。(原田 和典)
写真:浦野俊之

Popular CONCERT Review



「ザ・ディジー・ガレスピー・アルムナイ・オールスターズ・フィーチャリング・ザ・ヒース・ブラザーズ」 10月12日 COTTON CLUB
 晩年のディジー・ガレスピー・バンドでエレクトリック・ベースを弾いたジョン・リー率いる追善バンドが来日した。と言っても目玉はやはりジミー・ヒース(テナー・サックス)とアルバート・ヒース(ドラムス)の重鎮兄弟になるだろう。ジミーのプレイは84歳という年齢を反映した、それなりに枯れたものだった。その分、よけいに爽快に感じられたのがグレッグ・ギズバート(トランペット)、アントニオ・ハート(アルト・サックス)のプレイだ。とくにグレッグは「グルーヴィン・ハイ」や「ナイト・イン・チュニジア」のエンディングで全盛期のガレスピーに匹敵するのではと思えるほどのハイ・ノートを出し、客席を大いに盛り上げた。ただエレクトリック・ベースの響きはこうした音楽には合わないと思う。リーダーは今からでもウッド・ベースをマスターしてはどうか。(原田 和典)
写真提供:COTTON CLUB 写真:米田泰久

Popular CONCERT Review



「第22回カントリーゴールド」 10月17日 ASPECTA(グリーンピア南阿蘇)
 熊本在住のカントリー・シンガー:チャーリー永谷氏が主宰する国際音楽フェスティバル。前年と打って変わって今年はポカポカ陽気、風も穏やかで絶好の日和だった。まずは恒例となった、カントリーゴールド・アウォードの勝者2組のアマチュア・バンドが前座出演。続いて今回も前年同様、ホスト・バンド:チャーリー永谷&キャノンボールに加え国内のアーティストが2組(トニー中村&ザ・ステートサイダース、ケニーズ・バンド)出演。そして来日組は、まず90年代にインディ・レーベルから印象的なヒットを放った渋めの男性シンガー:クリントン・グレゴリー。フィドル・プレイヤーとしての実力もピカイチだ。続いてはシンガー/ソングライター、そして女優でもある、才色兼備のジュリー・ロバーツ。笑顔がとても魅力的だった。トリは2003年にTVのタレント・コンテスト“Nashville Star”で第1回優勝者となった、気さくな好漢バディ・ジュエル。この3者がバディのバンドの演奏で次々登場。楽しさに時の経つのも忘れ、気がつけばあっという間にフィナーレを迎えていた。来年も期待したい。(森井 嘉浩)

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「リクライニング・ジャズ 第7回 サックスの日」 10月22日 Hakuju Hall
 気鋭ジャズ・ミュージシャンのプレイが生音で聴ける好評シリーズ、今回は本田雅人と佐山雅弘のデュオだ。佐山は日本屈指のジャズ・ピアニストであるが、76年ごろには不遇時代のRCサクセションに在籍していたこともある。当時は忌野清志郎がオルガンを弾くこともあったので、曲によってはザ・バンド風キーボードの絡みも聴くことができた(公式音源は存在しないが)。その佐山が目前でプレイしているというだけで興奮を抑えきれない。演目ではロシアの作曲家、カプースチンのピアノ曲「8つのエチュード 第一番」が圧巻だった。本田のサックスでメロディーがプレイされると、まるでブレッカー・ブラザーズのナンバーのように響くのが痛快。佐山のピアニカがお茶目な「キラキラ星変奏曲」も“リクライニング・ジャズ”ならではの趣向だった。(原田 和典)

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「ミュージカル ワンダフル・タウン」 10月23日 青山劇場
 レナード・バーンスタインが『ウェスト・サイド・ストーリー』に先立つこと5年、1953年に発表したヒット・ミュージカル『ワンダフル・タウン』は、不思議なことにアメリカで再演されず、日本ではこれが初演。その初日を観た。舞台は1930年代のニューヨークはグリニッチヴィレッジ。様々な人種の人々が夢を追って町を形成している。オハイオからやってきた作家志望のルース(安蘭けい)と女優志望のアイリーン(大和田美帆)の姉妹、副編集長のベイカー(別所哲也)といった主役が中心で物語は展開するが、ミュージカルはタフで未来と愛を信じる住人と町自身がテーマといってもいい。クラシックとジャズを基調に、みんな底抜けに明るく、躍動感あふれる好メロディーとスウィングやラテンのリズム、ダンスが次々に飛び出してくる楽しさは、最高のエンターテイメントとなっている。一聴分かりやすい音楽なのだが、音楽性の高いバーンスタインはコード進行や変拍子が多く、歌っている方は覚えるのが難しいと出演者たちは言っていた。いずれも人物像をクリアに表現した好演で、初日なのに、ドタバタ喜劇を今一歩で抑えた見事な舞台は、高く評価される。演出は萩田浩一。(鈴木 道子)
写真:(C)薈田純一

Popular CONCERT Review

「ユーライア・ヒープ」 10月24日 CLUB CITTA’
 ワウを多用した独特のサウンドとフレーズ、そして見た目に楽しいフィンガリングのミック・ボックスのギター、新メンバーのギル・ブロックのハード・ビート・ドラムに対し、ここ一発でキメのフレーズをたたみ込むトレーバー・ホルダーのベース、可憐な演奏で魅了するキーボードのフィル・ランゾン、元気いっぱいで飛び回るヴォーカルのバーニー・ショー、この40周年を迎えたブリティッシュ・ロックの老舗ユーライア・ヒープのメンバーに、ホワイト・スネイクのギタリスト/ミッキー・ムーディの見事なスライド・ギターを加えたライヴは、名盤『悪魔と魔法使い』の完全再現に加え、「対自核」「七月の朝」等デビット・バイロン時代の名曲により全盛期を彷彿させるものだった。バーニー・ショーが、モニター用のイヤホンを外した瞬間会場は一体となり、最高潮のまま「レディ・イン・ブラック」で幕を閉じた。いつまでも現役を続けて欲しいバンドである。(上田 和秀)
写真:Yuki Kuroyanagi

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「エリック・ルイス」 10月28日 Blue Note TOKYO 
 「私の演奏しているのは“ロックジャズ”なんだ。ジャズのインプロヴィゼーション(即興演奏)とハリウッド映画のエキサイトメントを加えながら、ロック・ソングをプレイするんだよ」。そう豪語するピアニスト、エリック・ルイスが無伴奏ソロ・アルバム『ROCKJAZZ VOL.1』の世界を日本で初めてライヴで披露した。両手ひじに銀のサポー ターをしてステージに登場した彼の精悍な表情は、まるで格闘家のよう。椅子を使わず、右足を前に出して折り曲げ、左足を後ろに伸ばしながら、鍵盤に覆いかぶさるようにピアノを弾くスタイルは前代未聞といえよう。「黒くぬれ!」ではピアノの弦に紙を挟んで琴のような音を出し、「ヒューマン・ネイチャー」では弦をミュートしてエレクトリック・ギターのカッティングのような効果を出していた。ラストは「スメルズ・ライク・ティーン・スピリット」で大爆発、握手攻めにあいながらステージを去った。(原田 和典) 
写真:グレート・ザ・歌舞伎町


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「沢田研二 2010ライヴ 秋の大運動会・涙色の空」 10月29日 渋谷C.C.Lemonホール
 還暦を2年過ぎた男が、これだけのライヴをやる。曲間はほとんどMCなしの24曲。ヴォーカルの圧倒的な通りかた、存在感がまず、凄かった。注目は編曲で、特に下山淳、柴山和彦の両ギターが、往年のデヴィッド・ボウイ・バンドを彷彿とさせる出来。カルロス・アルマーとエドリアン・ブリューというコンビ、いやエドリアンより、チャーリー・セクストンな感じなのだが。下山淳=チャーリー、柴山=カルロス、という感じで、ふたりの熟練したロック把握が、ジュリー・バンドを完全にロック・バンドとして展開させていたことが印象的だ。そして近年、屋台骨であるグレイスのドラムもますます安定している。拙詞「ポラロイドGIRL」(89年作)はアンコール演奏だったが、そのように、さりげなく編曲が渋いロックンロール化していることに、本当に頭が下がった。(サエキ けんぞう


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「ルシア塩満アルパ・アコースティック・コンサート」 10月31日 東京文化会館小ホール
 アルパの繊細でしかもダイナミックな響きには、いつもながらある種の驚きと感動をもって聴き入ってしまう。演奏活動開始から35年を迎えたルシア塩満は、いつになく第一人者としての風格を強く印象付けた。とりわけ自らが手ほどきした日本人女性アルパ奏者8人からなる“ラス・カンパーナス”との共演がその思いを確信に変えた。いまは指導者としてあるいは演奏家として活動する各メンバーたち。ルシアを取り巻くように並んでの「カスカーダ」は一糸乱れぬ、まさに滝のような音圧さえ感じさせる。日本人リスナーの情感にマッチした南米特有の旋律と、アコースティック楽器の持つ普遍的な響きが融合した、すばらしいコンサートだった。(三塚 博)
写真:綿貫宏


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「ギンザ・インターナショナル・ジャズ・フェスティバル 2010」10月31日 ヤマハ銀座ビル  11月1日 銀座山野楽器本店 
 第6回を迎えた《銀座IJF》は一昨年までの2日間から5日間開催に拡大。国内外から11組のアーティストが集い、同地区複数の会場でフリー・ライヴを行った。今年新装オープンしたヤマハの1Fポータルには、邦人女性歌手TOYONOがトリオを率いて出演。本場仕込みのポルトガル語歌唱が高い評価を得ている魅力は、ボサノバの名曲「イパネマの娘」のみならず、12月発売の新作『アクアレーラ』収録の仏語曲「さよならを教えて」やスペイン語曲「ディフェレンテ」でも存分に発揮された。ギター+アコーディオン+パーカッションというユニークな編成と合わせて、ブラジルとヨーロッパをブレンドした独自の世界を満喫した。米国の若手ジャズ歌手ヘイリー・ロレンはカルテットをバックに、「青い影」「朝日のようにさわやかに」等の名曲をカヴァー。吐息混じりの歌声と清潔感のあるステージマナーで観客を魅了した。(杉田 宏樹)
写真:(C)GIJF2010 Photo : Masanori Doi


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「ブルース・ブラザーズ・バンド」 11月5日 Billboard Live TOKYO
 映画でもおなじみ、そして何より60年代ソウル・サウンドを見事に披露してくれるブルース・ブラザーズ・バンド。リーダーはブッカーT&MGsのメンバーでオ―ティス・レディングを盛り上げたあの伝説のギタリスト、スティーヴ・クロッパ―。彼は忌野清志郎とも共演している。そんなスティーヴを中心にエンタテインメントもしっかりフィーチャーさせながら「GREEN ONIONS」「SOUL FINGER」「KNOCK ON WOOD」・・・「SWEET HOME CHICAGO」もライド・オン!僕の観た回にはルー・リードやドゥービー・ブラザーズとの交流でも知られるニューヨーク出身で90年代からジャズマンとして日本で活動しているポール・フライシャーがゲスト参加。アンコールの「SOUL MAN」には観客もジョイントしてのダンス・パーティー!(Mike. M.Koshitani)
写真:acane


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「日向由子 ミルバを歌う」 11月7日 原宿 La Donna
 カンツォーネ、映画音楽からクラシックまで、素晴らしい歌声で多くのファンを魅了する日向由子の新たなるチャレンジ・ライヴ“ミルバを歌う”。彼女が最初に魅かれたのはミルバだった、そんな憧れのアーティストの作品をこの日はどんどんと熱唱していく。「ラ・カリッファ」からスタート、サンレモ音楽祭入賞曲「タンゴ・イタリア−ノ」「リコルダ」とミルバの世界に入っていく。彼女はカンツォーネだけでなく、シャンソンからミュージカル、オペラとその活躍ぶりは目を見張るものがあったが、日向はエディット・ピアフ代表作(ミルバも歌っている)「ミロール」を日本語&イタリア語で堪能させてくれた。そして後半での「愛遙かに」「カルーソ」といった楽曲で改めて歌手としての実力をしっかりとみせつけたのだった。会場にはピアニスト/文筆家の青柳いづみこ氏、そして日向の大ファンだという「好きよキャプテン」のザ・リリーズもかけつけていた。(三塚 博)
写真:Suzuki Shu


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「ソウル&ビートユニット“天地人” スペシャル・ゲスト:山本恭司」 11月10日 COTTON CLUB
 元オフコースのドラマー大間ジロー/津軽三味線の黒澤博幸、和太鼓の女性奏者・大沢しのぶの“天地人”ヨーロッパでも人気だ。彼らのこの日のLIVEのゲストはBOWWOWの山本恭司(ギター)。アンコールも含めて10曲中、4曲で恭司がジョイント。彼のレイテスト・アルバムから「ALONE」がまず登場、「じょんがら即興演奏」(KUROSAWA & YAMAMOTO)で恭司はアコースティック・ギター。三味線とのバトルがロックな世界を作り上げる。そしてプログレッシヴ・ロックな味わいさえ感じさせた「千秋の焔」。オリジナルの「HUMAN BEING」も見事な出来映えだった。音楽の懐の深さをダイレクトに感じさせた感激のLIVEだった!(Mike M. Kositani)
写真:TOSHIO・F・DANIEL


Popular CONCERT Review

「フィリップ・ベイリー・オブ・アース・ウィンド&ファイアー」 11月11日   Blue Note TOKYO
 あの・・・アース・ウィンド&ファイアーのフィリップ・ベイリーをクラブで聴ける、高校時代からディスコに通い「宇宙のファンタジー」「セプテンバー」で踊っていた“ちょっと不良”としては、たまらない夜だった。派手な衣装も演出もない、ホーン・セクションもいないが、ヴォーカリストとしてのフィリップの素晴らしさが堪能できた。信じられないファルセットだけでなく、低い声も絶品、そして、そのつながりのなめらかさは神業のよう。すごいステージを観たなと嬉しくなった。「ファルセットを出すときはイヤモニを外すのか」などと細かいところまでわかるのもクラブならではの楽しみ。ナット・キング・コールやハービー・ハンコックのジャズ・ナンバーから、「セプテンバー」「宇宙のファンタジー」「イージーラバー」などのヒット曲が続き、あっという間に時間はたち、後半Blue Noteはディスコのダンス・フロアーに変身した。バックも息子のフィリップ・ベイリー・ジュニア、マイケル・ジャクソンの「This is It」にも参加していたベーシスト、モーリス・モー・プレジャーなど素晴らしいライン・アップだった。(鈴木 修一)
写真:グレート・ザ・歌舞伎町


Popular CONCERT Review

「ホセ・ジェイムズ & ジェッフ・ニーヴ」 11月11日 COTTON CLUB
 ジョン・コルトレーンとジョニー・ハートマンのインパルスの名盤を意識したと思われるベルギーのピアニスト、ジェッフ・ニーヴとのデュオによる新作『For All We Know』で注目を集めるシンガー、ホセ・ジェイムズのステージ。アイルランド系の母とパナマ人の父を持つホセは長身でハンサム、ジェッフとはテレビで共演「Lush Life」をデュオで歌って意気投合、すぐにスタジオへ入って作ったアルバムが『For All〜』だったと説明の後、前半はアルバムの順番通りに「Autumn In New York」「Embraceable You」「 Gee Baby Ain’t I Good To You」をマイクに囁くように歌う。コンサート・ホール・スタイルの大きなスタインウェイのグランド・ピアノを弾くジェフの色彩豊かなピアノとモノクローム的な感じのホセの歌の対比が効果的だ。「Never let Me Go」「Body And Soul」のメドレーの後「Lush Life」でのジェフのピアノ、ホセの歌は、この晩のハイライトだった。ジョー・ウイリアムスに捧げる「Everyday I Have The Blues」、レイ・チャ―ルスの「Georgia On My Mind」、そしてアンコールはエリントンの「Just Squeeze Me」だった。ショー・アップする為か、1曲ごとに静かな囁きから次第に大袈裟にシャウトする場面をいれていたが、構成がワン・パターンでデュオ・コンサートの難しさを感じた。(高田 敬三)
写真提供:COTTON CLUB 撮影:米田泰久


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「ハパ Japan Tour 2010“Malihini”」 11月12日   Bunkamura オーチャードホール
 何回も観ているハパのステージだが、今回がもっとも良かった!今更だが、大人になったというのか、ステージすべてが優しさに包まれて調和していたように思えた。バリー・フラナガンとネイサン・アウェアウとのコンビは8年ほどの期間を経て最高の状態なのかもしれない。バリーのギターテクニックは円熟味を増し、変わらず素晴らしいが、以前ほど派手なパフォーマンスをしなくなった。このあたりも心境の変化なのだろうか? ネイサンのバッキングが欠かせないのは言うまでもない。こんなにギターと歌がうまいデュオは世界を見渡してもそうはいないのではないだろうか。久々のアルバム『Malihini』もリリースし、これからのふたりの活動から目が離せない。彼らのライヴに欠かせないチャンターのチャールズ・カウプ、フラダンサーのピイラニ・クライン、サラ・カマレイ・ノイルもステージを華やかにしてくれていた。驚いたのはバリーの日本語がビックリするほど上手になっていたこと。ほとんどMCを日本語でこなしていた。(鈴木 修一)
写真:Suzuki Shu


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「スイング・アウト・シスター」 11月15日  Billboard Live TOKYO
 ほぼ満席の客席はカップルがほとんど。年齢層も幅広くスイング・アウト・シスターの日本での人気がわかる。ヴォーカルのコリーン・ドリューリーは、変わらずにスレンダーでオシャレだ。オープニングのイントロからスタイリッシュな世界に引き込まれていく。このグループをジャンル分けするのは難しい、ジャズっぽくあるが、ポップ、だけれどラテンの気配も感じられて、どこか退廃的。観ていて分からなくなるが、とにかくおしゃれ感全開で気持ちが良くなるライヴだった。アンコールで歌った大ヒット曲「ブレイクアウト」は、エンディングで童謡「浦島太郎」がフューチャーされた粋なアレンジになっていた。懐かしい気持ちで聴きに行ったが、今が旬に思われるほど良いステージ。ギターのティム・キャンスフィールドは地味だけれど素晴らしかった。(鈴木 修一)
写真:acane


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「デヴィッド T.ウォーカー」
 12月8日にアルバム『For all Time』をリリースするデヴィッド T.ウォーカーがBillboard Liveにやってくる。7月にはマリーナ・ショウのバックとして来日しているが、今回は待望のソロ・ライヴ。60年代初期からバッキング・ギタリストとして活躍し、黄金期のモータウン・サウンドを支えた。マーヴィン・ゲイ、ジャクソン5、スティーヴィー・ワンダーなどの名盤と呼ばれる作品には必ず彼の名がクレジットされていた。優しいタッチと切れの良いグルーブ、華麗なオブリガードは、多くのギタリストにリスペクトされている。日本の多くのアーティストとも交流があり、ドリームズ・カム・トゥルー、スマップなどの作品やライヴにも参加している。70歳に成ろうとするゴールド・フィンガーは、どんな美しい音を聴かせてくれるのか楽しみだ。(SS)
*12月10日 Billboard Live OSAKA  2回公演
お問い合わせ:(06)6342-7722
http://www.billboard-live.com/
*12月11日 12日 Billboard Live TOKYO  2回公演
お問い合わせ:(03)3405-1133
http://www.billboard-live.com/


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「≪ロックをころがせ!STONES NITE!!Vol.3≫ Happy Happy Birthday KEITH!」
 ストーンズのキース・リチヤ―ズ・バースディ・パーティー・ライヴ・イン・ジャパン。出演はストーンズ・トリビュート・バンド、THE BEGGARS。キース・ソングスをフィーチャー!そして、キースのX-ペンシヴ・ワイノウズを再現してくれるのは筌尾正が率いるX-Rayted Movies!トーク・ショーで40年前にストーンズに単独インタビューした元「ミュージック・ライフ」編集長の星加ルミ子が登場。ポール岡田(元カーナビーツ)、チャック近藤(ビートルズ・アナリスト)、ブライアソ健雄ジョーソズ(Jajouka)も出演が決定した。(MT)
*12月18日 吉祥寺ROCK JOINT GB 
お問い合わせ:(0422)23-3091
http://www.rock-gb.com/


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「クリストファー・クロス」
 AORの大物が次々に来日しているが、ミスター・フラミンゴことクリストファー・クロスもやってくる。1979年フラミンゴのイラストが印象的なアルバム『南から来た男』で彗星のように現れ、80年のグラミー賞5部門を獲得した。美しいハイトーンボイスは天使の歌声と言われAORを代表するアーティストとなった。しかし、彼は素顔を見せることがなかった。初めて、彼が顔を見せたのはデビュー3年後のセカンド・アルバムがリリースされた時だった。ルックスと歌声にギャップがあるためにファンが逃げるのを恐れたなどと噂された。その容姿の判断はさておき、その音楽、歌声はクオリティーが高く美しい。「セイリング」「ニューヨーク・シティ・セレナーデ」「風立ちぬ」が聴けるかと思うと今からわくわくする。(SS)
*1月4日 5日 NAGOYA Blue Note 2回公演
お問い合わせ:(052)961-6311  
http://www.nagoya-bluenote.com/
*1月7日〜10日 Blue Note TOKYO  2回公演
お問い合わせ:(03)5485-0088  
http://www.bluenote.co.jp/
*1月12日 COTTON CLUB 2回公演
お問い合わせ:(03)3215-1555  
http://www.cottonclubjapan.co.jp/
*1月13日 Motion Blue YOKOHAMA 2回公演
お問い合わせ:(045)226-1919  
http://www.motionblue.co.jp/


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「ベンチャーズ」
 ベンチャーズの真冬ヴァージョン、もうすっかり定着。正月公演のギターはノーキー・エドワーズ。60年代からのファンには、ノーキー参加のグループ編成により親密感を覚えるかもしれない。クラブ(ライヴ・ハウス)中心のツアーだけに、彼らのギター演奏をぐっと近いところで味わえるのも大きな魅力だ。それにしてもすごい、今回はベンチャーズの61回目の来日なのだ、ドン・ウィルソンはもちろんその数61。そして、短期間来日の冬でも今回17回のステージが予定されている(ちなみにライヴ・イン・ジャパンの正確な数はいくつになるのだろう・・・初来日は62年)。ウィンター・テケテケ、ファンは暑くなる!(MK)
*1月6日 7日 8日  Billboard Live OSAKA  2回公演
お問い合わせ:(06)6342-7722
http://www.billboard-live.com/
*1月9日 10日 NAGOYA Blue Note 2回公演
お問い合わせ:(052)961-6311  
http://www.nagoya-bluenote.com/
*1月12日  Billboard Live TOKYO  2回公演
お問い合わせ:(03)3405-1133
http://www.billboard-live.com/
*1月13日  札幌市民ホール
お問い合わせ:(011)221-0144   
http://www.kyodo-sapporo.com/
*1月15日 16日 STB139  2回公演
お問い合わせ:(03)03-5453-8899   
http://www.mandicompany.co.jp/


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「マッコイ・タイナー」
 ジャズ史に残るバラード名盤『ジョン・コルトレーン&ジョニー・ハートマン』(1963年)。サックス奏者コルトレーンのバンドに、低音の魅力で売った歌手のハートマンが参加した同作は、「ジャズ・バンドとヴォーカリストの最も幸せな出会い」と評されている。来る1月、その参加メンバー中、唯一の生存者であるマッコイ・タイナー(ピアノ)が、アルバムの世界を約半世紀ぶりに蘇らせることになった。サックス奏者にはエリック・アレキサンダーが抜擢され、ヴォーカルは「最も尊敬するミュージシャンはコルトレーン」と豪語してやまないホセ・ジェイムズが担当。バラードへの愛、コルトレーンへの追慕に満ちたライヴになることは間違いない。(KH)
*1月8日 NAGOYA Blue Note 2回公演
お問い合わせ:(052)961-6311
http://www.nagoya-bluenote.com/index.html
*1月9日 10日 COTTON CLUB 2回公演  
お問い合わせ:(03)3215-1555
http://www.cottonclubjapan.co.jp/jp/index.html
*1月13日〜16日 Blue Note TOKYO  2回公演
お問い合わ:(03)5485-0088 
http://www.bluenote.co.jp/


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「ジョージ・クリントン & Parliament / Funkadelic」
 Pファンクの教祖、ジョージ・クリントンがやってくる。2009年「東京ジャズ」で来日したが、テレビ放送の影響なのか消化不良のステージだった。たしか、ホーン・セクションも参加していなかったと記憶している。しかし、今回はそのとき以上22名のメンバーが来日予定、ホーン・セクションも加わる。Billboard Liveのステージに全員が立って演奏しているシーンは楽しみ。ワイルドなステージングとファンキーな演奏を間近で観られるかと思うと今から興奮する。ジョージ・クリントン御大も70歳。いつもこれが最後の来日と言われるが、これが本当に最後に成る可能性もある。彼らのステージは体調を管理し、何が起きても驚かない!そんな心がけで出かけよう。見逃してはいけない。(SS)
*1月21日 22日 Billboard Live TOKYO  2回公演
お問い合わせ:(03)3405-1133
http://www.billboard-live.com/
*1月24日  Billboard Live OSAKA  2回公演
お問い合わせ:(06)6342-7722
http://www.billboard-live.com/


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「ジャニス・イアン」
 1966年、14歳の時に書いた「ソサエティーズ・チャイルド」がチャート・インして天才少女と騒がれデビューしたジャニス・イアン。その後、しばらくブランクがあったが74年に復帰。75年に「17才の頃」が大ヒット、日本でも多くのファンを獲得した。シンプルで美しいメロディーに女性ならではの心情を描いた歌詞が多く共感を得た。彼女の影響を受けたと語る日本の女性アーティストも多い。「恋は盲目」「ウィル・ユー・ダンス」「ユー・アー・ラブ」など、なぜか彼女の曲はドラマ、映画、CMで使われることが多く、時代を超えて話題になっている。普遍的なメッセージと、誰からも共感を得る事ができるメロディー。彼女の曲はいつ聴いても心に染みてくる。(SS)
*1月21日 22日  Billboard Live OSAKA  2回公演
お問い合わせ:(06)6342-7722
http://www.billboard-live.com/
*1月27日 28日 29日 Billboard Live TOKYO  2回公演
お問い合わせ:(03)3405-1133
http://www.billboard-live.com/


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「アール・クルー」
 フュージョン・ギタリストの巨匠がやってくる。前回は、ボブ・ジェームスとのセッションだったが、今回は自らのグループを率いてのライヴとなる。1970年後半から80年代、おしゃれな音楽として日本でもドライブ・ミュージック、ナイト・ミュージックとして大人気を博し、フュージョンを認知させた。アコースティック中心のギターはメロディー・ラインとコードがバランス良く表現され、ギターを弾くというより、ギターを鳴らすという表現が合うように思う。美しいハーモナイズは、天下一品だ。気持ちの良いギターを聞きたい方にはお奨めのライヴになるはずだ。(SS)
*1月26日〜29日 Blue Note TOKYO 2回公演
お問い合わせ:(03)5485-0088  
http://www.bluenote.co.jp/
*1月31日 COTTON CLUB 2回公演
お問い合わせ:(03)3215-1555  
http://www.cottonclubjapan.co.jp/


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「≪レジェンド・ロッカーズ vol.2 夢のライヴ&バトル≫ROCK AND A HARD PLACE!」
 「ジャパニーズ・ロック・インタビュー集」発売を記念してのスペシャル・イベントの第2弾!山本恭司が率いるBOWWOWが2011年ファーストLIVE!
 そしてこの日限りのスペシャル・グループ、加納秀人(外道)・山本恭司(BOWWOW)・鮫島秀樹・つのだ☆ひろ・厚見玲衣(元VOWWOW)から成るザ・レジェンド・ロッカーズ!!
 この2グループがロックなステージをROCK JOINT GBでくりひろげる。そして、出演者たちのトーク・ライヴも!特別ゲストは?!60〜70年代ロック・ファンからギター小僧まで、このスペシャルなライヴは見逃せない。(HM)
*1月29日(土)  吉祥寺ROCK JOINT GB 
お問い合わせ:(0422)23-309 1
http://www.rock-gb.com/


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「SOIL& "PIMP" SESSIONS」
 日本のジャズ・シーンで異彩を放つ6人組。野外フェスなどで本領を発揮するワイルドな演奏は、一度聴いたら虜になる。ジャンルにとらわれることのない自由な音楽は世界的にも評価され、2006年モントルー・ジャズ・フェスティバル、2007年グラストンベリー・ロック・フェスティバルにも出演している。日本の音楽シーンに風穴を開けてくれる力を持っているのではないかと期待してしまうバンドである。メンバーの元晴はMPCJにも縁のあるプレーヤー。応援に力も入る。おしゃれなBillboard Liveをワイルドに変えてくれるはずだ。(SS)
*1月30日 Billboard Live TOKYO  2回公演
お問い合わせ:(03)3405-1133
http://www.billboard-live.com/
*2月5日 Billboard Live OSAKA  2回公演
お問い合わせ:(06)6342-7722
http://www.billboard-live.com/


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「イーグルス」
 結成40周年を迎えたアメリカン・ロックの雄イーグルスの7年振りとなる来日公演が決定した。来日メンバーは、グレン・フライ、ドン・ヘンリー、ジョー・ウォルシュ、ティモシー・B・シュミットという最強の布陣だ。このメンバーに、総勢100名を越すツアー・スタッフを伴い、バンド史上最大のメモリアル・ドーム・ツアーを開催する。ロックの頂点を極めた名曲「ホテル・カリフォルニア」、映画『十三人の刺客』の主題歌となった名曲「デスパレード」等、時代を超えて親しまれてきた名曲の数々を思う存分に楽しみたい。(UK)
*3月1日  京セラドーム大阪 
*3月3日  ナゴヤドーム 
*3月5日 6日  東京ドーム 
お問い合せ:ウドー音楽事務所 (03)3402-5999
http://udo.jp/


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「MR.BIG」
 世界中を歓喜の渦に巻きこんだオリジナル・メンバーによる再結成ツアーから2年、14年振りとなるスタジオ・オリジナル・アルバム『ホワット・イフ・・・』(WHDエンタテインメント)をひっさげ、スーパー・テクニカル・バンドMR.BIGの日本凱旋公演が決定した。勿論「アライヴ・アンド・キッキン」「トゥ・ビー・ウィズ・ユー」「テイク・カヴァー」等のヒット曲も楽しみだが、今回は新作をかかげながらどんなパフォーマンスを披露してくれるのか本当に楽しみだ。(UK)
*4月 7日 大阪城ホール 
*4月 9日 金沢歌劇座 
*4月11日 福岡市民会館 
*4月12日 広島ALSOKホール 
*4月14日 愛知県芸術劇場大ホール 
*4月15日 岩手県民会館大ホール 
*4月17日 ニトリ文化ホール 
*4月19日 秋田県民会館 
*4月20日 Zepp Sendai 
*4月22日 パシフィコ横浜 
*4月25日 日本武道館 
お問い合せ:ウドー音楽事務所 (03)3402-5999
http://udo.jp/





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