「ガーシュイン・ソングブック/シェリル・ベンティン」(キングレコード/KICJ-604)
マンハッタン・トランスファーの一員と言う必要のないほどソロ歌手としても有名なシェリル・ベンティンは、着実に好アルバムを出し続けているが、今回はアメリカが誇るガーシュインに挑戦した。それもあまり遊ばず、真っ向から取り組んでいる。さすがベテラン、歌いなれているのだろう、安定感がある。「サマータイム」はマイルス・デイヴィスのために書かれたギル・エヴァンスの編曲を基に、シェリルはマイルスのパートを再現して味わいがある。「ザ・マン・アイ・ラ」は快いリズムに乗って快唱。ケン・ペプロスキー(cl)、ラリー・クーンス(g)のソロもいい。けれん味がないだけでなく、丁寧に歌っている曲が多いのも好感を覚える。(鈴木 道子)
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