「草原の輝き/ピンク・マティーニ」(ユニバーサルミュージック/UCCU-1263)
ピンク・マティーニはピアニスト、トーマス・M・ローダーデール率いる12人のバンド。歌手にチャイナ・ローブスがいる。ローダーデールは政治家志望だったが、政治集会に気の利いた音楽がないことから、自分たちでグローバルな音楽を取り入れたオーケストラを作った。本拠地はオレゴン州ポートランド。1940〜50年代のハリウッド映画にインスパイアされたといい、ボレロなどラテンもあり、英語、フランス語、スペイン語、ボーナス・トラックでは日本の歌謡曲も歌っている。アメリカより先にヨーロッパで人気が出たというのもうなづける。「シング」、ジム・ウェッブ風の「草原の輝き」等70年代のアメリカを思わせ、20年代風の「ビティ・ボッピー・ベティ」はじめ全面に流れる洒落たレトロ風味が何ともいえない味わいだ。(鈴木 道子)
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