2010年1月 

 
Popular ALBUM Review

デラックス・
エディション



通常版
「グッド・イヴニング・ニューヨーク・シティ〜ベスト・ヒッツ・ライヴ/ポール・マッカートニー」(ユニバーサルミュージック/UCCO-9880=デラックス・エディションCD+DVD  UCCO-3015=通常版)
 ポール・マッカートニーが2009年7月17日、18日、21日にニューヨークのシティ・フィールド(シェイ・スタジアムに替わるニューヨーク・メッツの本拠地)で行なった公演の模様を収めた2枚組ライヴ盤。ポールのライヴで初登場の「デイ・トリッパー」、ビートルズのシェイ・スタジアム公演でも演奏した曲「アイム・ダウン」、ビリー・ジョエルが参加した「アイ・ソー・ハー・スタンディング・ゼア」など全33トラックを収録。ライヴCD+DVDのデラックス盤には、さらにボーナスDVDが追加され、この公演に先がけてテレビ番組『レイト・ショウ・ウィズ・デヴィッド・レターマン』に出演した7月15日、エド・サリヴァン・シアターのひさしの上で披露した≪屋上ライヴ≫7曲すべてなども収録。噂される日本公演への期待をふくらませてくれる仕上がりだ。(広田 寛治)

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「ドリーミン・マン・ライヴ '92/ニール・ヤング」
(ワーナーミュージック・ジャパン/WPCR-13755)
 アーカイヴス・パフォーマンス・シリーズの12枚目として届けられたのは、1992年秋のアコースティック・ワンマン・ライヴ。「ロッキン・イン・ザ・フリー・ワールド」を収めた89年の『フリーダム』で復活を印象づけたニールは、90年代の初頭、クレイジー・ホースと組んだ『ラグド・グローリー』と『ウェルド』(2枚組轟音ライヴ)を相次いで発表し、あらためてその強烈な存在感を示した。しかしその後は、聴覚機能を休息させるためという目的もあったそうだが、あの『ハーヴェスト・ムーン』でぐっとペースと音量を落としている。その時期に収録されたひたりきりのライヴ。凡人としては、喜びつつも、「今なぜ?」と思ってしまったのだが、きっと深い意味があるはずで、それを理解するにはまだ時間が必要なのかもしれない。(大友 博)


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「ソウルブック/ロッド・スチュワート」
(ソニー・ミュージック ジャパン インターナショナル/SICP-2504)
 スタンダード集4枚に続いてロック・クラシックス集も出すなど≪名曲カヴァー・シリーズ≫で新たな人気を呼んでいるロッドの今作はついにソウルの名曲集。とはいえソウル曲はこれまでにもさんざんカヴァーしており「何を今さら」とも思ったのだが聴いてみてこれまた納得。R&B好きを強調するというよりも同シリーズの流れを受けてポップスの名曲を取り上げるような感覚でオリジナルとはまた異なった独自の味わいと風格を打ち出しているのが聴きもの。中でもお得意?のサム・クック「ワンダフル・ワールド」はメンフィス・ソウル風でかなりキメ込んでいるのはさすが♪個人的にはフィリー・ソウルの大御所ジェリー・バトラーを2曲(日英のボーナス曲)も取り上げてくれたのは誠に嬉しい限り♪(上柴 とおる)

アメリカン・ソングブック4枚、ロック・クラシック1枚につづいてロッドから届けられたのは、問答無用のソウル名曲集。最近のTVCMではないが「やっぱりそうきましたか」だ。オリジナル・ライナーにはロッド自身の「いつかはつくりたいとずっと思いつづけてきた作品」という言葉が紹介されている。まさにそのとおりなのだろう。選曲が当たり前すぎるような気がしないでもにないが、聴きながら「踊ったり、愛しあったり、泣いたり」した曲や、憧れつづけてきた「神」のような人たちの曲を、心をこめてセレクションしたものだという。60代半ばに達したロッドの、きわめて素直で正直な原点探求ということなのだろう。ただし、ロックの時もそうだったが、文句なしに受け入れられる曲と、「このアプローチはいかがなものか」と思ってしまう曲の差が大きいような気がした。もっとも、それがロッドらしさなのかもしれないけれど。(大友 博)

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「The Live Anthology/Tom Petty & Heartbreakers」
(Reprise/ RPRW5127652) *輸入盤

 直近のものでは2007年秋収録のテイクまで、約30年にわたるライヴ・バンドとしての歩みをまとめた4枚組アンソロジー(5CD+2DVDにアナログ盤、ブルーレイ・オーディオをプラスしたデラックス・ヴァージョンも限定発売されている)。「ハートブレイカーズはライヴ・バンドだ。普通、バンドの歴史はスタジオ録音盤の流れで語られる。でも、僕らはそれ以上の時間をステージの上で過ごしてきた」とトム自身がライナーノーツに書いているのだが、その言葉どおり、膨大な量のマテリアルをじっくりと聴き込み、楽しみながら選曲し、ライヴを大切にしてきたバンドとしての誇りを示したアンソロジーといえるだろう。時代順に曲を並べるのではなく、自分たちの気分で構成を決めたというのも彼ららしい。もちろん直しやオーヴァーダブは一切していないそうだ。12分に及ぶ「イッツ・グッド・トゥ・ビー・キング」からは、とりわけ強く、彼らの想いが伝わってきた。(大友 博)

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「ハヴ・ギター,ウィル・トラヴェル/ジョー・ペリー」
(ソニー・ミュージック ジャパン インターナショナル/SICP-2548)
 
エアロスミスのギタリスト、ジョー・ペリーの久しぶりのソロ・アルバム。ヴォーカリストとして参加しているのは、ハーゲンというまったく素人のドイツ人。ジョーの妻、ビリーがYouTubeで偶然発見し、ジョー自身もその歌声に惚れ込んで直接コンタクトを取ったという。スティーヴン・タイラーと比べるとライト級だが、だからこそのポップな魅力がアルバム全体に醸し出されている。日本盤ボーナス・トラックには、エアロの名曲「ドリーム・オン」のレゲエ・カヴァーと、ビートルズの「レヴォリューション」のカヴァーを収録。と、話題満載だが、もちろん弾(はじ)けるジョーのギターが一番の聴きものだ。(細川 真平)

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「マイ・クリスマス/アンドレア・ボチェッリ」
(ユニバーサルミュージック/UCCS-9027=初回限定盤)

 美しいボチェッリのクリスマス・アルバムはデヴィッド・フォスターのプロデュース。オペラ歌手が本業のボチェッリだが、美声をポップに変えて、聞き慣れた曲も新鮮にロマンティックに聴かせる。いきなり「ホワイト・クリスマス」で魅了し、軽薄なものが多い「サンタが街にやってくる」などはバリトンかと思われるいい声で楽しい。ナタリー・コールとのデュエット「ザ・クリスマス・ソング」も和やか。オペラティックに歌われる「神の御子は今宵しも」はきらびやかで堂々たるもの。前作のイタリアものがややばらつきがあったのと違い、どの曲も素晴らしい出来映え。今シーズンの本命に推したい。(鈴木 道子)

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通常盤
限定盤
「エレメント・オブ・フリーダム/アリシア・キーズ」(ソニー・ミュージック ジャパン インターナショナル/SICP-2462=通常盤 SICP-2583〜4=限定盤)
 「ノー・ワン」という大ヒット曲の誕生から2年が経った。ダンス・フロアではアンセムとして現在も≪ノー・ワン≫の大合唱が沸き起こる。そんな「ノー・ワン」超ロング・ヒット状況の中で今年9月、アリシアは新アルバム(本作)のリード・シングル「ダズント・ミーン・エニシング」をリリース。相変わらず、極めて質の高いコマーシャル・ソングを書き歌う彼女。さらに先日、ホイットニー・ヒューストンに「百万ドルの恋」を楽曲提供、彼女の復活劇に大きく貢献。28歳の美しい才女の快進撃は続く。DJとして、とても助かります。この新作でもジャンルを越えた彼女の新しい魅力と奥深い才能に遭遇するはず。(松本 みつぐ)

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「ライヴ・フロム・NYC/グルーヴ・コレクティヴ」
(HEI GLOBAL Entertainment/HEIG-0005

 1990年代にニューヨーク・クラブ・シーンから登場したジャズ・フュージョン・バンド。ジャズ、ファンク、ラテン、ヒップホップ、ロック、ハウスなどのエッセンスを取り込みながら、70年代後半に湧き上がったフュージョン・ムーヴメントとは異質の音世界、コンテンポラリー感、グルーヴ感を醸し出す。本企画は日本独自の企画だという。『ライヴ・フロム・NYC』のタイトル通り、ライヴ・テイクをコンパイルしたもので、実力派アーティストの集団であることを再認識させられるとともに、インプロヴィゼーションにしっかりと軸足をおいていることをあらためて確認できる。全8曲を収録しているが、トラックごとにさまざまな色合いがほどこされていて飽きさせないのも魅力だ。(三塚 博)

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「アナトミー・オブ・グルーヴ/ブラジリアン・グルーヴ・バンド」
(HEI GLOBAL Entertainment/HEIG-0006)

 リオ出身のサックス奏者レオ・ガンデルマン率いるグルーヴィー・ジャム・プロジェクト「ブラジリアン・グルーヴ・バンド」の初アルバム化。10年前にニューヨークで録音されながら未発表となっていたもので、ロンドンで良質のブラジル音楽をリリースし続けるFar Out Recordingsが復刻した。MPBとジャズとの融合を志向する当時としてはある種先鋭的なサウンドとも思われていたようだが、時が経ち、クラブ・シーンが光を当てた。リューベン・ウィルソンやグラント・グリーンJr.といった巨匠たちの参加を得ながらのジャズ・ファンクはむしろ懐かしさを感じさせる。ハモンド・オルガンやエレクトリック・ギターのグルーヴィなタッチ、歯切れのよいブラス・セクションのリフが、ブラジリアン・テイストのソフトでメロウな空気に包まれる。M9「Bananeira」(Joao Donato-Gilbert Gil)にこのプロジェクトのコンセプトが集約されているように聴こえる。(三塚 博)

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「シー・スマイルズ/スウィッシー」(プロダクション・デシネ/VSCD-9366)
 ネオアコ、ギター・ポップ、サバービア、フリーソウル、渋谷系。。。ま、そんな≪業界用語≫はこの際どっちゃでもよろしい。いや実に清々しく純真なアコースティック感覚のポップ・ミュージックに≪耳を奪われ≫た。す〜っと入り込んで来る歌唱に加えてメロディーがこれまた何とも愛らしい。プロフィールを見ると初期の北欧・カーディガンズ(なるほど!)や英国・サンデイズ(おぉ〜!)にも大きな影響を受けたという(納得♪)。スウィッシーはフィリピン生まれのオーストラリア育ちという女性シンガー/ソングライター。その後母国に戻り、昨年地元で吹き込んだのがこのデビュー・アルバム。FMラジオでオン・エアしたら事のほか反応が良くおかげで番組の好感度もアップ♪(上柴 とおる)

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「MODERN TIMES ROCK’N’ROLL/布袋寅泰」
(EMIミュージック・ジャパン/TOCT-26920)
 ジャパニーズ・ロッカー、布袋寅泰の新作はロックの名作カヴァー作品。エルヴィス・プレスリー、チャック・ベリーにはじまり、60年代以降の作品も次々に登場。ステッペン・フルフ、T・レックス、ブルース・スプリングスティーン、ロッド・スチュワート・・・、そしてストーンズ・ナンバー「悪魔を憐れむ歌」も収録されているのが嬉しい。こうした、スタンダードを大切にする気持ちを若いロック・ファンにこのアルバムで伝授。ライヴでどう展開していくのか、期待は膨らむ。(高見 展)

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「レジェンド・オブ・ロック/JIMISEN TOWNZEN MR.JIMMY」
(オーマガトキ/OMCA-1126)
 日本のロックがいつしか自然にJ-POPというようなものに変容していった中で、ぼくはいつも心のどこかに、これじゃないんだ、という気持ちを抱いて来た。それはきっと誤解を恐れずに言えば、世界基準のロック、Jではないワールド感覚のロックを期待していたのだ。そういうバンドやアーティストもいなくはないが、まだまだその数も勢いもマイナーだ。そんな折に出会ったのがこのアルバム。3組がそれぞれのサウンドを鳴らしている。それも大胆なコピーである。ジミ・ヘンドリックス、ザ・フー、レッド・ツェッペリン。しかし、その音の向こうに見えるのはぼくがずっと憧れ続けた永遠で無二のロックだ。そう言えば、みんな初めはコピーだった。この作品がその基本的な事実を改めて教えてくれた。ここから始めるのも悪くない。レジェンドに突き進もう。(大貫 憲章)

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「Nightfriend of ZOOBOMBS/ズボンズ」(DONUTS RECORDS/DOWA-10905)
 ストーンズを師と仰ぎパンクな姿勢でエクスプロージョンし続けるドン・マツオのズボンズ。結成してもう15年になる。そのグルーヴ感溢れるストレートで突っ走るサウンド、国内はもちろんだがアメリカやカナダでも多くのファンから注目されている。そんなズボンズが『SUPER FUBCY OF ズボンズ』『Let It Bomb』『Dirty Bomb』ほかこれまで発表してきたアルバムからのナンバー12曲をニュー・レコーディングして発表したのが本作。ドン・マツオはこう語ってくれた、これはズボンズのニュー・アルバムなのだ。彼らはブルースもしっかりリスペクトしている、アルバム最後の「DON'S Dream」なんてたまらない!(Miken M. Koshitani)

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「eyja(エイヤ)/原田知世」(EMIミュージック・ジャパン/TOCT6860)
 原田知世の2年振りのアルバムは日本とアイスランドというふたつの島国で録音し、タイトルの『eyja(エイヤ)』はアイスランド語で≪島≫を意味する。原田のウィスパー・ヴォイスがひらすら心地よく、サラリと聞き流してしまいそうだが、サウンドは細部までしっかりと練られ、グロッケンやオルゴールなどオーガニックな音の遊び心が楽しい。ソングライターは細野晴臣や大貫妙子らに加 え、アイスランドからはムームとビョークのコラボレーターであるヴァルゲイル・シグルズソンが参加。個性派揃いであり、特にアイスランド勢のメロディーやアレンジは異色だが、妖精のような原田の歌とプロデューサーの伊藤ゴローが上手に統一感を作っている。本作の世界をどうステージで展開するのか、来年のツアーが楽しみだ。(小倉 悠加)

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「プロジェクト・アンサー with 菊田俊介」(Yotsuba Records/BCSSPA-1)
 PROJECT ANSWERは、ギターの松岡裕樹を中心に、地元では人気のあるシンガー/ソングライターのSHINOをヴォーカルに迎えた栃木県出身のミュージシャン達によって作られたロック・グループだ。やはり地元で精力的に作品を発表しているYotsuba Recordsからの第一弾が本作。小生も、4曲全てにギターで参加させてもらっている。アコースティックとエレクトリックの融合のさせ方が絶妙で、実に凝った通好みのアレンジに、懐かしいノスタルジックなメロディーが乗る。歌詞はフォーキーながら、ロックなドライブ感を持ったサウンド。こうした相反する顔をあわせ持つ彼らの個性が、音に深みとパワーを与えている。(菊田 俊介)


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「ロッド・スチュワート・セッションズ/ロッド・スチュワート」
(ワーナーミュージック・ジャパン/WPCR13734〜7)

 ロッド・スチュワートが1971〜98年にワーナーミュージックに残した音源から、レコーディング過程でのレアなアーリー・ヴァージョンや未発曲など60以上ものナンバーを4枚の纏めた、ロッド・ファンにとってまさにマストな作品。初出の「イノセント」(『キリング・オブ・ジョージー』の続編/キリング・オブ・ジョージー・パート3)だけでもコアなファンは飛びつく。また、「シンク・アイル・バック・マイ・バッグス」はアルバム『スマイラー』収録予定楽曲だったがその時点で見送られた。その後ロニー・ウッドがファースト・ソロ・アルバム『俺と仲間』で「ミスティファイズ・ミー」として発表(ロニー・ヴァージョンにはもちろんロッドが登場)。というわけで、この作品集はストーンズ・マニアもこれまたマスト・・・。(Mike M. Koshitani)


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CD+DVD

CD

「オールタイム・ベスト/エンヤ」(ワーナーミュージック・ジャパン/WPZR-30357〜8=CD+DVD WPCR-13704=CD)
 文字通り、既発売の作品の中からエンヤ自身が選曲したグレーテスト集で、DVDにはプロモーション・ビデオの他、そのメイキング映像、更にエンヤ等へのインタビューが収められている。彼女がデビューしてからもう20年以上の月日が流れているが、音楽に対するスタンスは少しも変わっていない。それは自然、特にアイルランドの故郷の情景に心を添わせた音楽だということ。幾重にも重なり合った幻想的な歌声も、目の前に情景が広がるようなヴィジュアルなサウンドも自然の息遣いに呼応しているからこそ、いつもすんなり入ってきて、心の空洞を埋めてくれるのだ。言ってみれば、魂を揺さぶられる音楽。このアルバムにはそんな音が詰まっている。 (滝上 よう子)


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ストゥージズ/イギー・ポップ・アンド・ストゥージズ 」
(ワーナーミュージック・ジャパン/WPCR-13729)
「ファン・ハウス/イギー・ポップ・アンド・ストゥージズ 」
(ワーナーミュージック・ジャパン/WPCR-1373)

 アメリカン・パンクの先駆者と言っても過言でないイギー・ポップが1967年に結成した伝説のバンド、ストゥージズのデビュー40周年を記念して、デトロイト・パンク紙ジャケットSHM-CDコレクションにより幻のアルバム2作品が発売された。
 『ストゥージズ』は、69年に発売された記念すべきイギー・ポップ・アンド・ストゥージズのデビュー・アルバム。プロデューサーにヴェルヴェット・アンダーグランドのジョン・ケイルを招き、当時としては最先端のロックを展開する。過激なライヴ・パフォーマンスで知られるストゥージズであるが、スタジオ録音の本作品に関しては、派手さよりも落ち着いた演奏に重点を置き、「ウィ・ウィル・フォール」ではパンクではなくプログレッシブ・バンドの装いのアレンジとなった。
 セカンド・アルバム『ファン・ハウス』は、ファースト・アルバムより一層過激になり本来のストゥージズの姿を取り戻した感があり、録音状態も良く荒削りではあるがワイルドな楽曲とシンプルな演奏そして何よりもイギー・ポップのシャウトが光る。新人バンドが同じことをやってもヒットするのではないかと思う程に洗練されていて、40年過ぎた今でも全く古さを感じさせない仕上げであり、ダムドやミッションがカバーした代表曲「1970」を収録したロック・ファン必聴の名盤である。(上田 和秀)


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「キック・アウト・ザ・ジャムズ/MC5」
(ワーナーミュージック・ジャパン/WPCR-13731)
「バック・イン・ザ・USA/MC5 」
(ワーナーミュージック・ジャパン/WPCR-13732)
「ハイ・タイム/MC5」(ワーナーミュージック・ジャパン/WPCR-13733)

 1967年に結成されたアメリカン・パンクの先駆者伝説のバンドMC5のデビュー40周年を記念して、デトロイト・パンク紙ジャケットSHM-CDコレクションでの幻のアルバム3作品が発売された。
 『キック・アウト・ザ・ジャムズ』は、69年に発売されたいきなり放送コードに引っかかる卑語で始まる問題作であり、MC5のデビュー・アルバムにしてハードなライヴ・アルバムの傑作である。歌うと言うよりも雄叫びと表現したくなるロブ・タイナーのヴォーカルとツイン・ギターによる爆音バンドそれがMC5であり、多くのバンドが彼らをリスペクトし、数多くの曲をカバーした伝説のバンドのエネルギーが蘇る。本作品は、68年デトロイトのグランド・ボール・ルームにおけるライヴ実況録音盤であり、アメリカン・パンクの原点がここにある。
 『バック・イン・ザ・USA』は、アトランティック移籍後に録音され、パンク・バンドの教祖がシンプルなロックンロール・バンドに変身してしまい、世界中のファンを驚かせたセカンド・アルバム。ロブ・タイナーのヴォーカルも借りてきた猫の様に大人しくなり、綺麗なコーラスまで聴かせるバンドとなった。いつその野生の牙を剥くのかと思いきや、ラストまでお行儀の良いままである。美しいバラードの「レット・ミー・トライ」、軽快なロックンロール・ナンバーの「ザ・アメリカン・ルーズ」と多彩な楽曲で楽しませてくれる。しかし、大人になったのか、それとも牙を抜かれたのか、ファーストとセカンドでこれ程イメージの違ったバンドも珍しい。どちらが本当のMC5なのか?
 『ハイ・タイム』は、短命に終わったMC5のサード・アルバムであり、ラスト・アルバムとなった。ロックンロール・バンドにおさまったMC5が楽曲と演奏に力を注ぎ、各曲が長尺となりドラマティックな展開を聴かせ、セカンドよりも少しハードさを取り戻した。アルバムの順序はともかく、アメリカ版ローリング・ストーンズを短期間にやり終えてしまった感のあるバンド、それがMC5なのかもしれない。だからこそ、後のロック・バンドに与えた影響は、多大なものとなった。(上田 和秀)


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「遥かなる影〜カーペンターズ・コネクション/VA」
(ユニバーサルミュージック/UICZ-1339〜40)

 デビュー40周年に関連した2枚組の企画アルバム。カーペンターズは当初からフォーク、カントリー、R&B、ロック。。。と多彩な曲をカヴァーして楽しませてくれたがそのオリジナル・ヒットを中心としたおなじみのヴァージョンや作者ヴァージョンをDisc1に、そして他のアーティストが歌ったおなじみ曲のカヴァー等をDisc2に収めて全40曲♪しかし、ありがちな内容には終わっていない!歌う俳優〜リチャード・チェンバレンの‘元祖’「遥かなる影」やルビー&ロマンティックスの3曲、またソフト・サイケ・ロックのフィーヴァー・トゥリーやヘヴン・バウンド・ウィズ・トニー・スコッティなど「!」となる音源が潜んでいるのでポップス・マニアも要チェック♪(上柴 とおる)


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「スーパー・ユーロビート VOL.200/VA」
(エイベックス・マーケティング/AVCD-10200B〜C)

 エイベックスの第1号CDである『スーパー・ユーロビート』が遂に20年目にして≪VOL.200≫を迎えた。エイベックスの原点であり、エイベックスの≪ダンスへのこだわり≫の集大成作、CD2枚+DVD1枚。DISC1には「ナイト・オブ・ファイヤー」「トライ・ミー」など御馴染みエイベックス・ユーロ100曲、DISC2には浜崎あゆみ、倖田來未などエイベックス邦楽アーティストのヒット曲のユーロ・ヴァージョン50曲を各々ノンストップミックスで収録。発売日は元旦。まさに≪めでたい!≫CD!(松本 みつぐ)


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「カミン・ダウン・ザ・ロード=ライヴ・アット・ロイヤル・アルバート・ホール/ジョン・フォガティ」(ユニバーサルミュージック/UCBU-1026)
 大音響でロックンロール・シェイクしながら何度となく楽しみたいジョン・フォガティの素晴らしいライヴ映像!昨年夏にCCR以来37年ぶりとなるロンドン/ロイヤル・アルバート・ホールでの26曲!!ダウン・トゥ・アースなあのロックンロールが見事に甦る、アメリカン・ロックの醍醐味をダイレクトに味わうことが出来るのだ。「ボーン・オン・ザ・バイヨー」「ダウン・オン・ザ・コーナー」「プラウド・メアリー」らのクリーデンス・クリアウォーター・リヴァイバル・ナンバーに特に感激。もちろんアルバム『リヴァイヴァル』からの佳曲も登場。1972年2月の日本武道館コンサートを思い出す。2010年、ジョン・フォガティ来日公演を願う。(Mike M. Koshitani)


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「マイ・クリスマス ライヴ/アンドレア・ボチェッリ&デヴィッド・フォスター」(ユニバーサルミュージック/UCBS-1009)
 LAのコダック・シアターは、やや年齢層の高い上品なボチェッリ・ファンで満杯だ。デヴィッド・フォスターがピアノを弾きながらのうまい司会・進行で和やかに繰り広げる。自然の中、暖炉の前、教会など舞台を変えながら、美声が会場を満たす。CDとは異なり、カントリーの女王リバ・マッキンタイアとの「ブルー・クリスマス」も魅力的。ニューヨークから映像参加のJ・ブライジとの「御使いうたいて」は聴き応え十分。ボチェッリ自身のピアノの弾き語りを聴かせるイタリアのキャロルは珍しい。にぎやかにマペッツと歌う「ジングル・ベル」も楽しい。華やかだが騒ぎすぎず、あくまでも歌を聴かせて満足度の高い映像になっている。(鈴木 道子)


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「ヒットマン デヴィッド・フォスター自伝/デヴィッド・フォスター著 四方久美・訳 金澤寿和・解説」(ブルース・インターアクションズ)
 デヴィッド・フォスターとは一度夕食を共にし、チャック・ベリーとツアーした話を聞いたことがあるが、彼はカナダ出身の大物プロデューサー/ミュージシャン。「ポップこそ生命」を信条に、北米音楽界に華々しい業績を残し、現在もヒットマンとして活躍している。バーブラ・ストライサンド、シナトラ、シカゴはじめ多くのセレブや、彼がスターにしたセリーヌ・ディオン、マイケル・ブーブレ、ボチェッリほかとの遭遇やレコーディング・エピソードなどが面白く描かれている。人と出会うたびに学びとっていく様子が格言のように記されていたり、芸能界がいかに人間と人間との関係で成り立っているかも興味深い。彼がハイスクール時代に多くの楽器に精通した話には、彼の的確な楽器編曲や音楽性の広がりが伺える。出入りの激しい私生活が赤裸々に書かれた部分が多すぎるきらいはあるが、ポピュラー音楽ファンには楽しめる読み物だろう。(鈴木 道子)


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「ザ・ビートルズ全曲バイブル〜公式録音全213曲完全ガイド/大人のロック!・編 フロム・ビー責任編集」(日経BP社)
 2009年9月からザ・ビートルズの作品集がリマスター化されていく中、彼らに関する多くの研究書が出版されたが、そんな中で様々な角度からもっとも深くデータ的にも且つレコーディングに関する方向からもしっかりと213曲を纏め上げたのが本書だ。ザ・ビートルズが≪歴史≫になったことを感じる、解散してもう40年なのだから。そんな歴史となり学問にもなった彼らの素晴らしい音楽を、この完全ガイドを参照にしながら改めて聴いてみると、何か新たな発見に遭遇することだろう。(高見 展)


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「ザ・ビートルズ・アナログ・エディション」
(シンコー・ミュージック・エンタテイメント)

 ビートルズのアナログ盤の魅力に焦点をあてつつも、そこにとどまらず、さまざまな角度からビートルズの魅力と彼らへの愛情をぎっしりと詰め込んでいる。和田博己、直枝政広、高野寛、原田真二といったミュージシャンやビートルズをリスペクトする人々のインタビューやエッセイは、ビートルズの魅力をさまざまな角度から浮き彫りにしている。また、世界各国のレコードジャケットは観ているだけであの時代への郷愁をかきたててくれるし、ビートルズ研究の第一人者マーク・ルイソンが手がけている全3巻のビートルズ・ヒストリー本の情報は、ビートルズの記録がますます深化していくことへの期待を感じさせてくれる。(広田 寛治)


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「キューバ音楽/八木啓代 吉田憲司・著」(青土社)
 初刊は2001年に発売された。「二十一世紀のキューバ音楽」(第7章)を増補したものが今回の新版。歴史的・社会的な背景をひも解きながらキューバ音楽の成り立ちを系統立ててわかりやすく伝えてくれる。とくに最近10年ほどの音楽事情、ラップやレゲトンの大ブレイクに触れた章は興味深い。政府助成団体としての「キューバン・ラップ・エージェンシー」の設立やら文化大臣による「ラップはキューバ音楽のひとつの表現である」といった発言に触れながら新たなうねりを解説する。「キューバ発のラップやレゲトンが米国で大流行するのは時間の問題かもしれない」とする著者の予言が真実味を帯びてくる。(三塚 博)


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「俺は最低な奴さ/内田裕也・著」(白夜書房)
 11月17日に70歳を迎えたロックンローラー内田裕也による語り下ろし本。近田春夫氏との対談形式で、ロカビリー時代、ザ・タイガースとの出会い、フラワー・トラヴェリン・バンド結成といった、もはや歴史上の出来事にも匹敵するようなエピソードから、近年の話題に至るまでが、彼自身の生き生きとした言葉で語られていく。ロック界〜芸能界の裏の裏まで知り尽くした二人による対談という性質上、ある程度の予備知識は必要となるところだが、本書には実に300箇所以上にも及ぶ丁寧な注釈が付いており快適に読み進める。カラーページには衝撃的な写真も。≪内田裕也・ヒストリー≫とは、言い換えれば≪日本のロック・ヒストリー≫だ。(町井 ハジメ)


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「HAIR 1969輝きの瞬間/ポール岡田・著」(飛鳥新社)
 元GSカーナビーツの2代目ヴォーカリストで、1969年公開のミュージカル『ヘアー』日本キャスト版に出演した経歴を持つ筆者の自伝的青春記。GSブーム真っ只中に関西で結成した学生バンド(リーダーはあの長戸大幸氏)時代に始まり、紆余曲折を経て参加したカーナビーツでの日々、そして大麻騒動で短命に終わった日本版『ヘアー』の顛末までが、当事者だからこそが知る興味深いエピソードと共に綴られている。読み進むうちに、ポピュラー音楽も社会も大きな転換期を迎えていた、60年代末期の時代の空気までもが伝わってくるようで楽しめた。できれば、70年代以降の筆者の広告業界での活躍ぶりも読んでみたかったが、それは次作(熱烈希望!)でのお楽しみとしておこう。(中村 俊夫)


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「日本でロックが熱かったころ/井上貴子・編著」(青弓社)
 雑誌等でおなじみの著者のイメージは、筆者にとって「侍」である。切れ味の良い文体で、深くロックにコミットしていく姿勢が、本書に結実している。侍と称したのは本書の「ロックの死」を起点に始められる展開に、アティテュードの類似性を感じたからだ。自分の考え方のベクトルとも似ており、思わずうなずく。ロックは、興隆の起点からジミ・ヘンドリックスの死など、死の刻印をエネルギーとしてきたからだ。そのロックが本当の死との戦いを行わなければならない昨今である。他、佐藤良明氏による日本のロックの発展や、難波弘之氏によるロックへの鍵盤楽器の役割、南田勝也氏によるパンクの実相等、鋭い目線で切り込んだ意欲的で刺激的な一冊となっている。(サエキ けんぞう)


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「YOU MAY DREAM/シーナ(シーナ&ロケッツ)著」(じゃこめてい出版)
 30年以上ジャパニーズ・ロック・シーンを闊歩してきているシーナ&ロケッツ、グループのリード・ヴォーカリストであり鮎川誠のよき妻でもあるシーナが自らのロック人生を振り返りながら、僕らに大きなパワーを伝えてくれる。それが本書だ。彼女は信ずるロック道をまっすぐに進んでいく、日々素晴らしい音楽と出会いながら≪You May Dream≫。夫婦で大好きなストーンズ追いかけてアトランティック・シティやシカゴ、パリにはキース・リチャーズのX-ペンシヴ・ワイノウズを見に出かける。その熱意がグループをキープ・オン・ロッキンさせるのだ。伊丹由宇さんがプロディースした元気印のロック・ブック。(Mike M. Koshitani)


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「ジャズ・ミュージシャン3つの願い/パノニカ・ドゥ・コーニグズウォーター文・写真」
(ブルース・インターアクションズ)

 ニカ夫人はジャズ界のパトロネスとして有名で、セロニアス・モンクはとくに、彼女の庇護の元で長く暮していたこともあり、彼女の名を冠した「パノニカ」を作曲しているし、彼女に捧げられた曲には「ニカズ・ドリーム」「ニカズ・テンポ」など20曲あまりあって、彼女の存在の大きさがわかる。チャーリー・パーカーは彼女の家でTVを観ているときに、たおれて亡くなった。彼女はユダヤ人で大富豪の夫人で、ジャズ界ではちょっとした女神だった。その彼女が1961年から66年にかけて、ジャズメン300人に≪あなたの三つの願い≫という質問を発し、それをまとめたのが本書だが、彼女の生前中には出版されず、死後20年たって、フランスとアメリカで出版され、今回日本でも出版の運びとなった。また写真集といっていいほど写真が満載されているが、これはニカ夫人がポラロイドで写したスナップ写真だが、貴重なものが多い。≪三つの願い≫の答えは正直で面白い。マイルス・デイビスは「白人になりたかった」と白人コンプレックスを告白しており、フィリー・ジョー・ジョーンズは「カネ、カネ、カネ」と答えている。一方デイジー・ガレスピーは「カネのためには演奏したくない」と答えている。バド・パウエルは「日本へ行きたい」と答えている。彼が日本で「クレオパトラの夢」を演奏していたら、大変な話題になったに違いない。コルトレーンは「いま、マンネリだ」と答えている。60年代中頃の答えだろうか。とにかく、どこから読んでも興味の盡きない本だ。(岩波 洋三)

 
名曲「パノニカ」「ニカズ・ドリーム」で知られ、ロスチャイルド財閥の令嬢であり、ジャズ界最大のパトロンとされるニカ夫人がインタビューした300人の偉大なジャズマン達の3つの願い事と、彼らの素顔をスナップに納めた秘蔵プライベート写真集が発売となる。この写真集は、ジャズ・ファンはもとより音楽ファンなら誰もが絶対に知っている、マイルス・デイヴィス、デューク・エリントン、セロニアス・モンクらあまりにも有名なジャズ・ジャイアンツの実体(素顔)と深層心理、そして今まで何処にも紹介されていない瞬間が凝縮された一冊。時として写真は、動画よりも雄弁に真実(時代)を語る。(上田 和秀)


Popular BOOK Review

「愛と勇気のロック50/中山康樹・著」(小学館文庫)
 今を生きるベテラン・ロッカーたちの近作について舌鋒鋭く迫った、ありそうでなかった快著だ。ザ・フー、ローリング・ストーンズ、ニール・ヤング等はもちろんのこと、スコット・ウォーカー、PFスローン、ロジャー・マッギン、クリフ・リチャード&シャドウズ等のニュー・アルバムについてもしっかり触れられている(恥ずかしながら、僕はウォーカーやスローンが現役だったことを、この本を読むまで知らなかった)。少年時代からロックを愛し、聴き続け、当該ミュージシャンと一緒に(といっていいだろう)年を重ねてきた筆者による文章は詳しく、楽しく、なにより強き愛を感じさせる。巻末に収録されている坪内祐三との対談も面白く、この充実した内容で税抜き619円とは出血大サービスだ。(原田 和典)


Popular CONCERT Review

「ステファン・グロスマン&打田十紀夫 Japan Tour2009」 11月21日 東三軒茶屋・KMA STUDIO
 ラグタイム&カントリー・ブルース〜フィンガー・ピッキングの第一人者であり、熱心な教育活動でも知られるステファン・グロスマンが、愛弟子の打田十紀夫と共演ライヴを行なった。冒頭から2人がステージに出て、曲によって各人のソロ・パフォーマンスが挟まるという形。ステファンはアコースティック・ギター(いわゆるエレアコ使用)一本で通し、打田はリゾネイター・ギターも弾いた。演目はビッグ・ビル・ブルーンジーのナンバーや、霊歌の「ジャスト・ア・クローサー・ウォーク・ウィズ・ジー」、レイ・チャールズの「旅立てジャック」等。骨の髄までギターに魅せられた両者のくつろいだパフォーマンスに接していると、あっという間に時間が過ぎる。(原田 和典)


Popular CONCERT Review


「THE BEGGARS Get Yer Ya-Ya’s Out! 40周年 LIVE」 11月22日 江古田マーキー
 ローリング・ストーンズ・トリビュート・バンドとして名高いTHE BEGGARSが、『ゲット・ヤー・ヤ・ヤズ・アウト!』40周年記念デラックス・エディションのリリースを記念してライヴを行った。演奏に先立ち、まずはトーク・セッション。ストーンズへの熱い思いが伝わってくる内容だった。また、バンドの結成秘話などもファンには非常に興味深かったようだ。本編は、『ゲット・ヤー・ヤ・ヤズ・アウト!』収録曲を、デラックス・エディション化に当たって追加収録されたナンバーまで含めて再現するというもの。ギタリストにミック・テイラーを迎え、黄金期に突入した1969年のストーンズを彷彿させるステージを見せてくれた。トリビュート・バンドでありながら、THE BEGGARS自身の個性も垣間見え、そこも良かった。会場のブレイカーが落ちても演奏を続けた彼らの姿勢には、大きな拍手を送りたい。(細川 真平)


Popular CONCERT Review

「第25回つくば国際音楽祭 ドン・フリードマン&ナンシー・ハーロウ」 11月23日 ノバ・ホール
 今回25回目を迎えたつくば国際音楽祭は、つくばモーツアルト・フェスティバルと副題がついているようにクラシック主体の音楽祭だが、ジャズのプログラムが毎回一本はいる。今回は、ビル・エヴァンスに継ぐ白人知性派のピアニスト、ドン・フリードマンと最近は、スコット・フィッツジェラルドの「偉大なるギャツビー」など文学をベースに作詞作曲して歌うアルバムを発表しているベテラン・シンガー、ナンシー・ハーロウの組み合わせ。ドンのピアノ・ソロ、トリオ演奏を挟んでナンシーの歌と一部、二部構成は同じだが、一部は、ジャンボ小野(b)岩見淳三(g)、二部は、ハインリッヒ・ヴェルクル(b)村上寛(ds)サポート陣が変わった。流麗にして繊細なドンのピアノと知的ながらブルージーな味わいもあるナンシーの歌が見事にマリッジしてロマンチックな素晴らしいコンサートだった。(高田 敬三)
写真提供:カメラータ・トウキョウ


Popular CONCERT Review

「テオドシー・スパソフ」 11月26日 Blue Note TOKYO
 ブルガリア出身の鬼才、テオドシー・スパソフが来日した。彼が演奏したのは、カヴァルという縦笛。フルートやクラリネットに通じる高めの音を出す。この日のライヴは基本的に、ピアニスト(ピアノの上にはキーボードが置いてあり、左手でベース・ラインを弾く)とドラマーとのトリオ編成で進められた。楽曲はほぼすべてが変拍子、モード・ジャズ的な演奏であった。といってもトリッキーなところはまったくなく、彼らの血に忠実なサウンドを演じたらそうなったということなのだろう。ステージ中盤になると、女性シンガー(打楽器も演奏)ヒルダ・カザシャンが登場。主にボサ・ノヴァ・ナンバーを歌ったが、なんともいえないエキゾチックな雰囲気を醸し出していた。(原田 和典)
写真:佐藤 拓央


Popular CONCERT Review


「LOOPLINE P Presents ≪avant in the D'ARKZ≫」 11月28日 池袋BlackHole
 最初に≪プログレ、サイケ、オルタナ、激情ロック≫を標榜するArkz(アーク)が登場。竹川真(メロトロン、メモトロン)を中心とする4人のメンバーが輪を描くようにして演奏し(ドラマーは客席に背を向ける)、ライヴ・ハウスを暗黒に落とし込んだ。少々のセット・チェンジのあとは、お待ちかねマゾンナのステージ。彼のパフォーマンスは短いので全身を目と耳にして立ち向かわなければならない。この日は1分ほどだったか。しかし筆舌に尽くしがたかった。実際の演奏時間はわずか1分であっても、その後に1時間は心地よい余韻に浸らせてくれる。そこがいい。忍者のように立ち回り、高く飛び、声の塊を投げつけるマゾンナ。広大な音世界に、すっかり飲み込まれてしまった。(原田 和典)


Popular CONCERT Review

「木馬のゆめ」 12月2日 サントリーホール ブルーローズ 
 ≪東京国際アニメフェア2009≫で功労賞を受賞した高井達雄のファミリー・コンサート。長女の小宮山美香は群馬交響楽団のオーボエ奏者で、夫君の小宮山孝は同交響楽団のヴァイオリン奏者、それにピアノの深沢雅美が加わって、シューマンの「アダージョとアレグロ」、ブラームスの「スケルツォ ハ短調」、ショパンの「ノクターン20番」、バッハの「オーボエとヴァイオリンのための協奏曲」等のクラシック名曲が演奏された。第2部では、ボサノヴァ・シンガーとして活躍するCAYOが加わり、舞台は一段と盛り上がった。曲目は高井達雄作曲の「木馬のゆめ」。手塚治虫の最初のアニメ作品で、全編映像と音楽で物語が展開する「ある街角の物語」(1962) の管弦楽曲を作曲者高井自身がこの日のために編曲した「オーボエ、ヴァイオリン、ピアノのための情景」。CAYO 作曲、長男の高井健 (アメモリネムリ) 作詞の「君が風なら吹きなさい」。 クライスラー、モーツァルトのクラシックの名曲3曲を挟んで、高井作曲の「タイム・トラベラー」のテーマ1、テーマ2、「鉄腕アトム」のテーマ等が演奏され、心和む楽しいファミリー・コンサートの一夜だった。(本田 悦久)


Popular CONCERT Review

「エリック・マーティン」 12月7日 Bunkamuraオーチャードホール
 大ヒット・カヴァー・アルバム・シリーズ第3弾『MR.VOCALIST XユMAS』を発表したばかりのMR.BIGのヴォーカリスト、エリック・マーティンの日本のファンの為だけのクリスマス・ライヴ。アルバム『MR.VOCALIST ?,?』からの選曲となった前半は、今井美樹の「プライド」で幕を開け、子供の頃の話や家族の話を交え、思いを込めながら「タイム・アフター・タイム」「スーパースター」「ユーヴ・ゴット・ア・フレンド」等、名曲を熱唱した。後半は、『MR.VOCALIST XユMAS』からの選曲、山下達郎の「クリスマス・イヴ」、BユZの「いつかのメリー・クリスマス」と続き、ジョン・レノンの「ハッピー・クリスマス/War Is Over」で、エリックのハスキー・ヴォイスと会場全体がひとつとなった。そして、心を込めて「ホワイト・クリスマス」を歌い上げ一旦幕を閉じる。アンコールでは、MR.BIGのヴォーカルに戻り、アコースティック・ギターを抱え、「ワイルド・ワールド」「スーパー・ファンタスティック」、名曲「トゥ・ビー・ウィズ・ユー」を再び全員で大合唱しラストを迎えた。寒風吹きこむ渋谷に集まったファンにとって、一足早いホットなクリスマス・プレゼントとなった。(上田 和秀)
写真:田中栄治


Popular CONCERT Review

「ギジェルモ・アンダーソン&ラ・セイバーナ」 12月9日 草月ホール 
 ギジェルモ・アンダーソンはホンジュラスを代表するアーティスト。彼の生地、ラ・セイバに伝わるガリフナ・ミュージックはアフリカの影響を色濃く残したサウンドだ。カリブ諸国やイギリスの影響が複雑に絡み合い、総勢8名の強烈なラテン・ビートとなって炸裂する。南北アメリカ大陸をつなぐ中米のほぼ中央部に位置するこの国は政情の不安定さばかりが伝わってくるが、北と東はカリブ海に面し南は太平洋に接する自然に恵まれたお国柄だ。海にちなんだ歌詞が多いのも合点がいく。「君を海に連れていこう」で幕が開く。曲の随所でアレックス・ピティージョのタンボーラ(ガリフナ太鼓)がフィーチャーされ、マラカスのミト・カスティージョが伝統舞踊を披露する。中盤とアンコールではギジェルモが自らのギターでしっとりとソロをとった。「私の国では」は第2の国歌といわれるほどの人気があるという。自然の恵みをたたえ、祖国を誇り高く歌う姿は自信にあふれ、聴衆に強い印象を残した。(三塚 博)
写真:本田大典


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「ケイコ・ボルジェソン KEIKO BORJESON TRIO/WOMAN JAZZ TRIO LIVE 2009」 12月10日 サントリーホール ブルーローズ   
 昨年につづき、12月10日にサントリーホール/ブルーローズでケイコ・ボルジェソン(P. Vo)がリサイタルを開いた。 ≪女ジャズ・シリーズ≫のひとつであり、彼女の夢は日本で女性ジャズ祭を開くことにある。今年はイタリアから女性ベーシスト、シルビア・ボログネシとフランスから女性ドラマー、ジュリー・サウリーを呼んでトリオで演奏し、ケイコはピアノを弾き歌った。彼女の弾くピアノは技巧も音楽性も抜群で、力強く、ダイナミックであり、普通のピアニストとは鳴りが違う。また歌はニーナ・シモンの狭い枠にとらわれないソウルフルでスピリチュアルな行き方に触発されたものだけに、魂をゆるがす力を持っている。二人の女性ミュージシャンのうち、ベースのシルビアは荒けずりだが挑戦的なプレイと真摯な姿勢はすばらしく、よくケイコのピアノについていっていた。ドラムのジュリーは過激ではないがステディであり、ケイコのピアノをよくバック・アップしていた。曲はスタンダードやケイコのオリジナル、ニーナ・シモン・ナンバーを加えての二部構成で、愛と平和を願う彼女の姿勢を底流にし、情熱的にスイングし、グルーヴ感にあふれたピアノと歌には、日本人の枠を越えたインターナショナルなものを強く感じさせた。稀にみる感動的なコンサートだった。(岩浪 洋三)
写真: teppei umeda


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「世界人権デイ 中東の琵琶ウード+マクロビオックフード・コラボライブ」12月10日 チャヤマクロビオテックス汐留タワー店
 NHK-BS『新シルクロード 激動の大地を行く』のサントラ盤『タリーク(道)』を発表したウード奏者、常味裕治の演奏と、音楽にふさわしい特別メニューの健康食を組み合わせたイベントが行なわれた。ウードはリュートのもとになった楽器だが、いまも世界各地で広く演奏されている。その演奏は、和声で建築的に構成するのではなく、樹木の枝が増殖していくような音の宇宙を作り出すもの。演奏されたのは古典的なスタイルの曲だが、響きの優しさやスピード感やグルーヴには、現代のポップに通じる感覚もあり、はじめての観客にも大好評だった。CDやレストランのお菓子の販売代金の一部はパレスチナ子供のキャンペーンに寄付されたが、これからはカジュアルにチャリティをとらえるこういうイベントが増えてくるのではないだろうか。(北中 正和)


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「アース・ウインド&ファイアー Japan Tour 2009」 12月11日 東京国際フォーラム ホールA
 厳かに「コード」のイントロで始まったライヴは、「ブギー・ワンダーランド」で一瞬にして最高にホットなディスコと化した。フィリップ・ベイリー、ヴァーダイン・ホワイト、ラルフ・ジョンソンの3人のアース・ウインド&ファイアーと確かなテクニックを持ったバック・ミュージシャン達による、新旧のヒット曲を織りまぜたセットリストは、全てのEW&Fファンを満足させるものだった。確かに、全盛期のような派手なパフォーマンスやパワーこそないが、最高にカッコイイ楽曲・ヴォーカル・コーラス・演奏・リズムそして誰も真似の出来ないグルーヴ、これで体が反応しない訳がない。何よりも驚いたのは、フィリップ・ベイリーの歌声は全盛期と比べ全く衰えを知らず、暗闇を切り裂く超高音から魅力的な中低音まで本当に素晴らしかった。後半は全員が異様な程にハイテンションのまま、「宇宙のファンタジー」「セプテンバー」「レッツ・グルーヴ」「マイティ・マイティ」とたたみ込む様にエンディングを迎えた。この強烈なグルーヴは、体全体で受け止めなければ感じ取れないだろう。冬の冷たい雨が降りしきる外界をよそに、ライヴ会場はホットでファンキーな空気が充満していた。(上田 和秀)


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「Duo Xmas Special」 12月20日 青山スパイラル・ホール
 ミュージカル・スターの島田歌穂と夫君の島健とのコンサート。久々の東京でのデュオ・クリスマス・スペシャルということで、会場は始まる前から、熱気に溢れていた。真っ白のドレスで登場した歌穂は、まずはミュージカル『レ・ミゼラブル』の「オン・マイ・オウン」でエリザベス女王陛下の御前公演にも参加した見事な歌声を響かせ、続いて普段は余り聞かれないJ-Popsの数々そして、江利チエミの持ち歌「テネシー・ワルツ」に続いて「唐獅子牡丹」と意外な歌も、すべて島健のアレンジで彼女の持ち味を十分生かしている。まさに息の合った夫婦のデュオ・コンサートを楽しませてくれた。(本田 浩子)
写真提供:Aux-Sables


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「シーナ&ロケッツ Back in The Rock City '10」
 来年で33年目を向かえるシーナ&ロケッツ、そのロックなパワー&エネルギーますます全開!新年そうそう早くも2010年ファースト・ライヴ。WHITE BOX & BLACK BOXから果たして何曲飛び出すか、はたまた完全初出楽曲が披露されるのか?!あのエキサイティンなステージを期待する。(MK)
*1月9日 渋谷DUO
お問い合わせ:Hot Stuff Promotion(03)5720-9999
http://www.rokkets.com/


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「ロッキン・ウィズ・ムッシュ/ブルーズ・ザ・ブッチャー&ムッシュかまやつ」
 この秋にムッシュかまやつさんが永井ホトケ隆、沼澤尚、中條卓、KOTEZと共演しているゴキゲンなブルース・アルバム「ロッキン・ウィズ・ムッシュ」を発表、ミスター・ムッシュが大好きなロックンロールやストーンズ・ナンバーをとても楽しそうにブルースにしていた。その雰囲気を今度は≪生≫で楽しめる、開場がシカゴのブルース・クラブとなるだろう。もちろん「サティスファクション」をセットリストに!(MK)
*1月12日 Blue Note TOKYO 2回公演
お問い合わせ:(03)5485-0088 
http://www.bluenote.co.jp/

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「ザ・ビーチ・ボーイズ」
 永遠の夏男たちが真冬の日本を熱くする! ザ・ビーチ・ボーイズ、18年ぶりの単独来日公演だ。1961年の結成以来、「サーフィンU.S.A.」「ファン・ファン・ファン」「グッド・ヴァイブレーションズ」等、数え切れない名曲で世界中を沸き立たせた彼ら。マイク・ラヴとブルース・ジョンストンを中心に繰り広げられるソリッドなサウンド、黄金のハーモニーに酔いしれたい。(KH)
*1月20日 21日 Billboard Live OSAKA 2回公演
お問い合せ:(06)6342-7722 
http://www.billboard-live.com/
*1月22日 23日 24日 Billboard Live TOKYO 2回公演
お問い合せ:(03)3405-1133  
http://www.billboard-live.com/

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「コリン・ブランストーン from ゾンビーズ」
 元ゾンビーズのリード・ヴォーカリスト、コリン・ブランストーン。ゾンビーズ時代に「シーズ・ノット・ゼア」、「テル・ハー・ノー」「ふたりのシーズン」等のヒットを放ち、ソロ活動に転じてからも『一年間』をはじめとする名盤を残している。今回のステージも1960年代のレパートリーから近作までバラエティに富んだものになる模様。これは見逃せない。(KH)
*2月22日 Billboard Live OSAKA 2回公演
お問い合せ:(06)6342-7722 
http://www.billboard-live.com/
*2月23日 24日 Billboard Live TOKYO 2回公演
お問い合せ:(03)3405-1133  
http://www.billboard-live.com/

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「ジェーン・モンハイト」
 1998年のモンク・ヴォーカル・コンペティションに入賞、2000年にデビユー・アルバム『ネヴァー・ネヴァー・ランド』で爆発的人気を得たジェーン・モンハイトは、今やジャズ・キャバレー界では大物の一人。名アレンジャー、ギル・ゴールドスタインを迎えた通算7作目になる最新作『ザ・ラヴァーズ・ザ・ドリーマー、アンド・ミー』では古いスタンダード曲からコンテンポラリーなナンバーまで素晴らしい歌を聴かせる。その甘い情感豊かな歌声、妖艶な容姿、エレガントで魅力一杯のステージ・プレゼンスをまたまた堪能出来る、ファンにとっては嬉しい来日公演。(KT)
*3月3日 4日  Blue Note TOKYO 2回公演
お問い合わせ:(03)5485-0088 
http://www.bluenote.co.jp/

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「ボブ・ディラン」
 ボブ・ディランの「クリスマス・イン・ザ・ハート」を楽しんで皆さんへもうひとつビッグなクリスマス・プレゼント!ボブ・ディランの来日公演が決定したのだ!!それも我が国では最初で最後かもしれないライヴハウス・ツアー!!!まさに夢の夢だ。終わることのないディランのライヴ・ツアー。それはネヴァーエンディング・ツアー、2010年の同ツアーをディランは日本から開始するのだ。尚、菅野ヘッケルさんのディラン最新ライヴ・リポートは≪海外リポート≫に掲載、お読みあれ・・・。(MK)
*3月12日 13日 15日 16日 大阪/Zepp Osaka
*3月18日 19日 名古屋/Zepp Nagoya
*3月21日 23日 24日 25日 26日 29日  東京/Zepp Tokyo
*お問い合せ:ウドー音楽事務所 (03)3402-5999 
http://udo.jp/

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「菊田俊介 20周年記念コンサート」
 ブルース・ギタリストで最近では素晴らしいヴォーカルも披露する菊田俊介、彼がシカゴを拠点にして活動するようになって2010年で丁度20年。そんな20周年を記念して東京、大阪、そして故郷の宇都宮で凱旋コンサート行う。ジュニア・ウェルズ、バディ・ガイ、ココ・テイラー、B.B.キング、オーティス・ラッシュほか多くの本場の重鎮達と競演してきた菊田の素晴らしいブルー・ギターを堪能あれ!(MK)
*3月13日 大阪 BIG CAT 
GUEST : 木村充揮、清水興、Nacomi
http://www.arm-live.com/bigcat/
*3月20日 宇都宮市文化会館 (小ホール) 
GUEST : 近藤房之助、Jamsbee、Brown Blessed Voice
http://www.bunkakaikan.com/
*3月28日 BLUES ALLEY JAPAN 
GUEST :鮎川誠、石川二三夫  MC : Mike Koshitani
http://www.bluesalley.co.jp/

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「ヴァシュティ・バニヤン」
 ローリング・ストーンズ・ファンにその名を知られているヴァシュティ・バニヤン、彼女は1965年5月21日にミック・ジャガーとキース・リチャード(ズ)共作、アンドリュー・ルーグ・オールダムのプロデュースによるシングル「想い出は忘れられない(Something Just Stick In Your Eyes)」でデビュー。その作品が我が国でCD『ザ・ローリング・ストーンズ・ワークス』としてお目見えしたこともある(同曲のストーンズ・ヴァージョンもオフィシャル化されている)。70年発表のアルバム『Just Another Diamond Day』後、シーンから遠ざかっていたが、伝説のブリティッシュ・フォーク歌手として2005年に35年ぶりのアルバム『Lookaftering』でカンバック。2度目の来日だ。(MK)
*3月15日 16日 Billboard Live TOKYO 2回公演
お問い合せ:(03)3405-1133  
http://www.billboard-live.com/

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「マンハッタン・トランスファー」
 結成40年、コーラス史上に残るスケールの大きな作品『チック・コリア・ソングブック』を発表してジャズ・コーラス界の最高峰に君臨するマンハッタン・トランスファーがまたまた来日する。ファンにとってはなんと嬉しいことだろう。「バードランド」「ボーイ・フロム・ニューヨーク・シティ」「トワイライト・ゾーン」など数々の名演を残してきた彼らのヴァラエティーに富んだレパートリー、美しいハーモニー、見事なステージ・アクションで極上のアメリカン・エンターテインメントを満喫できること間違いなし。再び、場内満席の熱気が予想される。(KT)
*3月17日 18日 19日 20日 21日 Blue Note TOKYO 2回公演
お問い合わせ:(03)5485-0088 
http://www.bluenote.co.jp/

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「ジュールズ・ホランド」
 BBC長寿音楽番組≪Later... with Jools Holland≫(日本ではMUSIC AIRで『ジュールズ倶楽部』として放送されている)の名司会&演奏者としても知られるのが元スクイーズのキーボーディスト、ジュールズ・ホランド。彼はニューオリンズ・サウンドからヒップホップまで20世紀のポピュラー・ミュージックの様々なスタイルを完全に掌握、人々に楽しく伝えている。番組には伝説のミュージシャンからビッグ・スター、そして新人まで実力派が次々に出演している。ジュールズ・ホランド&ヒズ・リズム&ブルース・オーケストラとしてもアルバムを発表。そんなジュールズ・ホランドが自身のバンドでBlue Note TOKYOに出演する。元スクイーズのドラマーのギルソン・レイヴィスも同行、そしてゲスト・シンガーは?!(MK)
*3月22日 23日 24日 Blue Note TOKYO 2回公演
お問い合わせ:(03)5485-0088 
http://www.bluenote.co.jp/
*ジュールズ倶楽部
http://www.musicair.co.jp/program/program.php?rm=detail&p=76

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「ダイアン・リーヴス」
 4度のグラミー賞、(ベスト・ジャズ・ヴォーカル・パ_フォンマンス)に輝くダイアン・リーヴスは、現代のジャズ・ヴォーカル界では最高のシンガーのひとりだ。従兄のジョージ・デュークのプロデュ_スによる、色々なラヴ・ソングをポップな感覚で歌った最近のアルバム『ラヴィン・ユー(When You Know)』は大好評だった。今回もその延長線上の素晴らしいコンサートになるに違いない。伴奏陣には『ア・リトル・ムーンライト』で共演のピーター・マーチン(p)リューベン・ロジャース(b)ホメロ・ルンバンボ(g)等が予定されている。(KT)
*3月19日 20日 Billboard Live OSAKA 2回公演
お問い合せ:(06)6342-7722 
http://www.billboard-live.com/
*3月22日 23日 Billboard Live TOKYO 2回公演
お問い合せ:(03)3405-1133  
http://www.billboard-live.com/

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「ジェフ・ベック」
 2009年にはエリック・クラプトンとの共演で大きな話題を呼んだジェフ・ベック。嬉しいことに、2年連続の来日が決定した。常に進化し続けるこの天才ギタリストが、いったいどんなステージを見せてくれるのか? 全ロック・ファン注目の来日公演となるのは間違いない!(SH)
*4月5日 名古屋市民会館
*4月7日 グランキューブ大阪
*4月10日 東京・JCB HALL
*4月12日 東京国際フォーラム ホールA
*4月13日 東京国際フォーラムホールA
お問い合せ:(03)3402-5999
http://udo.jp/

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「ソフィー・ミルマン」
 ロシア生まれ、イスラエルで育ち、15歳でカナダへ移住したという波乱の多い少女期を送ったソフォー・ミルマンは、2004年にカナダで発表された初アルバム『ソフィー・ミルマン』で一躍注目を集め、アメリカ、日本でも発売されて大ブレイク、全世界で10万枚を売り上げた。最新作『テーク・ラヴ・イージー』も大好評だ。英語、ロシア語、ヘブライ語を操る個性味のある美貌の歌姫。3年続けてのブルー・ノ_トの舞台。最近は歌の幅が広がり、深みも増してきた彼女の素晴らしいステージが期待される。(KT)
*4月9日 10日 11日 Blue Note TOKYO 2回公演
お問い合わせ:(03)5485-0088 
http://www.bluenote.co.jp/