「ソングス・オブ・マス・ディストラクション/アニー・レノックス」
(BMG JAPAN/MVCP21558)
マチュアな自作自演歌手はいいなあと思う。どの曲もしっくりと心に響いてくる。アニーはユーリズミックスからソロとなって10数年、一層自己が確立され充実したアーティストとなった。4年ぶりの新作は『大量破壊の歌』という題名だけに、今、世界の一員として生きていくこと、様々な感慨、主張する事の重要さなどが切実感を伴い、かつ余裕を持って歌われている。歌声も自由で伸びやか。80年代から培われたシンセ・ポップ/ロック感覚を充実させ、ダークな内容の曲でも重たくならずにしっかり聴かせるあたりはさすが。HIV予防のための「シング」は、マドンナはじめ多くのスターたちが参加し、切なる呼びかけは説得力がある。(鈴木 道子)
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