「エンドレス・ワイヤー/ザ・フー」(ユニバーサルミュージック/UICP9015〜6)
オリジナル・アルバムとしては24年振りとなる新作は、ピート・タウンゼントの小説を基にしたお得意のロック・オペラ作品での登場だ。架空のバンドをモチーフに、スターダムと現実、聴衆とのコミュニケーション、人生の喜びと苦悩など、これまで『トミー』、『四重人格』、『サイコデリリクト』等で繰り返し扱ってきたテーマを総括したような内容だが、いつになく自伝的な色合いが強いのが注目される。全19曲、作風やサウンドは後期ザ・フーとタウンゼントのソロ作の流れを汲むもので、ファンにとっては予想通り、申し分のない新作と言えるだろう。 (保科 好宏)
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