|
「ハイドン:パリ交響曲集/ニコラウス・アーノンクール指揮
ウィーン・コンツェントゥス・ムジクス」
(BMGファンハウス/BVCD-34025〜27)
2004年度の第17回ミュージック・ペンクラブ賞に於いてクラシック、録音・録画作品(外国人アーティスト)「モーツァルト初期交響曲集」で見事グランプリを獲得したアーノンクールが今度はハイドンの「パリ交響曲全曲」に全力を集中、ここでも案に違わぬ素晴らしい演奏を披露している。50歳代後半に作られたザロモン・セットに較べこの50歳代前半のハイドンの作品にはまだまだ若さが漲っており、はち切れんばかりの魅力が備わっている。それをアーノンクールは彼独特のアーティキュレーションとフレージングで見事に表現しており、殆どのリピートを忠実に再現させているにも拘わらずくどさは全く感じさせない。例によって彼自身が書いたライナーノーツも曲を良く研究した彼らしい致筆でまことに秀逸である。(廣兼 正明)
ハイドンの「パリ交響曲」(全6曲)は、名高いわりにそれほどよく聴かれているわけではない。「教科書みたいでおもしろくない」といった声もありそうだが、このCDは断然ちがう。アーノンクールの挑戦は、ハイドン中期の傑作に鋭い視線をあて、その意味を問い直し、テンポの変化やリズム、音色を巧みに対比させながら、独自のドラマティックな響きを生み出している。半世紀にわたって鍛え上げた手兵の古楽器オーケストラが、高度な職人芸で雄弁に語りかける。(青澤 唯夫)
|