2018年1月 

  

Popular ALBUM Review


「ケリー・グリーン / ライフ・リアレンジド」(インパートメントIPM 8081)
 ケリー・グリーンは、ニューヨークで活躍する今売り出し中のシンガー・ピアニストで作詞作曲もやる才女だ。高校生の頃、オリジナル曲12曲による「Aspire」というシンガー・ソングライター系のアルバムを録音したことがあるが、本アルバムは、彼女の本格的デビュー作品だ。彼女は、このアルバムは、自分の人生のサウンドトラックみたいなもの、と言っているが、男と別れ、新しい人生を始めたが、彼のことが忘れられない、といった複雑な心境を歌う自作のタイトル曲から、ナンシー・ウイルソンがキャノンボールと共演で歌った「Never Will I Marry」と続くと成るほどと実生活の中で感じる曲を選んでいるのだなと感じさせる。作詞作曲もする人なので、若々しい奇麗な声で歌う歌の表現の仕方が見事で、ピアノは、力強くダイナミックだ。彼女は、普段KGトリオ或いは、ホーンを入れたセクステットで演奏することが多いが、ここでもグループ演奏のアレンジで力のある所を見せる。ボーナス曲の彼女の師であるマルグリュー・ミラー作の「Carousel」のピアノが素晴らしい。今後の活躍が大いに期待されるアーティストだ。(高田敬三)


Popular ALBUM Review


「Bianca Rossini / Vento do Norte」(Apaixonada Music &BDM Records)
 ビアンカ・ロッシーニは、リオ・デ・ジャネイロ出身、10代でアメリカに渡り、メリーランド大学やジョージ・ワシントン大学でバレーや演劇を学びファッション・ショウのモデルをはじめTVコーシャルやミュージック・ヴィデオでも活躍、詩人で著述家でもあり5冊の本も出版してる。現在は、ハリウッドのビヴァリー・ヒルズを拠点に活躍しているボサ・ノヴァ・シンガー。彼女は、作詞、作曲もやり、本アルバムは、全10曲を彼女が作詞して4曲では作曲にも係わっている。ボサ・ノヴァの伝統に則った作風で彼女の明るくしなやかな歌は、大変魅力的だ。ジミー・ロバーツのテナー・サックスの入る「イパネマ・パライソ」キャッチーな「ティク・ティク・ド・アモール」、一曲だけ英語で歌う「ホワイ・アイ・スマイル」、日本的な感じを残す「パリス・イン・べヴァリー・ヒルズ」等聞きどこの多い楽しい作品だ。これは彼女の「Menu Amor」、「Kiss Of Brazil」に次ぐ第三作目のボサ・ノヴァ・アルバムで、この他にもシングルを2枚出している。(高田敬三)


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