「ケリー・グリーン / ライフ・リアレンジド」(インパートメントIPM 8081)
ケリー・グリーンは、ニューヨークで活躍する今売り出し中のシンガー・ピアニストで作詞作曲もやる才女だ。高校生の頃、オリジナル曲12曲による「Aspire」というシンガー・ソングライター系のアルバムを録音したことがあるが、本アルバムは、彼女の本格的デビュー作品だ。彼女は、このアルバムは、自分の人生のサウンドトラックみたいなもの、と言っているが、男と別れ、新しい人生を始めたが、彼のことが忘れられない、といった複雑な心境を歌う自作のタイトル曲から、ナンシー・ウイルソンがキャノンボールと共演で歌った「Never Will I Marry」と続くと成るほどと実生活の中で感じる曲を選んでいるのだなと感じさせる。作詞作曲もする人なので、若々しい奇麗な声で歌う歌の表現の仕方が見事で、ピアノは、力強くダイナミックだ。彼女は、普段KGトリオ或いは、ホーンを入れたセクステットで演奏することが多いが、ここでもグループ演奏のアレンジで力のある所を見せる。ボーナス曲の彼女の師であるマルグリュー・ミラー作の「Carousel」のピアノが素晴らしい。今後の活躍が大いに期待されるアーティストだ。(高田敬三)
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