|
「ロイ・ハーグローヴ・ビッグ・バンド」 2月19日 ブルーノート東京
自己のクインテットやR&BプロジェクトのRHファクターで活躍するロイ・ハーグローヴ(tp,flh,vo)が、5年半ぶりに18人編成のビッグ・バンドを率いて来日。この編成の作品は2009年発表の『エマージェンス』が唯一であり、その後の新しい要素が加わったかどうか、が興味のポイントだった。果たして冒頭を同作未収録の三連発で固め打ちにし、バンドの進化ぶりを実証。トランペット・ソロとアンサンブルの指揮でリーダーシップをアピールすることも忘れない。17名のフル・サイズ+ロイは基本的にモダン・ビッグ・バンドのスタイルを継承したサウンドであり、サックス・ソリやメンバーのソロからは、敢えてこのジャンルの王道を追求していきたいとのハーグローヴの企図が伝わってきた。スタンダード新曲「ネヴァー・レット・ミー・ゴー」の歌唱も、それとリンクする。「九月の雨」では自身のスキャットと管楽器群がコール&レスポンスで、ジャズの楽しさを表現。ロバータ・ガンバリーニ(vo)の登場でステージは一気に華やいだ雰囲気に。(杉田宏樹)
撮影:Takuo Sato
|