2012年3月 

 
Popular ALBUM Review

「マイ・ハート/ドリス・デイ」(ソニー・ミュージックジャパンインターナショナル/SICP-3418)
 1945年、レス・ブラウン・オーケストラトの「センチメンタル・ジャーニー」で人気沸騰し、もっともアメリカ的な映画スター、歌手として鳴らしたドリス・デイ(87歳)は、70年代初めに芸能界を引退し、動物愛護家となって久しいが、このほど44年ぶりに新作を発表した。9曲が80年代に息子テリー・メルチャーが母のためにプロデュースしてレコーディングされた新曲。往年に比べてやや声に艶がないとはいえ、滑らかで親しみやすい歌唱は健在。伝統的なポピュラー・ヴォーカルのよき伝統をそのままに、魅力的な歌をきかせる。新曲では、途中からテリーも加わってしみじみと歌われる「マイ・ハート」「ディズニー・ガール」、現代に通じる作りの「スチューボール」ほか、心のこもった表現がすばらしく、ドリスの感動的な紹介で歌うテリーのソロ「ハッピー・エンデイング」もいい。(鈴木 道子)

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「ドリームス/ニール・ダイアモンド」(ソニー・ミュージックジャパンインターナショナル/SICP-3479)

「ニール・ダイアモンドのすべて/ニール・ダイアモンド」(ソニー・ミュージックジャパンインターナショナル/SICP-3432)
 今までに1億2500万枚を売り上げているアメリカの国民的大スター、ニール・ダイアモンドは近作が紹介されないまま久しいが、最新作が『ドリームス』が日本でも紹介された。日頃愛唱してきたロック時代の名曲を、自分のスタジオでギターの弾き語りなどで歌ってきたものに手を加えて1枚にまとめている。ここには渋い男の哀愁や孤独感などがにじみだしている。ギルバート・オサリヴァンの「アローン・アゲイン」のつきつめた淋しさ、「ソング・フォー・ユー」の深みのある好唱、「イエスタデイ」も説得力がある。

 『ニール・ダイアモンドのすべて』は、バング、ユニ、キャピトル、コロムビアと、66年の初ヒット「ソリタリー・マン」から08年までの名唱が網羅されている。1枚にまとめられたのは初めてだろう。「スイート・キャロライン」はじめ、ざらついた声で、全盛期の男らしい独特の覇気のある演唱と親しみやすい好メロディーを持ったヒット曲の弾む魅力は抜群。また71年にコロムビアに移籍して大人の風格を持った佳曲も聴きごたえがある。特に映画『ジャズ・シンガー』からの哀切のバラード「ラヴ・オン・ザ・ロック」などは、じーんと胸が熱くなる。日本では未発表の初登場第1位アルバムからの「スイート・アメイジング・グレイス」のしみじみとした美しさもすばらしい。(鈴木 道子)


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「I Wish You Love/MAYUMI」(IMPEX RECORDS JAPAN/IMP-J2114)
 MAYUMIは九州福岡では有名なスター歌手ということしかわからないが、実にうまいジャズ・シンガーだ。スタンダードを歌う歌手は内外に多いが、ちょっとここまで歌える女性は少ない。うまいだけでなく、心がほっこりしてくる魅力を持っている。冒頭のバラード「アイ・ウィッシュ・ユー・ラヴ」が秀逸なのも、全体の印象を高めている。歌を愛しむように丁寧に歌って美しい。的確な乗りの「ザット・オールド・ブラック・マジック」。「フライ・ミー・トゥ・ザ・ムーン」も優しい恋のムードが明るくスウィンギーに表現されている。すべて好唱。素晴らしい新人だ。(鈴木 道子)


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「Garage Days Volume1/The Human Beinz」(輸入盤/FUEL:302-061-90-2)
 1968年〜1969年にかけて「ノー・ノー・ノー」や「ホールド・オン・ベイビー」で日本でも人気を博し来日公演まで行った米ロック・バンドが唐突(?)に再結成盤! 当時のリーダーが中心となって4人組が今回5人組で再登場(ヴォーカリストは違うけど)。全11曲中「ノー・ノー・ノー」のそっくり再演以外は1960年代のカヴァー曲全開! ヤング・ラスカルズ(大ヒットをはずして2曲♪)、ヴァニラ・ファッジ(あの曲)、ポール・リヴィア&レイダーズは「ハングリー」〜「キックス」〜「ジャスト・ライク・ミー」をたっぷりメドレーで!! あと何でかブッカー・T&ザ・MG’sやドノヴァンまで。すべての演奏、歌い方、声の出し方まで‘モノマネ’なれど何か真剣な眼差しを感じ、心を突き動かされて。。。ハマッてます♪(上柴 とおる)

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「サークル・オブ・ラヴ/シスター・スレッジ」(クリンク/CRCD-3361)

「トゥゲザー/シスター・スレッジ」(クリンク/CRCD-3362)
 一般的にはナイル・ロジャース&バーナード・エドワーズの全面サポートで放った3作目「ウィ・アー・ファミリー」(1979年)がプラチナ・アルバムを獲得して大ブレイクしたことで‘シック・ファミリー’というイメージが強いフィラデルフィア出身の4人姉妹だが今回、国内仕様でリリースとなったのはそれ以前のファーストとセカンド。ソング・ライターやプロデューサーなど‘裏方’の顔ぶれなども含めてかなり興味関心を引く内容で彼女たち本来の歌の実力も再確認出来る仕上がりになっている。リード・ヴォーカルをとっているのはデビュー当初まだ15歳の高校生だったキャシー。1975年のファーストではトニー・シルヴェスター(人気R&Bトリオ、メイン・イングリーディエントのリーダー)とバート・デ・コーがプロデュースを担当。キャッチーでダンサブルなシングル「初恋大作戦」は全米では売れなかったが日本では彼女たちの来日(東京音楽祭出場:エントリー曲「あなたは恋の特効薬」で銀賞受賞)もあってかなりの反響を呼んだ。のち1980年代に入ってシンガーとしても成功を収めるグェン・ガスリーがアルバム全般にわたりソング・ライターとして腕を奮っているところにも注目したい。1977年のセカンドは時流を意識してか当時流行の‘ミュンヘン・ディスコ’に目を向けて西ドイツ(当時)で録音。シルヴァー・コンヴェンションなどを全米に送り出した売れっ子コンビ、マイケル・クンツェ&シルヴェスター・リーヴァイの制作だが思うほどにはディスコ、ディスコしておらずスティーヴィー・ワンダーの「愛するあの娘に」やアラン・トゥーサン作の「スニーキング・サリー」を歌うなどしっかりR&Bしているという印象。どちらもセールス的に芳しくはなかったがシスター・スレッジの長い歴史における原点として見過ごせない作品集だ。(上柴 とおる)

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「カメレオン・バッハ/広田智之」(日本アコースティックレコーズ/NARP-8005)
 日本を代表するオーボエ奏者広田智之が、ジャズにアプローチしたアルバム『カメレオン・バッハ』は、齋藤順ジャズ・アンサンブルの自由でイマジネーション溢れる演奏にサポートされ、時にはクラシック・フレーズのままに、時にはクラシック・フレーズを逸脱し広田の感性の趣くままに演奏されたバッハの名曲集である。広田から発せられるオーボエの音色は、唯一無二の響きがあり、決して聴き流すことの出来ない誰をも惹き付ける魅力がある。「G線上のアリア」、「シチリアーノ」等どなたも一度は耳にした事のあるバッハが、ノン・ジャンルの音楽として新たに表現された作品であり、オーボエという楽器の底知れぬポテシャルと魅力を感じられるアルバムである。広田智之は、才能溢れる素晴らしい演奏家であることは勿論のこと、一人の人間としてナイス・ガイであることを付け加えておこう。(上田 和秀)

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「ロータス・フラワー/シャンティ」(日本コロムビア/COCB-53991)
 湘南の輝く太陽と海がその才能を育んだ歌姫シャンティのサード・アルバム『ロータス・フラワー』が届いた。あらゆるジャンルの音楽を吸収し、全てフィーリングに任せて作り出される楽曲は、オリジナリティ溢れ充分に世界に通じる作品ばかりである。若手No.1ギタリストの小沼ようすけとの共作「サンシャイン」、ポップな名曲「ギャラクシー」など聴かせ何処満載である。ヴォーカリストとしても成長が著しく、「セイヴィング・オール・マイ・ラヴ・フォー・ユー」等スタンダード・ナンバーをカバーしても完全に自分の物として表現出来ている。また、脇を固めるミュージシャン達もジャンルを超えチーム・シャンティとして、自由な中にもエッジの効いた演奏を披露している。このアルバムは、ヴォーカリスト&コンポーザーとしてアーティスト/シャンティの眩しい程の魅力を120%堪能させてくれる。(上田 和秀)

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「ヘイリー・ロレン」 2月13日 コットン・クラブ [セカンド・ステージ]
 一昨年のアルバム「青い影」で評判になった新星のヘイリー・ロレンの一年振りの公演、一部も二部も満席で彼女の人気の程を示していた。片肌を出した真っ赤なショートのワンピースで登場の彼女は、手を使い、身をくねらせながら「Taking A Chance On Love」を歌い、聴衆の目を彼女の動作に釘付けにする。「いとしのエリー」や「この素晴らしい世界」など最新のアルバムからの歌を中心に14曲、時々、声が裏がえリそうになる程の情感を込めて全身を使って歌っていた。未だ20代だが、横目でピアノを見る時のしぐさなどコケティッシュな、マリリン・モンロー的な色っぽさを感じさせる歌手で、ライヴで聞くと魅力が増すというタイプのシンガーだ。東日本大震災の被災者へのお見舞いという意味も込めて最初はウイリアム・マーシュのギターだけの伴奏で、後からピアノも入ってしっとりと歌った「Smile」が、大変印象的だった。アンコールでは、「Blue Skies」ともう一曲、ナット・キング・コールで有名な「Hit That Jive Jack」をピアノのマット・トレダーとベースのマーク・シュナイダーと一緒に歌った。楽しいステージだったが、甘えるような口調で、ディクションが不明瞭な所が気になった。(高田 敬三)
写真提供:COTTON CLUB
撮影:米田泰久


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「ハワード・ジョーンズ Plays 'Human's Lib'」 2月6日 ビルボードライブ東京
 エレ・ポップの旗手として1980年代に一世を風靡した彼が、デビュー作『かくれんぼ』(ファースト・ステージ)と2作目『ドリーム・イントゥ・アクション』(セカンド・ステージ)の全曲を再現するライヴを行なった。筆者が観たのは初日の『かくれんぼ』再現のセットである。ステージのセンターにはジョーンズ用のキーボードがV字にセッティング。加えてエレクトリック・ドラマーとシーケンサー・マニュピレーターのサポートによる3人のパフォーマンスだ。SEの「チャイナ・ダンス」のあと「コンディショニング」からライヴは始まった。ステージ後方のプロジェクターにはこのために制作された映像が映し出されるなか名曲が披露されていく。心配していた古臭さはまったくなく、オリジナルのマルチ・トラックも使用したサウンドには懐かしさとともに現在進行形のアーティストとしての気概を感じた。終盤は「ホワット・イズ・ラヴ?」「ニュー・ソング」といった大ヒット曲で観客を魅了。アンコールでは日本の震災を気遣うコメントを添えて新曲も披露してくれた。演奏中はキーボードにはりついていたわけでなく、ヘッド・セット・マイクでショルキーを操る場面などもあり、その堂に入ったエンターティナーぶりは、この場所では珍しい観客の熱狂的な反応も生んでいた。(山田 順一)
写真:Masanori Naruse


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「カリフォルニア・ギター・トリオ」 1月25日 ビルボードライブ東京
 1991年に結成された超絶ギター・トリオが、約6年ぶりに来日した。メンバーはポール・リチャーズ、バート・ラムズ、森谷英世の3人。キング・クリムゾン〜ロバート・フリップがらみで彼らに注目するようになった音楽ファンも多いことだろう。今回のステージは、トニー・レヴィンをベーシストに迎えた4人編成で行なわれた。カリフォルニア・ギター・トリオのメンバーは全員アコースティック・ギターを電気増幅して使う。そしてふんだんにエフェクターを用いる。生楽器を使いながら、どれだけそこからかけ離れた響きを出せるか追求しているようにも感じられた。演目は新作『Masterworks』からのナンバーに加え、バッハ、ヴェンチャーズからクイーン「ボヘミアン・ラプソディ」まで多彩きわまりない。森谷が日本語でヴォーカルをとった「21世紀のズンドコ節」はクリムゾンの「21世紀の精神異常者」と、「ドリフのズンドコ節」をミックスしたもの。ドリフターズが歌った“ズンズンズンズンズンズンドッコ”というフレーズを、レヴィンが楽しそうにベースで奏でていたのが印象に残った。(原田 和典)

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「中西俊博 Leapingbow 2012 Reel's Trip 〜はじめてのひかり〜」 1月28日 青山円形劇場
 数々の舞台上演で知られる青山円形劇場はまた、八面六臂の活動を続けるヴァイオリン奏者/作曲家、中西俊博のホームグラウンドのひとつでもある。今回は、彼が若手ミュージシャンと組んだ“Reel's Trip”での、通算3度目の登場だ。「音で旅をし、イメージを表現する」このユニットの音楽は、ひとくちにクラシックともジャズともケルティック・ミュージックともいえない。それらが融合した、なんとも聴きごこちのよい、楽しく奥深いサウンドが魅力なのだ。基本的には近年の作品が中心だったが、「プルミエール」等、往年の人気メロディもしっかり披露。バンド・メンバーが周りを囲むように並ぶなか、アコースティックとエレクトリック双方のヴァイオリンを使い、ステージを動き回りながらプレイする中西の姿に、観客は沸きに沸いた。プログラム終盤の「ビッグバン」、「最初の光」、「エピソード」における重厚な響きにも圧倒された。(原田 和典)

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「テデスキ・トラックス・バンド」 2月8日 渋谷公会堂
 今や単なるライド・ギターの名手ではなく、天才ギタリストの名に相応しい活躍を続けるデレク・トラックス率いるテデスキ・トラックス・バンドのライヴは、期待を遥かに上回る素晴らしいものだった。昨年リリースされたファースト・アルバム『レヴェレイター』からの楽曲を中心に懐かしいナンバーも交え、新世代の熱きスワンプ・ロックを堪能させてくれた。加えて、11名もの大所帯をまとめ上げるのも至難の業だが、メンバー全員のポテシャルとテンションの高さには驚かされる。その中にあって紅一点のスーザン・テデスキの力強いヴォーカルは、会場に集まった観客を魅了し圧倒した。そして、何と言ってもデレク・トラックスのギターだが、彼の右手のフィンガリングと左手のボトルネックが完璧にシンクロし、スライド・ギターにおける無限の可能性を表現する。2時間を超えるハイテンションなパフォーマンスは、最高のライヴ・バンドとしての証明となった。(上田 和秀)
写真:Yuki Kuroyanagi

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「アキコ・グレース/バレンタイン・ナイト・コンサート」 2月14日 ヤマハホール
 今年デビュー10周年を迎えるアキコ・グレースのバレンタイン・ナイト・コンサートは、絶大なる信頼を置く若きベーシスト木村将之と鬼才(奇才)ドラマー外山明とのトリオによる壮絶バトルから心安らぐものまで、幅の広い演奏を楽しむことが出来た。官能的なアキコのピアノと単なるドラマーとしてのテクニックを超越したスタンディング・ドラムで、観客の度肝を抜く演奏を披露する外山に、クラシックをベースに卓越したテクニックで絡む木村のベース、一瞬たりとも気の抜けない緊張感の中で、観客も固唾を呑んで彼らの演奏に聴き入っていた。特別ゲストのパテシエ辻口博啓氏によるショコラへのお礼にと即興曲を披露するアキコに、ピアニストとして無限の才能を感じ、アンコール曲の「ひまわりのワルツ」で、優しい気持ちに包まれエンディングを迎えた。(上田 和秀)
写真:Ayumi Kakamu

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「ブライアン・アダムス」 2月16日 日本武道館
 シンプルなセッティングのステージに現れたブライアン・アダムスの変わらぬハスキー・ヴォイスとステージ上を所狭しと走り回る姿は、究極のアンチ・エイジングでもやっているかの様な驚くほどの若さと力強さを感じさせた。バンドの演奏も決して難しい事をする訳でもなく、アコースティックなナンバーもハードなナンバーもブライアンの歌心を巧い演奏でサポートし盛り上げる、これが良いのだ。「ヘヴン」、「アイ・ドゥ・イット・フォー・ユー」等80年代から90年代にかけて大ヒットした全25曲2時間以上に及んだ熱きライヴは、ブライアン・アダムスのベスト・オブ・ベストと呼ぶに相応しい選曲と演奏で、この日集まったファンを魅了し、会場全体とブライアンとの絶妙なハモリによる大合唱の嵐を巻き起こした。ラスト3曲は、ブライアンによる渋いギターの弾き語りで、ファンの終演を惜しむ声の中、感動に包まれ幕を閉じた。(上田 和秀)

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「ドクター・ジョン&ザ・ロウワー・911」 2月15日 ビルボードライブ東京
 アメリカ南部を代表するロック・ミュージシャンのひとりとして日本でもファンが多いドクター・ジョン。そのサザン・スピリッツを生み出してくれるのは、彼の太いだみ声とニュー・オーリンズ・スタイルのピアノ演奏だ。この日のステージでも、彼がピアノの前に座って歌い始めた瞬間から会場は南部の香りに包まれる。曲間に殆ど言葉を発することもなく繰り出される曲目は、代表作「ガンボ」からのナンバーを始め、ファンにはお馴染みのものばかり。南部のスワンプ・ロックというと湿気のある泥臭い音を思い浮かべるかもしれないが、ドクター・ジョンのサウンドはどっしりとしてはいながら、もっと明快でしゃれっ気があり、聞いているだけで突き抜けたような爽快感をもたらしてくれる。齢70歳を超えても、その渋い声も軽快なピアノも少しも変わっていない。そう、会場を訪れたファン達も皆、その音を確かめに来たのだ。そして最後には誰もが満足げに熱い拍手を送り続けていた。(滝上 よう子)
写真:Masanori Naruse

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「沢田研二 LIVE 2011〜2012 TOUR FINAL ゲスト:瞳みのる・森本太郎・岸部一徳」 2012年1月24日 日本武道館
 元“ザ・タイガース”のメンバー3人をゲストに迎え、昨年の9月から始まった沢田研二のLIVEツアーのファイナル。日本武道館は41年前のこの日にザ・タイガースが解散した思い出の地という事もあり、ステージ後方の北側の席までもがファンでビッシリと埋まった。超満員のファンに応えるかのように熱演する沢田、森本、岸部、瞳の四人。そしてサプライズ・ゲストとして後期メンバーだった岸部シローが登場し、変わらない美声でビージーズの「若葉のころ」を聴かせた。会場を埋め尽くした13000人のファンも、「シーサイド・バウンド」では場内が揺れるほどのステップを踏み、「シー・シー・シー」では手拍子を叩き、「ラヴ・ラヴ・ラヴ」では右手で“Lの字”を作り、LIVEを盛り上げていたのが印象的だった。タイガース・ファンにとっての“1月24日”が生まれ変わった瞬間に立ち会う事ができた。(町井 ハジメ)
写真:noko

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