|
日本モーツァルト協会 第596回例会(2月20日、東京文化会館小ホール)
寺神戸 亮(てらかべりょう:ヴァイオリン)、迫間 野百合(はざま のゆり:ヴァイオリン)、原田 陽(はらだあきら:ヴィオラ)、懸田貴嗣(かけたたかし:チェロ)が出演。ガット弦が張られたオリジナル楽器を使用。弓は寺神戸がモダン、他の三人はバロック弓を使ったが、ヴィブラートは適宜かけていた。ガット弦による純粋で温かな音色を味わう。
プログラムは「弦楽四重奏曲K.458《狩》」と「ディヴェルティメントK.563」。寺神戸のヴァイオリンはどこまでも艶やかで美しい。迫間、原田、懸田は寺神戸が示す大きな世界の中で自由に羽ばたいているように思えた。 「ディヴェルティメント」は迫間が抜けた三重奏。シンプルな作品に見えるが、40分以上の大作。奏者が三人であり、アンサンブルの精度が求められる。第4楽章変奏では、ヴィオラの原田が健闘した。第6楽章展開部は複雑だが、素晴らしい合奏を聴かせた。アンコールは「弦楽四重奏曲K.428」第3楽章(トリオなし)。
(長谷川京介)
写真:寺神戸 亮(c)Tadahiro Nagata |