「ホワイト・チョコレート/アル・クーパー」(ソニー・ミュージックジャパン インターナショナル/SICP-2110)
3年前に30年ぶりの新譜『ブラック・コーヒー』を出すやその後タテ続けに来日公演を行ったかと思えば、早くもまた新作を発表と業界歴50年にも及ぶロック界‘影の大御所’アル・クーパーの近年の創作意欲が全編にみなぎる会心の作♪タイトル通り白と黒の色合いを音楽に例えて‘ブルー・アイド・ソウル’な自作「スタックスアビリティ」(題名通りの仕上がりで最高!)やオーティスのヒット曲のカヴァーもインパクトがあるが、一方でまるで ‘ラウンジ歌謡’のような自作「ラヴ・タイム」や映画『バクダッド・カフェ』主題歌「コーリング・ユー」など天下一品のメロウな魅力もたっぷり。64歳にしてこれほどまでに柔軟なセンスでステキなアルバムを作ってしまえるクーパーには脱帽♪(上柴 とおる)
『ブラック・コーヒー』につづく3年ぶりの新作。追悼クレジットにはアイザック・ヘイズ、ボ・ディドリー、レイ・チャールズ、アル・ジャクソンJr.らの名があり、さらには、スティーヴ・クロッパーやドナルド・ダック・ダンをゲストに迎えて録音したスタックスへのオマージュ曲を収めるなど、全体的にソウル色の強い作品に仕上げられている。ある意味では証言者的な立場からロックの歴史に立ち会ってきたクーパーにしかつくり得ない作品、といった印象だ。ディランの「悲しみは果てしなく」、オーティスの「アイ・ラヴ・ユー・モア・ザン・ワーズ・キャン・セイ」、ボブ・テルソンの「コーリング・ユー」などカヴァーの出来も素晴らしく、とりわけ「コーリング〜」のブルージィなアプローチがぐっときた。(大友 博)
|